コラ巡礼の旅:チベット高原を巡る三週間の歩み
朝、ジアビの小さな村で雄鶏の合唱が夜明けを告げる。アバは歌ラの儀式のため、ジュニパーの束を土の炉で灯し、山の神々に捧げる。「これで雨が降り、畑は肥える」と自信満々に宣言し、朝のコラに向かう。
コラとは何か
仏教徒にとってコラは信仰の根幹であり、ヒマラヤ全域で昼夜問わず行われる円形巡礼だ。僧侶や巡礼者は聖地を回りながら回転祈願輪を回し、数珠を指す。
私はジアビで三週間にわたる自分のコラを開始した。雲南省のチベット高原から出発し、ラサ、エベレスト・ベースキャンプを経て、再び故郷へ戻る旅路だ。
ジアビの暮らしと儀式
太陽が山々の上に昇り、谷を暖めると、アバが戻ってくる。私は屋根裏から村のシンプルなリズムを眺める。牛は搾られ、鶏は餌付けされ、麦は刈り取られ、パン粉や地元の火酒(アラ)に加工される。村人は畑に棲むとされる邪悪な蛇霊を驚かせまいと、声を抑えて作業する。夜になると扉をしっかり閉め、死者の魂が新たな住処を探しに来る時間だと信じている。



ヤクと高原の風景
ジアビを出る道は泥の長江に沿い、やがて四川、雲南、チベットの境界へと分かれる。標高が上がるにつれ樹木は少なくなり、角のとがったヤクの群れが見える。ヤクは2千年以上にわたりチベット文化の象徴であり、牧民は糞で火を起こし、毛でテントを編み、雌ヤクの乳を絞ってバター(ドロング)にし、装飾的なミドンモで練る。
ラマとヤクバターの茶
シャンゲリラに近づくと、カンパ族の牧羊者ラムに出会い、彼女の住まいでポチャ(高地のエナジーティー)を勧められる。ヤクバター、茶葉、塩、炭酸が混ざった泡立つ飲み物は、酸素が薄い高地での水分補給と活力源になる。ラムは特別な場面で使うバターの塊を差し出し、僧院の灯明に使うと語った。
ラサとポタラ宮の光景
ポタラ宮—元ダライ・ラマの住まい—が見えると、私はラサに到着した。かつては「禁城」と呼ばれたこの地区は、赤い提灯や中国語のネオンが並び、現代と伝統が交錯する。バルコール地区は比較的古風が残り、信者たちはジョカン寺へ巡礼しながら足で石畳を磨く。「ブッダは時計回りに歩いたので、私たちも神に従う」と語る現地の男性。コラは人生の円環を象徴し、善行は善果を呼ぶという。
ヤムドロク湖と風馬旗
ラサから南へ向かう道は急峻で、チベットの聖湖ヤムドロク湖に到着する。湖はターコイズ色に輝き、岸辺には色とりどりの祈願旗が揺れる。その中でも「風馬(ルンタ)」は慈悲と幸福を広げると信じられ、背に光る宝石を載せた馬が描かれている。旗は木版で手印刷され、古いインクが染み込むほどに力が増すとされる。




ギャンツェとタシルンポ寺院
要塞都市ギャンツェを通過し、荒れた高原を横切ってシガツェへ。タシルンポ寺院は仏教世界でも最大級の建築で、若い僧侶たちが黄色い帽子をかぶり、円形の中庭で合唱しながら祈りを捧げる。その音は石壁に反響し、胸の奥まで響く。
エベレスト・ベースキャンプへの登攀
標高はさらに上がり、ヒマラヤ山脈の麓へと続く道は雲と雪に覆われ、エベレストは視界に入らない。ロンブク基地キャンプ近くの世界最高標高の寺院で、ヤクバターを灯明に注ぎ、旅の終わりを象徴した。
凍える寒さの中で眠れず、翌朝黎明前に寺院の壁を越えて待つと、チベット語で「美しい女王」と呼ばれるチョモランマの姿が闇から姿を現す。北壁が朝日の光に照らされ、壮大な姿を見せた瞬間、私のコラは完結した。
この記事は Sidetracked Magazine 第13巻に初掲載されたものです。




