サファリで出会うサイ:種の特徴とベスト観察スポット
絶滅の危機に瀕しながらも、野生動物のたくましさを象徴するアフリカサイは、サファリで見られる『ビッグファイブ』のひとつです。野生のサイに出会える瞬間は貴重です。ここでは自然環境でサイを見るコツをご紹介します。

サイ:黒サイと白サイの実態
陸上哺乳類ではゾウに次ぐ大きさを誇りますが、天敵はほとんど人間以外いません。成獣は体が大きすぎてライオンなどの捕食者に狙われることは稀ですが、子サイは例外的に危険にさらされることがあります。
アフリカには主に黒サイと白サイの二種が生息しています。名前は色ではなく口の形に由来し、白サイの名はオランダ語 wijde(広い)から来ており、広い唇を持つことを指します。

黒サイは体重700〜1,400kgで、茂みや森林の葉を食べるブラウザーです。一方、白サイは最大3,600kgに達し、サバンナの草を食むグラウザーです。
妊娠期間は15〜16か月で、子サイは約1年授乳されます。野生では最大で50年ほど生きることができます。

社会性と行動
サイは領域意識が強いものの、個体数が密集した場所では争いは少なくなります。繁殖期のオスは他のオスから領域を守ります。ナミビアのエトーシャ国立公園では、夜になると水飲み場に多数が集まり、観察に最適です。
メスは比較的近くに居住し、母子ペアが基本的な家族単位です。子サイは2〜4年で自立します。

象徴的な角
サイの角はケラチン(人間の髪や爪と同じ素材)でできており、アジアの闇市場では最大で6.5万ドル、場合によっては30万ドルで取引されています。伝統医療での利用は根拠がなく、実際の効能は確認されていません。歴史的には古代ギリシャの浄水装置やイエメンの短剣の柄として使われた例があります。

サイ観察に最適なサファリスポット
かつては広範囲に分布していたサイですが、現在は主に南部・東部アフリカに残っています。保護活動の成果が見られる地域です。
南アフリカ:白サイの90%がここに生息。クルーガー国立公園、フルフル・イムフォロジ、マディクウェ、プライベートリザーブが人気です。
ナミビア:エトーシャの夜間水場は黒サイの絶好の観察ポイント。遠隔地のダマラランドも見逃せません。
ケニア:黒サイの数が多く、ライキピア(オル・ペジェタ、レワ)やナイロビ、ツァボ西部、メル、アバーデア、ナクル湖周辺が有名です。
タンザニア:ンゴロンゴロ火山クレーターは黒サイが密集。セレンゲティにも少数が生息。
ボツワナ:オカヴァンゴでは稀、カマ・サイ保護区がベストです。
ザンビア:北ルアンガで黒サイが観察できます。
ジンバブエ:マトボで両種が見られます。
エスワティニ:ムカヤゲームリザーブは個体数が豊富です。

保全状況
白サイは保護の成功例です。1900年代初頭に100頭未満だった個体数は、現在では約1万7千頭(主に南アフリカ)に回復し、分類は「近危急種」。北部白サイはほぼ絶滅し、ケニアのオル・ペジェタに残る雌2頭だけが最後の個体です。
黒サイは1995年の2,410頭から、現在は5,300〜5,600頭に増加(「絶滅危惧II」)。1900年代初頭の約60万頭からは大幅に減少しています。
2014年、ナミビアは保全資金調達のため、繁殖できない雄黒サイの狩猟権をオークションにかけ、35万ドルを集めました。




