チャーダム・ヤトラの理想的な旅ガイド:ヤムノートリ、ガンゴートリ、ケダルナート、バドリナート
ヒンドゥー教では、親を連れて『チャーダム』巡礼に行くほど敬虔で正しい行為はないと語られています。私も今年初め、母とともにインド・ウッタラーカンド州の四大神殿、ヤムノートリ、ガンゴートリ、ケダルナート、バドリナートを巡る旅を実現しました。
母が何度もお願いし、断るたびに心が痛むほどの切実さを感じたことが出発のきっかけです。昨年はカマキヤ寺院へ行けなかったこともあり、今回は母の願いを叶えるべく、詳細な旅行記を書く絶好の機会と捉えました。

ただし、観光バスで座席争奪戦をしたり、途中の観光スポットだけを見るような安易なツアーは選びませんでした。精神的な充足感が得られない『チャーダム・ヤトラ』ツアーは避け、完全に自分たちだけのバックパッキングで四大神殿を巡ることにしました。
約10日間、荒れた公共バスやシェアタクシーを乗り継ぎ、日程を何度も調整しながら、ヤムノートリからバドリナートまでの旅程を自力で組み、宿泊先も都度予約しました。
同様に、特別ツアーに頼らず一括でチャーダム・ヤトラを完走したい方へ。本ガイドが役立つはずです。
チャーダム・ヤトラ旅行ブログ

多くの人が知らないのは、チャーダム・ヤトラには決まった巡礼順序があるということです。一般的には、ヤムノートリ → ガンゴートリ → ケダルナート → バドリナートの順に訪れます。
各寺院は4月から10月/11月の限定期間のみ開門し、毎年開閉日はヒンドゥー教の『パリクラマ』(時計回りの巡礼)に合わせて変動します。正確な開門日はウッタラーカンド観光公式サイトで確認してください。
冬季は積雪で道路が閉ざされることがあるため、シーズン外でも道路が通行可能かどうかは要確認です。公式にヤトラが終了した後は、公共バスの運行もほとんどなくなる点に注意が必要です。

自力で計画すれば、宿泊先探しや交通手段の待ち時間で数日余分にかかることがありますが、自由度と精神的余裕は格段に向上します。特に2人以上で旅費を分担すれば、ツアー料金よりもかなり安く抑えられます。
開門期間中は定期バスやシェアタクシーが路線上を運行していますが、閉幕後は交通手段が大幅に減少します。計画は早めに立てましょう。
チャーダム・ヤトラ ルートマップ

ヤムノートリ、ガンゴートリ、ケダルナート、バドリナートは地理的には比較的近いものの、山岳地帯のため直接道路がつながっていません。そのため、各拠点間は長時間のドライブ(7〜14時間)を要します。
1日目:リシケーシュ → ヤムノートリ(ベースキャンプ)

リシケーシュ発のバスは早朝4時頃に出発し、約10〜11時間でジャンキ・チャッティまで到着します。バスは事前に駅で予約可能で、乗り遅れた場合はシェアタクシーでも代替できます。標高は500mから2,800mへと急上昇します。
ジャンキ・チャッティでバスは終了し、そこからヤムノートリへのトレッキングが始まります。トレッキングは4〜5時間、寺院入場にさらに1時間程度要するため、同日に全行程を完了するのは無理があります。ジャンキ・チャッティには予算ホテルが多数あり、ヤムノートリ側にも宿はありますが、シーズン中は早めの予約が必須です。
2日目:ヤムノートリ・トレッキング

ヤムノートリはヤムナ川の源流で、ヒンドゥー教では浄化の水とされています。ジャンキ・チャッティからの道はコンクリート舗装された幅広いトレイルで、道に迷う心配はほとんどありません。途中に3つの小寺院が点在し、最初のラーム寺院は右手にあります。
トレッキングは約4〜5時間で到着し、温泉も楽しめます。帰路はジャンキ・チャッティに戻ります。
3日目:ヤムノートリ → ガンゴートリ

ヤムノートリからガンゴートリへの距離は実際にはジャンキ・チャッティからガンゴートリまでです。朝6〜7時発のバスに乗れば、日没前にガンゴートリ町へ到着します。
ガンゴートリ寺院は町の中心に位置し、ガンジス川の源流であるゴムク(ゴムク)へ歩くかどうかは自由です。ゴムクまでのトレッキングは全長36kmで2日間かかりますので、時間がない場合は省略しても構いません。
4日目:ガンゴートリ → ボージバサ(ゴムクトレッキング前夜)

ゴムクへのトレッキングは1日目にボージバサ(14km)まで登ります。出発は寺院前の広場からで、最初の100段の急登でかなり疲れますが、以降は緩やかな上りです。所要時間は体力により6〜8時間。
ボージバサにはGMVNのゲストハウスや、1泊250ルピーで食事付きのラル・ババ・アシュラムがあります。
5日目:ボージバサ → ゴムク → ガンゴートリ

ボージバサからゴムクまでは約4kmで、1時間半ほどで到着します。ゴムクはガンジス川の源流で、ここで少し休憩した後、ボージバサへ下山し、再びガンゴートリへ戻ります。下山は緩やかな道なので約4時間で完了し、ガンゴートリで宿泊します。
6日目:ガンゴートリ → ケダルナート

ガンゴートリからケダルナートへの主要ルートはガウリ・クンドまでの道路(約310km)です。バスは午前4時〜7時に出発しますが、直通はなく、ウッタルカシ経由でガウリ・クンドまで行く必要があります。
ガウリ・クンドは道路の終点で、ここからケダルナートへのトレッキングが始まります。トレッキング前にソンプレヤグの医療センターで健康診断書を取得しなければなりません。体調不良の場合はヘリコプターでのアクセスとなります。
7日目:ガウリ・クンド → ランバラ

2013年のウッタラーカンド洪水以降、ガウリ・クンドからケダルナートへの道は安全性が向上しています。幅約2.5〜3メートルのトレイルに一時的な鉄製手すりが設置されており、ヴァシュノーディヴィのトレッキングと同程度の安全性です。
1日で往復する人もいますが、余裕を持って2日間で歩くと快適です。ケダルナートから約11km離れたランバラにはGMVNのテント宿泊施設があり、食事と温かいシャワーが利用できます。
8日目:ランバラ → ケダルナート → ガウリ・クンド

ランバラからケダルナート寺院までは約3km、徒歩1時間です。寺院付近には商業用ヘリポートがあり、観光客向けの宿泊施設も点在していますが、シーズン中は満室になるため、ランバラでの宿泊が無難です。
寺院内部への入場は混雑により2〜3時間かかることがありますので、早朝の訪問をおすすめします。参拝後はガウリ・クンドに戻り、翌朝のバドリナート行きバスに備えて宿泊します。
9日目:ガウリ・クンド → バドリナート

ガウリ・クンドまたはソンプレヤグからバドリナートまでの距離は約300kmで、バスで10〜12時間かかります。バスはソンプレヤグのバス停から出発し、事前予約で座席を確保すると安心です。
リシケーシュへ戻る前夜にバドリナート寺院を訪れ、翌朝早くバスに乗るスケジュールがおすすめです。
チャーダム・ヤトラの交通・宿泊・費用目安

- バス1区間の運賃は1人あたり500〜800ルピー。シェアタクシーはバスより200〜300ルピー高めです。
- 宿泊はツインシェアで500〜600ルピーが相場。ケダルナートへの途中テント宿は1人800ルピー程度です。
- 必ず身分証明書(写真付きID)を携帯してください。
- 観光客が集中する5月〜6月は混雑が激しいため、避けることをおすすめします。




