子どもに世界への興味を持たせる育て方
ここでは、旅行好きになるのは早すぎることはないと考えています。幼児を東京に連れて行くと言うだけでなく、実際にどうやって楽しませるかが課題です。寄稿編集者のクリスティーナ・オーリーは、ほぼ10年にわたり子どもと世界を巡ってきました。そのノウハウをご紹介します。
遠い異国とホテルのエンターテインメントのどちらを子どもが好むか、バランスを取るのは難しいです。子どもに世界を見せながら、好奇心旺盛で柔軟な人間に育てるにはどうすればいいか? これまでに実践しながら得たコツをまとめました。まずは基本方針から、次に具体的なテクニックへと進みます。
基本方針
すべてに言えることですが、適度が世界旅行者を育む鍵です。新しい場所への体験はハイ&ローの組み合わせで。たとえばロンドンのテート・モダンの最新展示は、近郊ウィンザーのレゴランドへの日帰り旅行と交互に行うと効果的です。
決して不安を見せないこと。子どもは親のジェットラグや新しい料理、ブエノスアイレスの入国審査での不安を敏感に察知します。予防接種が終わったらすぐに、飛行機・電車・車に乗ることに慣れさせ、流れに身を任せる姿勢を教えましょう。レジリエンスは生まれつくものではなく、培われるものです。異文化・異なる視点に触れることで、長期的に強くなります。
旅行中のハプニングには大きな価値とユーモアがあります。虫刺されや見慣れない食べ物、ローマのごみ処理システムなど、子どもはさまざまな体験をします。道路での絆は、子どもの目を通して世界を見ることに次いで大きな収穫です。
まずは楽しさを優先し、旅行への愛情は自然と芽生えてきます。将来的にはネパールの山頂やビルバオのグッゲンハイム美術館を巡ることもできるでしょう。
それでは実践テクニックに移ります。
舞台設定
子どもが旅を成功させるための第一歩は、事前にワクワク感を高めることです。本や映画、アプリで目的地の雰囲気や食べ物・匂いを紹介しましょう。
本:ミロスラフ・サセックの『This is …』シリーズやティム・エガンの『Dodsworth in …』シリーズは、子どもに歴史的建造物やノートルダムを身近に感じさせます。
映画:フランスの少年を描いた『赤い風船』や、ディズニーの『マダガスカル』などは、アフリカ平原への関心を引き出します。
アプリ・ウェブ:National Geographic for Kids、Travel for Kids、Abercrombie & Kent のアプリでウガンダのゴリラ・トレッキングやガラパゴスのバーディング映像が楽しめます。
完璧な荷造り
子どもが満足できる旅は、食べ物と遊び道具がしっかり揃っていることが前提です。自分でリュックを背負える年齢なら、長時間の移動でも壊れにくいおやつ(グラノーラバー、ナッツ、フルーツレザー、M&M など)と、デジタル機器を組み合わせましょう。
おすすめの旅行用おもちゃは、三角形のクレヨン、ミニレゴセット、洗えるマーカーとドローイングパッド、5歳以上向けのデジタルカメラです。Rand McNally の『Are We There Yet?』や『Mad Libs on the Road』といったアクティビティブックも、移動時間を楽しくします。
フライトの選び方
フライトの時間帯は、子どもの旅行体験を左右します。西から東への長距離夜行便は、赤ちゃんにはうまく機能しますが、年長児は睡眠不足になりがちです。可能なら日中の便を選び、到着後すぐに現地時間で寝かせると、旅行初日がスムーズです。
レッドアイ便を利用する場合は、到着後すぐに自然光の下で活動させ、食事と水分補給をしっかり行い、体内時計をリセットしましょう。西から東への時差対策としては、出発3日前から就寝時間を早め、機内では炭水化物中心の食事、着陸後はタンパク質のスナックを摂ると効果的です。時差回復の目安は、1時間帯につき1日です。
長距離便はベビーベッド付きのバルクヘッドシートを選び、SeatGuru で座席情報を事前にチェック。機内での衣替え用の服も忘れずに持参しましょう。
まずはお土産ショップから
旅行の初めにお土産や記念品の購入を済ませておくと、子どもはその後の活動に集中しやすくなります。アルハンブラのキーホルダーや上海のスノーボールなど、部屋に飾れる小物は思い出の定着に効果的です。私の家では、毎年ツリーに飾るオーナメントが遠くの旅を思い起こさせます。
文化体験は絞って
一度に多くの美術館を巡るのは子どもにとって負担です。街角やカフェ、公園にあるアートは日常の中に溶け込んでいます。興味を引く特定の展示や、ルーブル美術館のモナ・リザ探しなど、目的を絞った文化体験が効果的です。
子どもが自分で旅行プランを考える機会を与えると、探検心がさらに高まります。
偏食の子どもへの対応
食べ物の好みは千差万別です。パン・ご飯・魚など、共通のベースとなる食材を使って「日本のパスタと同じようなリゾット」や「魚フライと似たカラマリフリッティ」などと説明すると、受け入れやすくなります。新しい料理に挑戦させ、好きになるまで根気強くサポートしましょう。
ジェットラグ対策と同様、現地の食事に挑む際は決してアメリカ系のチェーン店に逃げないこと。水上公園にいるときだけは例外です。
ローカルカラーを体感
現地のカフェ、マーケット、バスや地下鉄、子どもの遊び場は、地域の日常を観察できる最高の場所です。ユーロやトルコリラ、ジャマイカドルなど現地通貨で買い物させると、貨幣感覚も養われます。
外国のテレビ番組やニュースを見るのもおすすめです。クリケットのルールがわからなくても、試合に夢中になる姿は驚きです。
市場や自然の中で、ヒル販売員のようなユニークな出会いも子どもの好奇心を刺激します。
小さな言語学者を育てる
アプリは語学学習の強い味方です。LinguPingu で基本的な中国語、First Words: Spanish でスペイン語の簡単な会話を学べます。ロマンス語系やゲルマン語系の基礎を遊び感覚で身につけさせましょう。
たとえ「please」や「thank you」だけでも、現地の文化への敬意とマナーを示すことは大きな価値があります。旅行から帰っても、スペイン語やギリシャ語で自然に言えるようになるかもしれません。
違いを祝う
ムスリム女性のブルカやロシアの子どものヴァレンキ靴など、世界は多様な文化と民族が混ざり合っています。その多様性に早く触れさせるほど、子どもの探究心は深まります。スポーツや音楽、各地のピザといった共通点を通じて、違いは自然と和らげられます。
旅の余韻を保つ
帰宅後も、旅先で出会った料理やテレビ番組、スイスのチョコレートなどを日常に取り入れましょう。子どもは「イタリアの長いランチ」や「スペインの夜更けの街」など、生活リズムの違いに敏感です。ロシアのサンクトペテルブルクとフロリダのサンクトペテルブルクを比較するように、世界の多様性を意識し続けることが、好奇心を持ち続ける鍵です。
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