宇宙旅行前に知っておきたい10のポイント
商業宇宙旅行はすぐそこに。いざ出発する前に、宇宙初心者が押さえておくべきチェックリストをまとめました。
大気圏突破
宇宙は海抜約100km(低軌道の上限)から始まります。電話で地上とやり取りできるほど近く、写真撮影にも最適です。ここではブラックホールや超新星は見えません—それらは深宇宙に行かなければ観測できません。宇宙飛行士にとっては、彗星を飛び回るよりも、時速約7,800kmで地球を回る星空観察が主な仕事です。
方向感覚
宇宙にはまだ道路標識はありません。地上から順に、対流圏には大陸と雲、成層圏では旅客機がオゾン層下を飛行、中間圏で流星が燃え、熱圏でオーロラが舞い、外側の外気圏(エクソスフェア)で衛星や国際宇宙ステーション、そして将来の宇宙リゾートが軌道を回ります。
無重力状態では「上」と「下」が逆転します。固定された天体3点と簡単な計算(ダッシュボードにボタンがあるかも)で自分の位置を把握しましょう。

SpaceX Falcon 9ロケットがフロリダ州ケープ・カナベラルの発射台から離陸。
準備
大気圏を抜けるのは簡単ではありません。ストレッチや野菜中心の食事で体を整え、医師の診断を受けて健康状態を確認しましょう。40フィートのプールでの水中訓練や、ゼロGフライトで無重力感覚に慣れるトレーニングが推奨されます。2年後には打ち上げに備えた体が完成します。
打ち上げと再突入
打ち上げ前の1週間はリラックスして楽しむのがベスト。ステーキやデザートを堪能し、Netflixで好きな番組を一気見。十分な睡眠を取り、当日はSpaceport Americaへ向かいましょう。
打ち上げが始まると、ヘルメットと100ポンド(約45kg)のスーツで外部音は遮断されます。座位のままでも脳への血流は保たれ、9分間の加速を乗り切れば無重力状態に入ります。
従来のロケットに加えて、航空機からの空中発射(エアローンチ)も選択肢です。再突入時は熱シールドとパラシュートが働き、ほとんどの破片は大気圏で燃え尽きますので安心してください。
無重力状態
無重力下でシャンパンを注ぐのはほぼ不可能ですが、背骨が伸びて長く見えるという副作用があります。毎日のエクササイズ(固定自転車、スクワット、ケーブルマシン)は再突入時の体調維持に欠かせません。

居心地の良い居住空間。
船内生活
1日に16回日の出があるため、長時間の深い睡眠は取りにくく、短い仮眠が中心になります。宇宙放射線が網膜に閃光を与えることもありますが、無限の宇宙を眺めると自然と自分の小ささを実感します。そんなときは地球を見下ろし、感動と感謝の気持ちを取り戻しましょう。
専門用語
商業フライトでは「ヒューストンに連絡」は使いません。独自のスラングを覚えておきましょう。例えば火星の「昨日」は“yestersol”、ケープ・カナベラルは“Malfunction Junction”。宇宙飛行士は略語を多用するので、会話はできるだけ短く。
食事
食事は真空パックや凍結乾燥の形で提供され、アレルゲン対応はまだ限定的です。定番はフリーズドライアイスクリームやタンジー飲料、宇宙ブリトー(タコベル提供)や加工キムチ、ビーツのスープです。補給ミッションで届く新鮮な果物や野菜は、到着から2日以内に消費すれば品質が保てます。NASAの宇宙農園で育てたレタスなど、将来的には本格的な生鮮食材もメニューに加わるでしょう。
服装と装備
ステーション内は摂氏約22度、湿度60%に保たれています。カリフォルニアの午後のような快適さです。荷物は限られているので、下着は必ず持参してください(洗濯できません)。靴は不要で、打ち上げ・再突入時用のオレンジスーツと、宇宙散歩用の白スーツが支給されます。
おすすめ読書リストと余談
スティーヴン・ホーキング『時間短縮史(A Brief History of Time)』で知的な会話を。クリス・ハドフィールド『宇宙飛行士の地球での生活(An Astronaut's Guide to Life on Earth)』はインスピレーションに。キム・スタンリー・ロビンソン『火星三部作』で想像力を刺激し、ジュール・ヴェルヌ『月世界旅行(From the Earth to the Moon)』やジョルジュ・メリエスの『月への旅(Le Voyage dans la Lune)』で古典SFを堪能。ロケット科学者オリンピア・レポイントのTEDトークで不安を克服しましょう。




