自分らしさを取り戻す、マルトンホテルでのひととき
はじめに
イヴ・エプスタインはニューヨークに戻り、心の拠り所を求めてマルトンホテルにチェックインした。正しい隠れ家がもたらす癒しの力を体感する。
ニューヨークに帰るたび、故郷の友人や親族に「新しい仕事を手に入れた、書籍を書いた、難しい折り紙をマスターした」など、前向きな近況報告をするのが習慣だ。ほとんどの帰郷では、ジョー・ウォルシュの言葉を借りて「人生は今のところうまくいっている」と笑っていた。
しかし、今回の帰郷は違った。過去一年で、結婚15年のパートナーとの別れ、ロサンゼルスの自宅を去って安いサブレットへ移り住む、10年かけて築いたブランドが閉鎖に追い込まれる、そして「フィットしない」と言われて退職した――。
ニューヨークに降り立った瞬間、自分が「フィットしない」存在なのか、失敗者なのかと自問自答した。そんなとき、ホテルに宿泊するのが最善の選択に思えた。
マルトンホテルとは
西村地区(West Village)に位置するブティックホテル、マルトンホテルはショーン・マクファーソンが手掛けたリノベーションで、絶え間ない魅力とコンパクトな客室が評判だ。私が選んだのは「Petite Full」――わずか100平方フィート(約9.3㎡)の小さな部屋だ。
ロビーに足を踏み入れると、左側には暖かな暖炉、右側には小さなエスプレッソバーがあり、モダンなソファやバンケットがファッション関係者やスタートアップ創業者、旅行者で賑わっていた。フロントはまるでウェス・アンダーソン映画のワンシーンのような、ミレニアル世代の多国籍スタッフが迎えてくれた。
ホテルに宿る匿名性
故郷でホテルに泊まることは、まるで「透明マント」を羽織るような感覚だ。普段は誰もが知っている自分が、ここだけは無名でいられる。今の自分にとって、これは極めて重要なことだった。
部屋の体験

ドアを閉めた瞬間、私の中で何かがはまった。小さくてもバランスが取れ、可愛らしくも大人びた、セクシーで品のある空間――これこそ、私がずっと求めていた自分そのものだった。
もし自分がホテルの部屋だとしたら、まさにこの「Petite Full」だろうか? 小さな部屋は、ベッドでできることに集中させてくれる。そこで私が掲げた5つのシンプルな目標は次の通り。
- 睡眠
- 読書
- テレビ鑑賞
- セックス
- 天井を見つめながら静かに横になること
この2日間、すべての目標を達成できた。寝、読んで、テレビを見て、ほぼ毎時間リラックスし、そして…とても魅力的な相手と情熱的な時間を過ごした。
ホテル内の他エリアも満喫
部屋だけでなく、カフェでのアメリカーノ、暖炉のそばでのアーティチョークサラダ、レストランのリゾット、バーでのカクテルと、マルトンホテルの全てを楽しんだ。いつも戻ってくるのは、あの「Petite Full」――小さくても満たされた空間だ。
自分らしさへの気づき
美しい部屋で数時間の孤独を過ごすと、自然と「自分でいることは悪くない」という感覚が芽生える。完璧にフィットした場所に身を置くと、どこにも合わないという妄想は消え、過去の記憶に縛られずに現在の可能性に心が開かれる。
チェックアウトと次回の約束
チェックアウト時、ハンサムなベルマンがタクシーに乗せてくれた。「また来月ね?」と聞かれ、少し考えてから「はい」と答えた。
ホテル情報
The Marlton Hotel
5 West 8th Street
New York, NY 10011
+1-212-321-0100
reservations@marltonhotel.com
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