キュティラで恋に落ちる理由

はじめに
ペロポネソス半島の南岸に位置するキュティラは、独自の雰囲気と素晴らしいビーチ、個性豊かな村々が点在する魅力的な島です。
ロマンスの背景
キュティラは古くからロマンスと結びついてきました。アフロディーテがこの島の海岸で誕生したという神話や、ジャン=アントワーヌ・ワトーの18世紀の絵画「キュティラへの巡礼」に描かれた、恋人たちを取り巻く天使たちの姿がその象徴です。
島の実際の姿
訪れた私が想像していたロマンチックな島とは異なり、キュティラは農業が盛んで緑豊かな土地が広がり、クレタ島の田舎を思わせる風景が広がります。村ごとに異なるキャラクターがあり、絵のように美しいものもあれば、猫さえも音を立てないほど静かな場所もあります。
複雑なアイデンティティ
キュティラはペロポネソスの南岸に位置しながら、イオニア諸島のヘプタネーゼ諸島に属するとされ、行政上はアッティカ州に属しています。この独特の位置関係が島の多様性を生んでいます。
公共土地の独自制度
かつての英国支配時代に遡る制度により、私有でない土地は「エンコリア・ペリオシア」(国内財産)として住民の委員会が管理しています。したがって、国家が直接関与しないため、違法建築は住民の厳しい目で抑制されています。
村々の伝統と継続性
各村は長い歴史を持ち、同じ家系が何世代にもわたって暮らし続けています。たとえば、ミタタではスカロヴ家が海賊時代から、ミロポタモスではゼルヴォス家が1300年から定住しています。北と南に分かれた島全体が、一つの共同体ではなく、独立したコミュニティの集合体です。
移住者たちのコミュニティ
島にはフランス人オーナーのホテルや、イタリア系スコットランド人のハーバルセラピスト、アテネ出身のアーティストなど、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が住んでおり、彼らはキュティラに新たな生活を築いています。
旅行のポイント
観光スポットは島全体に散らばっているため、車のレンタルが必須です。また、観光シーズンは短く、にぎやかな雰囲気を求めるなら8月、静かな時間を楽しみたいなら他の月が適しています。
島の城跡
キュティラにはペロポネソスに似た多くの城跡があります。代表的なものは、オスマン海賊ハイレディン・バラバロッサに襲われた旧首都パリオチョラ、ヴェネツィアの遺構が残るミロポタモス、16世紀のアヴレモナ城、そしてチョラにある13世紀のヴェネツィア要塞「フォルテッツァ(キュティラ城)」です。特にキュティラ城は、島の貴族家系の紋章展示があり、歴史を学ぶ貴重なスポットです。
至る所に隠された物語
キュティラ城の門付近には、白い家とピンクの家が向かい合う小さな通りがあります。ピンクの家はギリシャ・アイルランド系作家ラフカディオ・ハーン(本名:小泉八雲)の母ロザ・カサミティの家族が住んでいた場所。白い家はロシアの海軍提督ニコライ・フィロソフが十月革命後に逃れ、近隣のアンティキテラ島で灯台守として過ごした歴史があります。このように、城門すらも国際色豊かなエピソードに満ちています。
まとめ
自然、歴史、住民の温かさが融合したキュティラは、訪れる人々に独特の魅力とロマンスを提供します。ぜひ自分だけの時間を見つけに訪れてみてください。




