10月はウベ(紫芋)
10月はフィリピン系アメリカ人歴史月間*。この月にフィリピン文化を体感する最も手軽な方法は、食べることです。シアトルのフィリピン料理シーンはここ数年で急速に拡大し、子どもに遺伝する味覚を育む絶好の機会が揃っています。
Hood Famous Bakeshop のダンスしたくなるスイーツ Kristin Gillespie
Hood Famous Bakeshop
娘はここを「ウベショップ」と呼んでいます。ウベとは、自然に紫色を帯びた甘さ控えめのヤマイモで、フィリピンのデザートに欠かせない素材です。インスタ映えするウベチーズケーキで有名ですが、メニュー全体が魅力的。ウベクッキー(新作ウベアイスクリーム入り)で娘はハッピーダンス、フィリピン産カラスダコーヒーを使用した手作りパンダンラテは絶品です。(※Hood Famousは米国内でフィリピン産シングルオリジンコーヒーを提供する初の店)
Musang
Beacon Hill の住宅を改装したレストラン。『フィリピン料理の教育に焦点を当てたコミュニティ主導のレストラン』と掲げています。2020年1月にクラウドファンディングで実現し、すぐにパンデミックで一時閉店。シェフのメリッサ・ミランダは、危機を機にコミュニティキッチンを設立し、地元シェフと協力して飲食業界を支援。テイクアウトやパティオダイニング、オンライン子ども向け料理教室「Little Wildcats」など、柔軟に活動を展開しています。名前の通り、地域に根ざした店です。
Archipelago の Balikbayan CSA ボックス Kristin Gillespie
Archipelago
通常は8席だけのカウンター席レストラン。フィリピン風の料理を提供しますが、食材はすべて太平洋北西部産に限定。2018年12月のオープン以降、予約はほぼ取れず、筆者も挑戦中です。シェフ夫婦は細部へのこだわりと情熱で、フィリピンのストーリーと文化を共有しています。パンデミック中は『Balikbayan CSA Box』を販売。地元産の肉・魚介・野菜、調理済み料理、レシピ、思い出の話、サプライズが詰まっており、開封した瞬間に「これがフィリピンの匂いだ!」と感動しました。
I Am Filipino 常設展示(The Wing Luke Museum) Kristin Gillespie
Wing Luke Museum
食だけでは語れないフィリピン文化。シアトルの Wing Luke Museum では『I Am Filipino』という常設展示があり、フィリピン系アメリカ人の歴史・体験・アイデンティティを多層的に紹介しています。地元高校のフィリピン系学生が自分のルーツを知りたがったことが企画のきっかけ。タガログ語が話せない米国生まれの混血者である筆者にとって、まさに「自分が見えている」瞬間でした。
食に戻りますが、さらにフィリピン料理を探すなら ILAW Coalition の『Hella Sarap Map』をご活用ください。Kain na!
*2019年5月7日、ワシントン州議会は SB 5865 を可決し、10月を「フィリピン系アメリカ人歴史月間」と公式に宣言しました。フィリピン系コミュニティが州と米国の歴史に与えてきた影響を称えるものです。この運動は 1982 年にシアトルで設立された Filipino American National History Society が主導しました。




