実はフランス発ではない“フランス”と呼ばれる10のもの
フランスに関するステレオタイプはアメリカでとても身近です。ベレー帽やバゲット、数え切れないほどのペストリーなど、観光客が最初に目にするイメージは概ね正しいと言えます。ところが、英語圏では「フランスの」と呼ばれながら実はフランスに起源がないものも多数存在します。ここでは、実際にはフランス以外の国や地域で生まれた、誤解されがちな10の言葉やアイテムをご紹介します。
フレンチフライ(French fries)
カリッと揚げたポテトは世界中で愛されていますが、その起源はフランスではなくベルギーとされています。18世紀、ベルギーのメーズ川流域の農民は冬になると魚が取れず、安価なジャガイモを薄切りにして揚げ始めました。後に第一次世界大戦でベルギーに駐留していた英米兵がこの料理を「フランス語が公用語だった」ために「French fries」と呼び、名前が定着したと言われています。
フレンチキス(French kissing)
フランスは恋の街といわれますが、舌を使ったキスの概念がフランス発だという証拠はありません。実際、英米兵が第一次世界大戦後にフランス兵の情熱的なキスを目撃し、帰国後に「French kiss」という表現を広めました。フランス語自体は2013年までこの言葉を正式に採用していませんでした。
フレンチブルドッグ(French bulldog)
この小型犬は元々イギリスのラッセル工房で人気があり、ラッセル職人がフランスへ移住した際に一緒に持ち帰ったことが名前の由来です。イングランド産のブルドッグとテリアの交配で誕生した犬種で、フランスで改名されただけで、起源はイギリスにあります。
フレンチトースト(French toast)
フレンチトーストはローマ帝国時代のレシピ「Pan Dulcis」に遡ります。中世イングランドでも「pain perdu(失われたパン)」として親しまれ、フランス語圏でも同様の名称が使われています。実際の起源はフランスではなく、古代ローマや中世イングランドにあります。
フレンチホーン(French horn)
狩猟用ホーンはフランスで形状が改良されたものの、バルブやクロック(調子を変える管)を発明したのはドイツのハインリヒ・ステルツェル(1814年)です。国際ホーン協会は誤解を防ぐために「French horn」ではなく単に「horn」と呼ぶことを推奨しています。
フレンチプレス(French press)
コーヒーのプレス式抽出器は、実はイタリアのデザイナー、アティリオ・カリマーニが特許を取得しています。フランス人がコーヒー抽出に熱心だったことから、英語圏では「French press」と呼ばれるようになりましたが、正確にはイタリア発の器具です。
フレンチドレッシング(French dressing)
アメリカで一般的な甘くて赤みがかったドレッシングは、1950年代に米国のメーカーがパプリカやトマトを加えて作ったものです。フランスで本来使われるビネグレットは酢・油・マスタードだけのシンプルなものです。名前はフランスらしさを演出するために付けられました。
フレンチマニキュア(French manicure)
この指先のデザインは、ハリウッドで活躍した米国のメイクアップアーティスト、ジェフ・ピンクが考案しました。パリのモデルや顧客に好評だったことから「French」と名付けられましたが、実際の発案国はアメリカです。
フレンチレターズ(French letters)
19世紀のゴム製コンドームは、動物の腸膜で作られ、乾くと紙のように薄くなることから「レター(紙)」と呼ばれました。フランス人が好色だというステレオタイプから「French」という語が付いたとされていますが、実際の発明者は米国のチャールズ・ゴーディア(1839年)です。
フレンチブレイド(French braid)
編み込み髪は古代ギリシャやケルトの絵画、さらには6000年前のアルジェリアの岩刻にも見られます。英語で「French braid」という名称が登場したのは1871年の短編小説だけで、実際の起源はフランスではなく、何千年も前から世界各地で存在していました。
以上、フランスと誤解されがちな10の言葉・アイテムの本当の起源をご紹介しました。




