毛沢東への郷愁:遵義(中国)のレッドツーリズム
中国西南部の内陸省・貴州に位置する遵義は、地図上では辺境に見えるかもしれません。しかし、1935年に行われた「遵義会議」で毛沢東が中国共産党の指導者となり、革命の流れを変えた歴史的な舞台として全国に知られています。
緑の川

旧市街は革命の名声とは別に、民族衣装をまとった少数民族の農家が手作りの工芸品を販売し、地元の名酒・茅台(マオタイ)白酒が店先で誇らしげに並んでいます。
市街地の高台に佇む香山寺は、登りがやや険しく入場料は15元。登り切ると、森林に囲まれた高層ビル群と山並みが織りなす絶景と、静かな仏教の唱えが心を和ませます。
翠緑の香川(シャン川)河岸をゆっくり散策すれば、バイクの喧騒から離れた安らぎが得られます。地元の人々が泳ぎ、川辺のカフェでは茶とともに貴州特有の鳥たちのさえずりを楽しめます。
レッドツーリズム

旧市街の高級ブティック街には、革命遺跡が点在しています。全国の愛国教育基地として指定されているため、遵義会議旧址への入場は無料で、チケットは近隣で購入できます。
かつての商家住宅をそのまま保存した建物に入ると、古びた木の香りとともに、折りたたまれた制服や兵士の銃、古いティンカップが展示され、当時の創業者たちの夢が蘇ります。毛沢東と同志たちが戦況の不振を議論した光景を想像してください。
向かいにある遵義会議記念館は、長征(約6,000マイル)の壮大さを紹介しています。展示は中国共産党の公式視点で、周恩来や朱徳ら指導者の写真、戦闘シーンのワックスジオラマ、英雄的な壁画が並びます。
館内の上階には毛沢東関連のグッズが並ぶ売店があり、バッジやライター、Tシャツなどが販売されています。
赤軍通りは1980年代に整備され、旧ソ連国家銀行や鄧小平旧居、薄谷(ボ・グー)住宅、赤軍政治部、さらには意外なフランス宣教師教会などが点在します。
近代的な要素も加わり、1930年代風のファッション広場や土産物屋が革命烈士墓へと続く道を彩ります。頂上の鳳凰公園にはハンマーと鎌のモニュメントがそびえ、旧市街のレッドロマンスバーではマオタイと「東方紅」などの革命歌が流れます。
レッドアース

遵義だけでなく、北西の赤水(チシュイ)まで足を伸ばすと、鉄分を多く含む土壌が作り出す赤い川と、何千もの滝が流れる壮大な景観が広がります。新しく整備された道路により宿泊施設やレストランが増え、76メートルの石胆洞滝、赤岩渓谷、金砂溝保護区などが観光客に人気です。
この地域のジュラ紀の古代森林やダンシア地形は、恐竜の像や棚田とともにハイキングコースを彩り、自然の悠久さを実感させてくれます。
アクセス情報
高速鉄道「重慶-貴陽」線の遵義東駅が利用可能です。貴陽、重慶、成都方面からはバスも頻繁に運行しており、遵義や赤水への日帰り旅行が容易です。




