猫の楽園・猴硯へようこそ:台湾・北部の猫村ガイド
北台湾、基隆川沿いの丘陵に位置する猴硯(ホウトン)は、かつて炭鉱の町でしたが、1990年代に鉱山が閉山し、住民は数百人に減少しました。2008年、地元のペギー・チェンさんが野良猫の保護活動を写真で紹介したことがきっかけで、SNSで話題となり、観光客やボランティア、そして新たな猫たちが次々と訪れるようになりました。

台北市街から東へ35km、瑞芳区にある猴硯は、わずか2年足らずで台湾随一の「猫村」へと変貌しました。現在では200匹以上の猫が自由に歩き回り、猫をモチーフにした雑貨店やカフェ、レストランが軒を連ね、週末になると多くの観光客で賑わいます。
村の二つのエリア
電車で到着すると、猴硯は「駅側エリア」と「猫村エリア」の二つに分かれています。駅側には保存された炭鉱の機械や飲食店、観光案内所(営業時間8:00〜18:00、電話 02‑2497‑4143)があり、川沿いの散策路は旧鉱夫の寮へと続きます。駅の裏手にある屋根付きの「キャットブリッジ」を渡ると、猫が住む本格的な猫村エリアに入ります。ここでは、丘陵に点在する小さな家々の間を猫が自由に行き来し、カフェや雑貨店が点在しているため、丸一日楽しめます。

様々なタイプの猫たち
黒やジンジャー、三毛、白、灰色といった毛色はもちろん、細身の猫から丸っこい猫まで、性格も大胆な子からおとなしい子まで、猴硯にはあらゆるタイプの猫がいます。花瓶の中でくつろいだり、棚の上に座ったり、階段を駆け上がったり、屋根から飛び降りたり、猫用のお土産スタンドの周りでまどろむ姿を見かけることができます。特に駅の東側にある静かな川辺の小道は、ベンチやキャットブリッジの縁で昼寝をしている猫が多く、セルフィーで賑わうエリアを避けて観察したい方におすすめです。

ボランティア団体は獣医師と連携し、ワクチン接種・去勢・避妊・マイクロチップ装着を通じて猫の健康管理と個体数の把握に努めています。ほとんどは野良猫ですが、人に慣れ親しんでおり、地元住民や観光客からの餌やりで満足げに過ごしています。
猫とのマナー
猴硯の猫は人の接触に比較的寛容ですが、過度な追いかけや無理な抱っこは避けましょう。店内で販売されているキャットフードはありますが、餌やりは原則禁止です。どうしても与える場合は、1匹につき2〜3枚の小さなビスケット程度に留めてください。敷地内には「からかう・過度に餌やり・フラッシュ撮影禁止」の掲示があります。猫が自ら近寄ってきたときだけ、優しく撫でるように心がけましょう。

猫好き必見のグッズ
猴硯は猫をテーマにした商品が溢れんばかりです。電子音楽と猫の鳴き声がミックスされた「にゃんミュージック」や、猫耳をつけた販売員、猫形のパイナップルケーキなど、あらゆるシーンで猫が登場します。おすすめのお土産は、猫モチーフのノート、陶器、スマホケース、コースター、靴下、タトゥーシール、イヤーマフ、ファン、マグカップ、バッグ、ブローチ、マグネット、そして地元の猫を描いたアートポストカードです。

猫と一緒に楽しむ食事
飲食店も充実しています。駅周辺では、ボリュームたっぷりの麺類や餃子のお店が行列を作ります。観光案内所の裏にある「キャットヴィレッジカフェ」(電話 0933‑799541、営業時間9:00〜17:00、週末は18:00まで)は、川沿いのテラス席で美味しいコーヒーとトースト、ワッフルが楽しめます。さらに少し上り坂にある「Walk N’ Taste Café」(walkntaste.wix.com/walkandtaste)では、ジャーに入ったアイスティーやベジラップ、パニーニ、朝食プレート、大盛りサラダボウルなどが人気です。

猫以外の見どころ
観光案内所の地図を手に、混雑を避けてハイキングコースへ挑戦してみましょう。川の向こう側には、日本時代に建てられた地母神を祀る「猴硯神社」があり、幽玄な雰囲気が漂います。保存された炭鉱跡地はミュージアム化されており、英語の展示板で鉱夫の生活やロッカーの中身、ミニチュア列車のトンネル走行体験などが紹介されています。周囲の丘陵はトンネルや橋、線路が点在するトレイルが整備されており、自然と歴史を同時に楽しめます。

アクセス方法
台北駅から宜蘭線(イーラン線)に乗り、約1時間で猴硯駅に到着します。運賃は片道50元(NT$)。列車は昼間30分間隔で運行し、最終帰りは21時ですが、観光施設は18時までの営業が多いので、時間に余裕を持って訪れると安心です。平日に訪れると、比較的静かな環境で猫とゆっくり触れ合えます。





