全体像 – PatitucciPhoto の山岳写真チーム紹介
230年の歴史を持つホテル・ローゼンラウイの朝食室で、エンゲルホルナーの切り立った石灰岩峰が朝日の光に浮かび上がるのを待ちながら、カプチーノをすすり、ノートに思いを書き留める。2,000 フィートの急登が控えているが、ほんのひとときの余裕を手に入れたような感覚だ。友人のダンとサイモンに誘われ、今回は写真や雑誌のためではなく、純粋に楽しむためにここへ来た。雨が続いた2014年のスイス夏でも、今日は一日中晴れ渡っている。
PatitucciPhoto の二人
ダン・パティトゥッチは妻のジャニーヌと共に PatitucciPhoto を運営している。拠点はインターラーケンで、世界中の山岳風景を舞台に撮影してきたが、最も象徴的な作品は自宅近くのアルプスやイタリア・ドロミーティで生まれている。
二人ともカメラマンだが、実際の撮影ではダンがシャッターを切ることが多く、ジャニーヌはロジスティクスや現場でのセットアップ、撮影後の編集を担当する。車に例えるなら、ダンがエンジン、ジャニーヌがハンドルとサスペンションの役割だ。
取材の裏側
私がヨーロッパでのクライミング・トレッキング取材でパティトゥッチ夫妻と共に過ごした3回の旅は、計約2か月に及んだ。時にはモデルとしても協力し、短いトレイルランから7日間の山小屋巡り、さらにはヒマラヤへの長期遠征まで、どんなシーンも雑誌のページに映えるショットになる可能性があることを学んだ。
エンゲルホルナーでの一日も例外ではなかった。カプチーノをもう一本注文したくなる衝動に負けず、ダン、サイモン、そして私で登山道へと向かい、急な石灰岩壁を4ピッチ登った先でダンが撮影した写真は、後に Outdoor Research の春カタログに掲載された。
インタビュー:Brendan
Brendan: ダン、PatitucciPhoto の作品は二人のチームワークが鍵だと聞きますが、具体的な流れを教えてください。
撮影を始めるときはまず自分がシーンに入り込み、感覚をつかむ。ジャニーヌはサポート役として第二の目を提供し、見落としがちなポイントを指摘したり、独自のアイデアを出したりする。二人で撮ることで、幅広い表情を引き出すことができる。
Dan, 多くのロケーションはアクセスが困難で、機材も最小限に抑えていると聞きます。山岳でのマルチデイ撮影の典型的なセットアップは?
シンプルさと軽さを重視する。主に Canon 5D Mark III または 1D Mark IV を使用し、レンズは 16‑35 mm f/2.8 と 24‑105 mm f/4 を持ち歩く。余裕があれば 70‑200 mm f/4 を加える程度で、フラッシュは使わない。トレイルランやスキー・ツアーでは 24‑105 mm か、軽量の Sony a6000 を選ぶことが多い。三脚や余計な機材で時間を浪費したくない。
Janine, 山岳スポーツ写真は確立したスタイルですが、他ジャンルへの挑戦は?
旅行記事で人物ポートレートを撮ったり、チーズフォンデュとウィンタースポーツの組み合わせで楽しい企画を手掛けたこともある。主軸は山だが、時折「自転車の年」や「クライミングの年」などテーマを変えてプロジェクトを展開している。
インタビュー:二人の結成とビジネスモデル
Dan, 個人のカメラマンとしてではなく、チームで仕事をすることに自然にたどり着いた理由は?
意識的な決断というより、アウトドア業界に同時に飛び込み、クライミングやランニングの体験をそのまま記録し始めた結果だ。1999 年から「ダニーネ」と呼ばれ、常に一緒に活動している。
Janine, 二人で働くことで得られる利点は?
撮影、編集、マーケティング、会計、デジタル処理、旅程調査など、互いのスキルが補完し合うため、個人では到底こなせない作業量をこなせる。
Dan, デジタル化とメディアの変化の中で、どのように収益を確保してきたか?
印刷からオンラインへ、アナログからデジタルへと移行したが、現場での実践は変わらない。ブランドと協働した編集案件が増え、予算は以前ほど大きくないが、信頼と品質で差別化している。
Janine, スイスで育ち、米国・イタリアで生活した経験が現在の仕事にどう影響しているか?
帰国してからは、子供の頃に見た山々とは違う新しいエリアを発見している。撮影者としての好奇心と探検欲が、常に新しい視点を提供してくれる。
Dan, スイスアルプスやドロミーティは今もインスピレーションの源だが、ヨーロッパで新しい場所を探し続ける意欲は?
決して止まらない。やりたいことが増えるほど「やりたいことリスト」は長くなる。好きな場所に何度でも戻り、また新たな発見を求めている。













