安全上の懸念がある中でも、女性一人旅はインドを訪れる価値がある
はじめに
インドにおける女性旅行者への安全問題は近年深刻化しています。筆者自身の体験を交え、インドを単独で旅する女性、メロディ・フアーズの物語を紹介します。1997年の初訪問で嫌な体験をしたものの、やがてインドに根ざすようになった経緯と、単独女性旅行に関する実践的なアドバイスをお届けします。
インドでの女性への暴力と「イーブ・ティージング」
西側メディアでは、インドにおける女性への暴力や性的嫌がらせが頻繁に報じられますが、これらは表面的な問題ではなく、根深い社会構造に根ざしています。インドでは「Eve‑Teasing(イーブ・ティージング)」と呼ばれる公衆の場での痴漢行為やストーキング、酸攻撃などが問題視され、専用の警察部隊が設置されるほどです。
観光客への影響
2013年に観光客が被害に遭った高プロフィールのレイプ事件が報じられた後、インド商工会議所は前年同期比で女性観光客が35%減少したと発表しています。
メロディ・フアーズの最初のインド旅行(1997年)
23歳でインドに到着したメロディは、神秘的な魅力を期待していました。しかし、ゴアでは男性バス乗客がビキニ姿の旅行者を撮影したり、痴漢的な言動やベッドに誘うような不快な場面に直面し、帰国後は「二度と戻らない」と誓いました。
ヒマラヤへの再挑戦(2007年)
10年後、ヒマラヤとチベット仏教文化に惹かれ、メロディは不本意ながらインドへ戻ります。ダラムサラとラダックで2か月を過ごし、過去の怒りは残るものの、全く異なるインドの側面を体感しました。
その後、父親の病気で帰国を余儀なくされましたが、2010年に妹と訪れたケララで大きな転機が訪れます。
妹からの助言
妹はこう語ります。「インドは受け入れよう。価値観や期待は空港で下ろし、オープンな心・目・腕・心で向き合えば、恐れは恐れを呼び、愛は深い変容をもたらす」。
2011年の長期滞在と気づき
父の死を悼みながら、メロディは2011年にインドで1年を過ごすことに。ムンバイから南部・北部へバスで移動し、観光客向けのルートから外れた「二等市民」的な体験をしました。
インド女性が日常的に受ける「Eve‑Teasing」や酸攻撃といった暴力を目の当たりにし、Wall Street Journal が指摘するように、この婉曲表現は根本的に廃止すべきだと痛感しました。
警察の特別タスクフォースや街頭の注意標識で対策は進んでいるものの、実際には多くの女性が黙って耐えている現状があります。
西洋女性への独特なステレオタイプ
メディアは西洋の女性を「簡単に手に入る」存在として描くことがあり、現地での不快感を増幅させます。
トーマス・クック・インディアなどの旅行会社は、女性専用ツアーや無料携帯電話、緊急連絡先の提供といったサービスで安全対策を強化しています。
自己防衛と内面の変容
ラジャスタンで2週間自宅に閉じこもり、嫌がらせに疲弊したメロディは、苦しみは相手の行為だけでなく自分の反応からも生まれると悟ります。自分のパワーは「相手を変える」ことではなく「自分の対応」にあると気付いたのです。
2011年12月、メロディはインドに対する熱い思いを抱き、再訪を心待ちにしていました。
現在のインドでの暮らし
英国に20か月戻り、瞑想と「今ここ」に焦点を当てた生活を送った後、再びインドへ。旧デリーでの視線は昔の感情を呼び起こしたものの、落ち着いて対応し、ダラムサラでは自然に溶け込むことができました。
インドでの女性としての精神的成長は、こうした試練を通じて耐性と自己肯定感を育むものです。
インドは人間性と自然が交錯し、瞬間を生きることの大切さを教えてくれる場所です。
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著者について
メロディは18歳の誕生日後にバックパック旅行を開始。21年にわたり旅行と英国生活を両立し、現在はダラムサラでノマド生活を送りながら小説を書いています。次の目的地はタイ、そして人生が導く先へ。




