アイルランド国籍取得の体験記:血統による二重国籍取得までのステップ
ノマド生活
デジタルノマドで旅行好きの私が、アイルランド出身であることを話題にすると、現地の人とすぐに仲良くなれました。アメリカ人は移民の歴史を誇りに思うことが多いですが、私はさらに一歩踏み込んで、調査と手続きを経て血統によるアイルランド国籍を取得しました。
両親側にアイルランド系の血があり、祖母を通じて資格を得ました。ご自身の両親や祖父母がアイルランド出身であれば、EUパスポートという大きなメリットを手に入れることが可能です。
この手続きは、血統が条件となるアメリカ人にとって、グローバルに活動できる二重国籍への入り口となります。
血統によるアイルランド市民権取得
約4,000万人のアメリカ人がアイルランド系のルーツを持つと言われていますが、実際に市民権取得資格があることを知らない人が多いです。1820年から1860年にかけて、約200万人のアイルランド人がアメリカへ移住しました。
1956年制定の『アイルランド国籍・市民権法』では、アイルランドで生まれた親、さらには祖父母がいる場合に国外出生でも市民権を主張できると定められています。
祖父母がアイルランド出身の場合は「外国出生登録(FBR)」を行います。私の場合、父方の祖母が1930年にアイルランド生まれでニューヨークへ移住したことが根拠でした。
曾祖父母まで遡ることも可能ですが、親が自分の出生前に自身のFBRを完了している必要があります。
申請手順
親がアイルランドで生まれている場合は市民権は自動的に取得できます。祖父母の場合は血統を証明する書類が必要です。詳しい手順はアイルランド大使館の公式サイトをご確認ください。
ステップ1:必要書類の収集
- 祖父母の出生証明書(原本)
- 祖父母の結婚証明書(原本)
- 祖父母の死亡証明書(該当する場合)
- 祖父母の離婚証明書(該当する場合)
- 親の出生証明書(原本)
- 親の結婚証明書(原本)
- 親の死亡証明書(該当する場合)
- 親の離婚証明書(該当する場合)
- 親のパスポート/身分証明書の公証コピー
- 本人のパスポート/身分証明書の公証コピー
- 本人の出生証明書(原本)
- 本人の結婚証明書(該当する場合)
- 本人の離婚証明書(該当する場合)
- 現在の居住を証明する公的書類3点(公共料金の請求書、銀行明細、賃貸契約書など)※アイルランド在住である必要はありません
- 証明写真2枚(証人がサイン)
原本の取得は最も時間がかかります。親族や各州のVital Records Officeに問い合わせて入手してください。
バプテスマ証明書での代替手段
1900年以前の地方出身者は民事記録が残っていないことが多く、教会のバプテスマ証明書が唯一の証拠になることがあります。私の祖母も漁村出身で、バプテスマ証明書が唯一の出生証明でした。
まずアイルランド総合登録局(GRON)に出生証明書検索を依頼し、記録がないことが確認できたら、公式レターとともにスタンプ入りのバプテスマ証明書を提出します。
ステップ2:申請書の作成
アイルランド政府のオンラインポータルで申請フォームを入力し、PDFを生成します。署名・証人のサインを入れた後、書類一式を郵送します。
ステップ3:専門証人の確保
セクションEに署名し、写真にサインする証人は以下の職業のいずれかでなければなりません。
- 宗教指導者
- 警察官
- 弁護士
- 医師
- 校長
- 裁判官
- 銀行支店長
家族は証人になれません。私は警察官の友人にお願いしましたが、医師や銀行支店長でも問題ありません。
ステップ4:アイルランドへ郵送
FedExなど追跡可能な宅配便で、書類一式をダブリン宛に送ります。原本は処理後に返送されます。
ステップ5:アイルランドパスポートの申請
FBRが承認され(市民権取得証明書が発行され)次に、最寄りのアイルランド領事館へパスポート申請を行います。
- 領事館指定の申請書(証人の署名付き)
- 証人サイン入り写真4枚(うち2枚は必須)
- 本人とFBRの出生証明書原本
- パスポート/身分証明書のコピー
- 居住証明書1点
- 手数料(現金書留またはマネーオーダー)
- 領事館宛に郵送
必要経費
書類取得費用:約150米ドル(取得先により変動)
市民権申請料:287ユーロ(約337米ドル)
ダブリンへの送料:約60米ドル
パスポート発行料:約125米ドル
合計:約672米ドル
処理期間
FBRは書類不備の修正を含め5か月、パスポート取得にさらに4か月要しました。書類収集期間を除けば、全体で約9か月です。一般的なFBR処理は5〜6か月が目安です。
他国の血統市民権制度
イタリア、スペイン、ポルトガルでも類似の祖先ベースの市民権取得制度があります。ただし、一部の国は二重国籍を認めず、米国籍の放棄が必要になる場合があります。
二重国籍のメリット
アイルランドと米国はともに二重国籍を認めており、国際的な選択肢が広がります。
EU居住権
アイルランド国籍取得者はEU全域でビザ不要で居住・就労・医療サービスを受けられます。税率が低く、中立的な外交政策も魅力です。
ブレグジット後、EUアクセスは多くの人にとって大きな価値となり、現在約1,000万人が海外でアイルランドパスポートを保有しています。
文化的・精神的価値
ルーツを辿り、コーク県へ実際に足を運んだ経験は格別です。取得した市民権は子孫へ受け継げるので、境界のない考え方が育まれます。
旅行の利点
アイルランドパスポートは世界175か国以上へのビザ免除があり、米国パスポートが制限されるキューバやイランへの入国が容易です。
約700米ドルと9か月の時間でEUパスポートを手に入れられるチャンスは稀少です。ぜひ挑戦してみてください。スィーツ・アイルランド!♧




