砂漠の放浪記
序章:凍える水たまりの中で
私は、最後の土砂流が起きてからかすんだまま動いていない、凍りつくように冷たい水たまりの中に太ももまで浸かっていた。そこにどんな細菌が泳いでいるかは誰にも分からない。暗くなり始め、影が先ほど入った狭い峡谷の高い壁を覆い隠す。足首のしびれが一瞬だけ痛み、すぐにまたしびれに戻る。体温がどんどん下がり、低体温症がどんな感覚か考え込む。上空にはかすかな日差しがあるようだが、この場所ではほとんど光が届かない。次の停滞した水たまりを抜けたとたん、チャコスの靴は泥に沈み、さらに足を踏み出すと粘土のように滑る地面に滑り込んだ。頭の中で一つの疑問が繰り返す――なぜ自分はいつもこんな状況に陥るのだろうか。
ユタ州への春休み旅行
コロラド大学で2年生の時、友人のBJと私は車に乗り込み、南ユタへ春休みの旅に出た。サウンドシステムからはグレイトフル・デッドが鳴り響き、サーブ900でコロラド高原を横断し、ユタの峡谷へ向かう。目的地はグランド・ステアケース=エスカランテ国定モニュメントだった。地元のコンビニで店員に『デス・ホロウ』へのトレイルを知っているか尋ねると、背後から自信満々に『デス・ホロウは最高だ。衝撃的だよ』という声が返ってきた。その言葉に背中を押され、私は以降毎年この地へ巡礼に出かけ、自然の壮大さと謙虚さに身を委ねている。
ラマと共に進む冒険
BJは大学卒業後すぐにこの地に移り住み、ラマを使ったパックツアーを営むガイド会社を立ち上げた。ラマは水分がほとんどなくても生き延びられ、木の皮から草まで何でも食べる。荷物はステーキやビールのケースまで運べ、必要なら食料としても利用できる。ラマは背中に掛けて二、三頭でリードされ、常に首筋に息を吹きかける独特の匂いがある。5分おきにくしゃみや咳をし、運が良ければ首や背中に緑色の粘液が付着する――怒るとさらにひどくなる。水源がどこにあるか分からないと、匂いの除去は一苦労だ。
デス・ホロウへの挑戦
『デス・ホロウ』という名前だけで、そこへ足を踏み入れる者の正気を試すかのようだ。南西部の無限に続く迷路の奥深くに位置し、岩壁は小川から高くそびえ立つ。アクセスには綿密な計画と滑りやすい岩を何マイルも歩く必要がある。ラマは入れないため、別ルートから入り、砂漠の灼熱の太陽の下、オレンジ色の砂が敷き詰められた道を何マイルも歩く。午後遅く、やっとデス・ホロウに到着すると、西向きの壁が夕陽に照らされ、鮮やかな色彩に染まる。キャンプを設営し、ラマのリードは聖域から離れた場所に固定して、探索を開始した。
失われた道と新たな発見
深部へと進むと、地図を忘れ、時に自分たちの限界を超えてしまう。迷子になることもあれば、崖に囲まれ、水が尽き、灼熱の太陽に焼かれることもある。常に背後に土砂流の危険が潜んでいることを意識しながら、これまで踏んだルートと新たに見つけた道を結びつけていく。岩のテクスチャや、最後の光が峡谷壁に残す輝きに心を奪われる。こうした体験が旅行への欲求を刺激し、再びこの地へと足を運ばせるのだ。
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