誰にも言わないでほしい、最後の秘密のイタリアの島
本格的に隠遁生活をしたいなら、シチリアとチュニジアの間にある火山島パンテッレリアが最適です。3回訪れたサラ・ブランバーグが案内する、プライベートで手つかずの地中海の楽園をご紹介します。
パンテッレリアはシチリア南方、チュニジア東約35マイルに位置する火山島です。イタリア最南端のひとつで、観光客はもちろんイタリア人にもほとんど知られていない、まさに“レーダー外”の島です。
この島は魅力的であると同時に、訪れるのが一筋縄ではいきません。私と夫ジム・オリベイラはここへ3回足を運びましたが、島の岩だらけの地形や狭い道、急な崖は探検者の根性を試します。
初めての訪問で体験したのは、パレルモからのフライト中に起きた奇妙な出来事です。パンテッレリアの空港(実際は小さな滑走路)は山腹にあり、天候が完璧でないと着陸できません。機長は何度も挑戦しましたが、最終的にトラパニ空港へと振り替えられ、フェリーで島へ向かうはめに。
島の見方は陸と海の2通り。島の全長を車で走ると約45分で、海岸線沿いの曲がりくねった狭い道や、内陸部の小さな村々を眺めるルートがあります。

アメリカ西部の乾燥した大地と空を思わせる風景。乾いた丘陵と肥沃な谷間が交錯し、カプリのような甘いジビッボ種のブドウが育つ畑やケーパー農園が広がります。
海岸は手が届きにくい分、絶景が待っています。限られたアクセス地点を除き、海へ降りるには急な岩道や巨大なサボテンが並ぶ小径を勇敢に下りる必要があります。青緑に透き通った海は、そんな苦労のご褒美です。
もし下りる勇気がないなら、ボートをレンタルして沿岸を巡り、好きな場所にアンカーを下ろすのも手です(こちらの方が楽)。砂は一切なく、鋭い岩礁が続く海岸は注意が必要ですが、隠れた入り江には天然の温泉やドラマチックな岩場が点在しています。特に見逃せないのは、エレファンテと呼ばれる象の鼻のような岩のアーチと、サルタ・ラ・ベッキアの壮大な断崖です。島全体を一日で回ることも可能です。




パンテッレリアの特徴的な建築と言えば、ダムスィです。火山岩のトゥフォで作られた小さな丸屋根の建物は、まるで自然の洞窟のよう。水源が乏しい島なので、すべてのダムスィには貯水池があり、庭には雨水を集めるシステムが完備されています。
風が常に強く吹くため、ジャルディーニ・アラビ(アラビア風庭園)という石造りの防風構造物が植物を守ります。植生は全体的に背丈が低いものの、ケーパーやブドウは驚くほど豊かに育ちます。
住民は主に小さなほこりっぽい村に暮らしています。島の主要港はパンテッレリア・タウンで、ガソリンスタンドやスーパーマーケット、ワインショップがあります。
最新の訪問では、島の反対側にあるスカウリの小さな町の近くでレンタルハウスに滞在しました。スカウリは小さな店やバー、レストランが揃う典型的なイタリアの村で、住民は年配者が広場でコーヒーを飲みながら観光客を眺める光景が見られます。天候と風が厳しいため、狭く岩だらけの道路は心臓の弱い人には向きません。ジョルジオ・アルマーニなどの富裕層もこの島に別荘を所有していますが、招待なしではその豪邸は見つけられません。
私たちの一日 routine は、朝にビーチへドライブし、午後に買い出しをして、次の探検スポット(ケーパー農園、温泉、マーケットなど)を決めるというシンプルなもの。島は冒険好きに最適でありながら、リラックスできる環境でもあります。滞在中は地元の人々と食事を共にし、友人関係が自然に芽生えました。


食事
自然に魅了されると食事は二の次になりがちですが、農業は島の生活の根幹です。ケーパーとブドウはもちろん、オリーブ、トマト、レモンも豊富に生産されています。足りない食材はシチリアから運ばれます。レンタルしたダムスィのキッチンで、地元の小さな店を巡りながら食材を集めるのが楽しみのひとつです。海を望む地下にあるベーカリーでは、オレンジピールとクルミを練り込んだアーモンドペーストのクッキーが絶品です。
島で最も有名なレストランはラ・ニッチャ。シンプルで美味しい料理が楽しめ、天候が良ければ屋上庭園でロマンチックな食事ができます。オーナー兼シェフのジャンニ・ブセッタが出版した料理本は、パンテッレリアの味を持ち帰る最高のお土産です。最近の訪問では、デザートにパッシートとバッチャ(リコッタと粉砂糖で作る雪の結晶形のフラッペケーキ)をいただきました。
他にもウ・トラットゥ(レッカレにある)など、シンプルなサラダやカポナータが楽しめる店がありますが、結局は小さな食材店で買い物をし、レンタルハウスで新鮮な魚や自家製パスタ、地元ワインと共に料理するのが最大の楽しみです。
旅行計画
アクセス方法:6月から9月の土日限定で、ローマ(FCO)またはミラノ(MXP)からAlitaliaの直行便がパンテッレリア(PNL)へ運航しています。Palermo(PMO)やTrapani(TPS)からはMeridianaが1日3便の直行便を提供。Venice(VCE)からもAlitaliaやVoloteaで乗れますが、乗り継ぎが必要になることが多いです。飛行機が苦手な方は、Trapaniからの7時間のフェリー(昼行便または夜行便)を利用できます。
島内の移動:滞在は1週間程度が目安。空港でレンタカーを借りるのが最も便利で、La Cossira がフライト、レンタカー、交通情報の総合窓口としておすすめです。
宿泊先:友人の紹介で手配した Tenuta Borgia のレンタルハウスは、DIY感がありながらもエレガントで快適です。
ベストシーズン:島はチュニジアに近く、夏は非常に暑くなります。冬は観光客が少なく寂しいため、5月・6月・9月・10月が最も過ごしやすい時期です。
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