メクネスで過ごす完璧な1日:帝国門から夜の散策まで
夕暮れ時、メクネスの壮大な帝国門バブ・エル・マンスールがサハラ砂漠のような赤い光に包まれます。地元の人々が買い物袋を手に立ち止まり、観光客はまばらです。フェズの広大なメディナやマラケシュの活気あるフュージョンシーンに比べ、かつての首都メクネスは旅行プランで見落とされがちですが、そこにこそ本当の魅力が潜んでいます。
メクネスの魅力は控えめさ。その分、手頃でボリュームたっぷりの料理や、フェズやマラケシュと同等の高級リヤドが半額以下で楽しめます。何より、17世紀スルタン・ムーレイ・イスマイルの遺構――頑丈な城壁やユニークな史跡――が街全体に息づいており、忘れられない体験が待っています。
朝
まずはメクネス最大の観光スポット、ムーレイ・イスマイル廟へ向かいましょう。2018年にリニューアルされたこの建築は、預言者ムハンマドの子孫であり、ルイ14世の娘と結婚したことでも知られるスルタンを讃えるものです。彼はマラケシュから首都を移し、文化的な繁栄をもたらしましたが、没後は衰退しました。
廟の向かいにあるクッバト・アス・スファラは、地下倉庫とされるヘリ・エス・スアニの入口です。食料庫か、イスマイルのキリスト教奴隷の牢獄と伝えられています。昼食前にエル・ヘディム広場へ戻り、19世紀の宮殿を改装したダル・ジャマイ博物館を訪れましょう。伝統的な織物やシダー木工芸、ジュエリーが展示され、鳥のさえずりが聞こえるアンダルシア風庭園でひと息つくのに最適です。

午後
メクネスはグルメの街ではありませんが、広場でグリルド・コフタのサンドイッチを手軽に購入できます。その後、2km東南にあるヘリ・エス・スアニへ、馬車(カレッシュ)で向かいましょう。古代の城壁に囲まれたこの王立穀倉は、かつて12,000頭もの馬が収容された広大なアーケードです。18世紀の地震で露出した巨大なヴォールトや、シダー製の朽ちた扉、保存状態の良いノリア(水車)の部屋など、まるでファンタジーの世界に足を踏み入れたかのようです。
その後、メディナでモロッコ風ペストリー(約30ディルハム)とミントティー、またはブラックコーヒーを楽しみましょう。リヤド・バヒアは、ダル・ジャマイの元所有者と関係がある古い家屋を改装したカフェで、宿泊客以外も午後のティータイムを利用できます。

夕暮れ
日没はバブ・エル・マンスールで迎えましょう。ムーレイ・イスマイルがライバル都市への挑戦として建てたこの門は、ローマ時代の石材やマラケシュから持ち込んだコリント式大理石の柱で構成されています。エル・ヘディム広場北側にあるカフェ・レストラン・プレイス・レディムの屋上テラスからは、金色に染まる門とアラビア文字の刻印『モロッコで最も美しい門、空の月のように輝く』が見られ、ミントティーを片手に感動的な光景を堪能できます。

夜
ディナーはリヤド・メクネスへ。事前に電話で場所を確認してから向かいましょう。古代宮殿の廃墟がバックライトで照らされ、サボテンが生い茂る中庭やゼリージタイルの装飾がロマンティックな雰囲気を演出します。近くのララ・アウダ広場は地元の生活が息づく場所で、メクネスの本当の姿が垣間見えます。
メディナ内ではアルコールはほとんど手に入りませんが、エル・ヘディム広場の賑やかな雰囲気を楽しむことができます。散歩するカップルや玩具車で遊ぶ子どもたち、物語を語る語り部が集まる様子は、旅の思い出に残る光景です。

もう1日滞在したいとき
メクネスは、ミドル・アトラスへの拠点として静かな選択肢です。フェズのメディナよりも混雑が少なく、ヴォルビリス遺跡やムーレイ・イドリス巡礼地へのアクセスも便利です。列車は頻繁に運行しており、近郊のブ・イナニア・メドゥーサ、ラフブール庭園の柱列、17世紀のパレ・アル・マンスールの修復工事見学など、追加の見どころも豊富です。




