夢の旅行が崩れた瞬間…マヤベイ(『ザ・ビーチ』)での失望体験
「希望し、夢を見る。でも、映画のように何かが自分のために起きるとは決して思わない。実際に起きたときは、もっとリアルで、臨場感が欲しい。」 — リチャード(『ザ・ビーチ』)
アレックス・ガーランドの小説とレオナルド・ディカプリオ主演の映画で有名なマヤベイ(通称『ザ・ビーチ』)は、タイ旅行のバケットリストに入っていた。美しく孤立したロケーションに心惹かれ、実際に訪れることに胸を躍らせていたが、現実は期待外れで、むしろ行かなければよかったとさえ思った。
『ザ・ビーチ』を訪れた本当の体験
景色は間違いなく息をのむほど美しく、誰もがそこに行きたくなるだろう。しかし、私たちが目にしたのは美しさを上回る問題点の数々だった。以下にその実態をまとめる。

カオ・ランタからフェリーでカオ・ピピへ向かい、混雑したカオ・ピピ島の通りを歩いた。熱帯楽園とは程遠く、安価なホステルや高額なゲストハウス、土産物店、ダイビングセンター、インターネットカフェ、ツアー会社、欧米風レストランがひしめき合っていた。地元の人はほとんど見かけず、ほとんどが30歳未満の若いバックパッカーだった。期待していた本物のタイ体験とはかけ離れていた。
私たちは無知ではなかった――フェリーには200人以上が乗っており、カオ・ピピとピピ・レはすでに観光地化していることは明らかだった。
それでも、バンコクのホステルで見た手描きの地図が示すようなロマンと孤立感を期待した。実際は、マヤベイへ向かうツアー会社がレオナルド・ディカプリオのポスターを掲げて並んでいた。そこで私たちは、ピピ・レ周辺をスノーケリングし、必ずマヤベイに立ち寄るツアーを予約した。
最初の寄港地はモンキー・ビーチ。ここは無責任な観光と動物虐待の典型例だった。船が到着するとサルが群がり、ガイドは食べ物としてチップスを投げ入れ、空袋をビーチに捨てた。観光客は水中から餌を与え、サルに噛まれる事故も起きた――ガイドは「昨日だけで35回噛まれた」と淡々と語っていた。
事前に警告があればよかった。
スノーケリングポイントも残念だった。20隻以上のボートが集中し、船の排気で水はガソリン臭。ゴミが随所に散乱し、魚は何匹か見えたものの、サンゴはすでに傷んでいた。
そしてついにマヤベイへ。映画で描かれた孤立した入り江は、実際は海に面した開放的なビーチで、特定の角度からしか映像は撮れない。スピードボートとロングテイルボートが海岸線の2/3を占拠し、数百人の観光客が浅瀬に押し寄せていた。まるでヨーロッパのリゾート地のようで、映画の中の楽園とは正反対だった。
私たちは約1時間、泳ぎ、写真を撮り、混雑の中で軽食を買うだけの時間しかなかった。周囲には同じく映画や原作のファンがひしめいていた。

マヤベイは『ザ・ビーチ』の幻想と正反対だった
物語の舞台をタイ湾に設定したアレックス・ガーランドや、ロケ地スカウトがピピ・レを選んだことを非難するつもりはない。映像は確かに映画的美しさを映し出しているし、感謝の気持ちがないわけではない。ただ、実際の環境はロマンチックなイメージとは大きくかけ離れていた。
過密、汚染、野生動物への影響は単一の責任者に帰すべきではない。急速に拡大した観光業は利益を優先し、持続可能性が二の次になることが多い。今後は環境に配慮した観光が主流になることを願う。私たちの教訓は、現実はフィクションとほとんど一致しないということだ。
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