パスティスを称えて:夜の食前酒への賛歌
Gabriella Zanzanaini と Nicolas Petit(The Funnelogy Channel)による、フランス・プロヴァンスで体験した食前酒の魅力を語ります。彼らは2015年にFathomが選んだ『24 Best Travel Blogs and Websites』の一つでもあります。
プロヴァンスの夕暮れと食前酒
フランスの夏は、夕方のアペロなしでは語れません。特にプロヴァンスでは、ディナー前に飲むパスティスが定番です。7月・8月の長い日差しの後、空がオレンジ色に染まる頃に食事が始まります。皿がパンで拭き取られ、流れ星が降り始める前に、静かな午後の空気の中で友人や家族、カップルが村のバーや隠れた庭へと集まります。
アペロはフランス語のapéritifの略で、ラテン語aperire(開く)に由来します。食欲を「開く」ための飲み物という意味です。スペインではタパスと、イタリアではスプリッツと共に楽しまれますが、フランスでは冷たく滑らかな飲み物自体が主役です。
風光明媚なプロヴァンスの風景。
午後のプロヴァンスで人々がひと息つく様子。
注ぎ始める瞬間。
食前酒の起源
最初の食前酒は1846年、フランスの化学者ジョセフ・デュボネットがマラリア予防のためにキニーネを含むワインを開発したことに始まります。妻がその味を気に入り、友人に振る舞ったことで広まったのです。その後、フランス軍やイギリス兵士がキニーネ入りの飲み物を好むようになり、ジン・トニックが誕生しました。
イギリスの王妃マザーは、ジン30%とデュボネット70%を氷とレモンで割った自家製カクテルを好んだと伝えられています。
パスティスとリカルドの物語
南フランスで食前酒といえば、やはりパスティスです。テーブルにはミルクのように白くなるグラスと水差しが並び、ほとんどがリカルド社のロゴが入っています。パスティスは1932年にポール・リカルドがアニス風味の飲料を市場に持ち込んだことで広まりました。
リカルドはかつて羊飼いからパスティスの原型を聞き、星アニス、フェンネル、リコリス、プロヴァンス産ハーブなどを自宅の寝室で試作し、現在でも秘伝のレシピは公表されていません。
第一次世界大戦と第二次世界大戦中、アニス系蒸留酒は禁酒令の対象となり、一時は市場から姿を消しました。しかし禁酒令解除後、パスティスは再び人気を取り戻し、現在フランスで最も売れているリキュールのひとつです。1975年にリカルドは最大の競合ペルノと合併し、世界的な飲料企業ペルノ・リカルドを形成しました。
ペルノとリカルド、二大ブランドが合併。
完璧なパスティスの注ぎ方。
プロヴァンスでの楽しみ方
夕方7時頃になると、氷が入った細長いグラスに水を注ぎ、ミルキーな霞が広がります。自宅なら黒オリーブ、グリーンタパナデのクロスティーニ、塩味の濃いアンチョワーズ、そして私のお気に入りブランダード・ド・モルー(塩漬けタラのペースト)を添えて。
外出先では、ゴルドやロッシヨンなど観光名所のバーベキューやテラス席を確保するのがコツです。人気の場所は「complet(満席)」の看板が出ていることが多いので、静かなルベロンのジュカスやサン・サトゥルニン・レ・アプト、カスヌーヴ、ヴィラールといった小さな村へ足を伸ばすと、落ち着いた雰囲気の中でパスティスを堪能できます。
グラスが次々に空になるたびに、最後のひと粒のピスタチオがボウルに残り、l'heure de l'apéroはl'heure du dînerへと移ります。
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本記事はThe Funnelogy Channelから許可を得て、内容を分かりやすく編集し再掲載しています。




