近年、廃止された刑務所がミュージアムや観光施設、さらにはホステルとして再活用され、刑務所ツアーが人気を集めています。ガイド付きツアーや歴史解説、独房での宿泊体験、教育展示など、監獄生活を安全に垣間見ることができます。

法を犯すことなく刑務所の歴史に触れたい方へ、世界各地の有名な旧監獄をご紹介します。

アメリカ・カナダ

アルカトラズ(サンフランシスコ、米国)

通称「ロック」と呼ばれるサンフランシスコ湾の島にあった監獄は、逃げられない海に囲まれたことで有名です。アル・カポネや「マシンガン」ケリー、ロバート・ストラウド(通称バードマン)らが収容されました。現在はサンフランシスコの主要観光スポットのひとつで、ツアーは事前予約が必須です。

イースタン・ステート・ペニトリアリー(フィラデルフィア、米国)

1829年開所のこの監獄は、放射状の「車輪」設計で独房生活を促す画期的な構造を持ちました。かつてはアル・カポネも収容され、現在はガイドツアーやアートインスタレーション、ユダヤ人生活を紹介する復元シナゴーグ展示が行われています。

オタワ・ジェイル・ホステル(オタワ、カナダ)

1862年から1972年まで運営されたカールトン郡刑務所を改装し、北米唯一の刑務所ホステルとして再オープンしました。歴史的な独房に宿泊したり、管理者棟(ワーデン・クオーターズ)にアップグレードしたりできます。

オーストラリア

オールド・メルボルン・ゲイル(メルボルン)

1841年にブルーストーンで築かれたこの施設は、アウトローのネッド・ケリーが収容され、1880年に処刑された場所でもあります(死亡マスクと拳銃が展示)。幽霊ツアーやライブパフォーマンスの夜間ツアーも開催されています。

ポート・アーサー(タスマニア)

1830年に「最悪の犯罪者」専用の流刑地として設立され、1877年に閉鎖されました。30以上の歴史的建造物を見学でき、現在はユネスコ世界遺産に登録されたオーストラリアの刑務所遺産のひとつです。

ヨーロッパ

キルメイナム・ゲイル(ダブリン、アイルランド)

1796年に建設され、1916年イースター蜂起の処刑が行われたなど、アイルランド史の重要な舞台となりました。エイモン・デ・ヴァレラが最後に釈放されたのは1924年です。

カロスタ刑務所(リーピャーハ、ラトビア)

1900年頃に建設された海軍刑務所で、ロシア帝国、ソ連、ナチスの三つの政権に利用されました。標準ツアーのほか、宿泊や「囚人」体験プログラムも提供されています。

アジア

ホアロ監獄(ハノイ、ベトナム)

1886年にフランス植民地当局が建設し、ベトナム戦争中は米軍捕虜収容所として「ハノイ・ヒルトン」の愛称で知られました。ジョン・マケイン上院議員もここで捕らえられました。

西大門刑務所(ソウル、韓国)

1908年に日本統治下で開設され、1919年の独立運動の際には3,000人以上が収容されました(収容上限は500人)。半分の建物は保存され、独立運動家の苦難を紹介する展示が行われています。