恐怖の深さ:タジキスタンでの過酷な自転車旅
朝の涼しい空気の中、重い目をこすりながら目覚めた。体のあちこちが痛み、寝床のマットから起き上がり、光り輝く太陽の下へと足を踏み出す。タジキスタンの谷間を再び走り続けるのだ。前夜はドゥシャンベから約300km離れた場所で、3人の女性と多数の子どもがいる家に泊まっていた。犬の鳴き声が夜通し響き、眠りを妨げたため、女性と小さな子どもを起こさないように窓際へ行き、バイク「ネリー・ブライ」と側面と後部に取り付けた5つのバッグを確認した。
仲間との別れと単独走行
前日の朝、ブハラで出会いドゥシャンベから共に走ったスイス人サイクリストと別れた。3日間一緒に走ったが、彼のペースに追いつけず、単独で走る時が来たと感じた。写真撮影のためにも、一人になる方がチャンスが広がる。昼食やキャンプ、昼寝前後の泳ぎ相手ができたのは嬉しかった。
女性の家での歓迎と踊り
別れた後、数人の女性に家へ招かれ、長老からスポンジバスを受け、少し昼寝をした。その後、7人の仲間と踊りの時間が訪れた。二人の女性は一人の男性と結婚しており、男性は不在。手ぬぐいで状況を演じ、私を三番目の妻にするよう冗談交じりに誘ってきた。庭や近隣を案内され、夕暮れに家へ戻った。ラマダン中だったため、夜が訪れるまで待っていた。
過酷な気候と未踏のルート
この辺りの太陽は激しく、気温は48度に達することもある。できるだけ早く進む必要があるため、人がほとんど通らないルートを選んだ。地図上に道路が途切れる区間もあり、予測はできなかったが、無理に多数のサイクリストが走る道ではない理由があると感じていた。
嵐と荒廃した風景
暗い嵐雲が近づき、涼しい風が肌に当たるのを感じた。これで暑さが和らぎ、午後の走行が休まずに済むはずだ。木々は消え、岩だらけの採掘跡と荒れた茶色い川が広がる。夏の氷河融解が例年より大きく、川は激しく流れ、石の堤防に激しく打ち付けている。四時間前に最後の町を出てからは、逆走するランドローバーは1、2台だけだった。錆びた採掘機械と灰色の石の山が無機質な景色を作り出す。
雨宿りと修理作業
小さな池のほとりで雨宿りしながら、バイクの前部の折れたボルトを修理しようとした。周囲に人はおらず、服を洗い、ドゥシャンベ製のアトラス柄パンツを着替え、濡れた服を木に干した。嵐が近づく中、髪をまとめてプライヤーでヘッドレススクリューをフォークのアイレットに締め直した。雨具に身を包み、パニエを整理しながら、道具や石鹸を探した。
奇妙な落石と少年
茂みの中から硬いものが落ちる音がした。振り返ると、2メートルほどの木の下に石が降り注いでいた。左腕に小石が当たり、続いてさらに大きな岩が降り続く。15メートル先の崖の上に少年と犬が見え、少年は次々と石を投げていた。英語で「止めろ!」と叫んだが、ロシア語はまだ十分に話せず、言葉がうまく出なかった。少年はさらに大きな石を投げ、犬は吠えて崖の端を走り回っていた。
戦闘の叫びと負傷
旅の初期に身につけた「戦闘の叫び」を思い出し、声を張り上げた。叫びは恐怖と怒りを解放し、息を大きく吸い込み、裂けた唇から悲鳴のような音を放った。少年と犬は姿を消し、私はバイクを片付けてその場を離れた。足首に鋭い岩が刺さり、血が流れ出した。近くの小川で水をかけて止血しようとしたが、十分な消毒はできなかった。血は赤く染まり、足は痛みで震えた。
崖の上の観衆と更なる試練
崖の上からタジキスタンの女性が私を見つめていた。私の叫びが広まったのかもしれない。再び少年が現れ、私はバイクを足元に置き、血が流れる足を見つめながら、傷は新たな戦いの痕になると悟った。バイクを押しながら、岩や嵐、そして血の流れを背に、道から外れたことを実感した。
岩場と激流の挑戦
次の二時間は走行と歩行を交互に繰り返し、緩い砂利の上をゆっくりと上り下りした。岩の山の上に座る男が「正しい方向だ」とゆっくりと答えた。採掘機械や大型トラックが行き交う中、3時頃に幅広く泥濘した小川に到達した。右側から山の氷河が溶け出した茶色い激流が流れ、左側へと蛇行しながら下流へと続く。
水流への挑戦とヘリコプター
川の岸辺に立ち、巨大な石と砂利の上で足首の血とハエを眺めながら、深い水に足を踏み入れた。前輪が水に沈み、リアパニエまで水が満ち、膝まで浸かった。バイクは浮き輪のように揺れ、前輪を押し下げても安定せず、川の流れが自転車を押し付けた。上空にはヘリコプターが旋回しており、実は同じ朝にパミールで内戦が勃発したことが後で判明した。ヘリが自分を見ているのか、無事を祈るしかなかった。







