トルコ・ペツルロック・クライミング旅行記
旅の始まり
薄暗いヘッドライトが、レンタカーの前部を照らすだけで、先の道路の闇はまったく照らし出せなかった。タルクの薄い光とステレオのLCDディスプレイのエメラルド色の光を交互に見つめながら、私たちは約12時間の移動を続けていたが、まるで数十年昔にタイムスリップしたかのように感じた。凹凸だらけの道路を走るたびに、時間が逆行しているように思えた。
道中の苦闘
野犬の遠吠えが緊張感を高め、金属製のレンタカーはクラッチを踏むたびに悲鳴を上げ、ブレーキを踏むとスリップした。道路脇にはコンクリートブロックや金属製の小屋が乱雑に並び、まるで時代が止まったかのようだった。
「これ、絶対におかしいんだよ、ニール」――ナビゲーターのニール・グレシャムは、世界のクライミング界で知られる魅力的な人物で、筋肉も抜群だ。彼は世界中の僻地を巡り、最高のルートを探し出す。私たちは彼の指示に全幅の信頼を置いていた。
「正直、分からないんだ」――ニールは「Cha-ki-la」や「chi-ka-li」などのサインを探していたが、疲労で言葉も乱れた。
後部座席には、英国代表のリーア・クレイン(二度の全英チャンピオン)と、世界的に有名なスポーツクライマー、スティーブ・マクルアーが乗っていた。彼らは眠気と戦いながら、私たちは交差点で方向を探した。
ホルギュチ・マーラでの休息
暑さが増す中、太陽は岩を瞬時に焼き尽くした。クライマーは摩擦が必要だが、熱い岩と湿気は手の滑りを招く。そんな中、ホルギュチ・マーラという崖の陰で、数名のトップクライマーが集まっていた。海から数百メートル、古代オリムポス遺跡を背に、石灰岩の屋根が波のようにそびえ、最後の陰を提供してくれた。
涼しい風が差し込み、手に汗がにじむ中、彼らはルート選択の細部を議論した。壁面には古代ギリシャの柱のようなトゥファが誇らしげに立ち並んでいた。
オリムポスへの道
砂利道はサスペンションを叩き、車は上下に揺れた。雨で湿った道路は、崖下へと落ちる危険を孕んでいた。そんな中、巨大なティーポットとザクロの山が見える木造の建物が現れ、私たちは即座に停車した。
冷たい山の空気が肌に触れ、甘い紅茶の熱さが指先に刺激を与えた。6日間にわたる激しいクライミングの疲労が一瞬和らいだ。
ゲイキバイリのトレベンナ
装備を背負い、川の石を渡るのは思った以上に困難だった。小川のせせらぎと秋の葉が揺れる風が心地よく、朝日の光が影を作っていた。
トレベンナはゲイキバイリで最も有名なセクターの一つで、ベースキャンプから数分の距離にある。急な砂ぼこりの上り坂を越えて、巨大な石灰岩洞窟へと続く。
リーア・クレインは逆さまになりながら、F8a+の難関シークエンスに挑んでいた。洞窟内の多様な角度は、クライマーに想像を超える体勢を要求する。
シトディビでの挑戦
ドイツ人クライマー、トビアス・ハウグは「シトディビはトルコのハードクライミングの未来だ」と語った。彼の言葉に仲間は興味津々で、45分の山道を車で走り、松林を抜けて壁面へと向かった。
そこには今まで見たことのないほど大きな連続トゥファがあり、様々な形状の石灰岩パイプが壁面を飾っていた。狭い峡谷は約20メートルの深さで、底からリップを越えてさらに30メートルほど上へと続く。
クライマーたちは歓声と驚嘆の声を上げ、同時に多言語で励まし合った。
サルキットでの熱戦
サルキットは日光が集まるスポットとして有名で、寒い季節のクライミングに最適だと言われている。秋のトルコはまだ暖かく、私たちは日焼けを期待しつつ、岩壁に挑んだ。
熱さの中で35メートルのルートを登り切り、汗でびしょ濡れのショーツをはいたまま、青空を眺めて達成感に浸った。
市場と食事
クライミングの合間に、時間管理とスキンケアは欠かせない。休息日には、地元の市場で「ゴズレメ」を試すのが定番だ。山の市場で新鮮なフルーツやナッツ、ジュース、手作りのパンが並び、体と心をリフレッシュさせた。
キャンプファイヤーと余韻
日が暮れると、キャンプファイヤーの前でトルコの伝統料理を囲んだ。炭火で焼いたケバブとミントヨーグルトがパンに垂れ、疲れた指先でも笑顔がこぼれた。
長時間のクライミングと日差し、筋肉痛にも関わらず、私たちは次の冒険をすでに計画していた。エネルギーと情熱が、遠く離れたトルコの山々へと私たちを導き続ける。




