カナダ・ウィスラーで高所恐怖症に挑んだ体験記
はじめに
エッフェル塔の展望台に立ったとき、足がすくんで膝が揺れた光景は今でも鮮明です。昨年はニューメキシコ州リオ・グランデ渓谷にかかる揺れる吊り橋を渡り、心拍数が上がるのを感じました。
メキシコシティの美術宮殿で、数メートル先の落下スペースとわずかな手すりだけが隔てられた屋内バルコニーを歩いた瞬間、息が詰まりそうになりました。高層ビルの内部でも、興奮というよりは胃の中に小さなアリが群れたような不安が湧き上がります。シカゴのウィリス・タワーの展望台で、ガラス床がひび割れたという噂を聞いたときは、手のひらが汗でべたべたになりました。
そのとき友人たちは下の街並みを眺めながら興奮していましたが、私は汗だくで心拍が速くなるのを抑えきれず、早く降りようとせがみました。
高所恐怖症の正体
私の恐怖は単なる高さへの不快感を超えて、パニックに近い状態です。トロントのCNタワーで行われるエッジウォークは悪夢、ラ・パスの超高層ビルからのロープ降下は考えられません。狭い足場で深い谷を渡ることや、世界最高のロープスイングを想像するだけで吐き気がします。バンジージャンプやスカイダイビングも絶対にやりません。
ウィスラーでのジップライン挑戦
しかし、ある日私はウィスラーのジップラインの最下段に立ち、まさに「無へ」飛び込む瞬間を迎えました。20階建て相当、約2000フィート上空の細いロープとスナップフックだけが唯一の支えです。何が考えられたのでしょうか。
実はこれが初めてのジップラインではありません。2007年にコーンウォールの海辺で短いジップラインに挑んだときは、20秒ほどでゆっくりと降りてきましたが、カウントダウンのたびに凍りつき、15分後にようやく飛び降りました。その後一日中体調が悪くなったことを覚えています。
それから7年、再びウィスラーで山間を時速90kmで滑走するジップラインに挑むことになりました。最大で5回の連続挑戦が待ち受けていました。
最初の二人が滑走するのを見て、胸が締め付けられました。私が先に行くべきか、遅らせるべきか悩み、涙が溢れました。友人のリースは興奮に満ちていて、みんなが待っている中で私が抜け出すと全体が遅れることになると感じました。
「3、2、1…」とカウントが始まり、私はハンドルを離しました。心臓が跳ね上がり、目の前に何も見えない闇へと突っ込んでいきました。『ロープが切れる!』『熊がいるかも!』『何をやっているんだ!』と頭の中は混乱しました。
約60秒と感じた時間が過ぎ、地面に着いたときは足がガクガクで意識が遠のきそうでした。
それでも、残りの4回をすべてこなさなければなりませんでした。仲間は「速いほど楽しい」「逆さまでもやる」などと歓声を上げ、リースはまさにダーベディブです。私にとっては一回ごとに恐怖が増すだけでした。
体験の結び
何度も恐怖に直面しながら、結局全5回を乗り切ることができました。最悪の経験だったとは言いませんが、二度と同じことはしたくありません。とはいえ、恐怖を乗り越えた自分に少しだけ誇りを持っています。
あなたの最大の恐怖は何ですか?それに立ち向かったことがありますか?




