ビールの聖地:イスラエルとパレスチナ自治区で味わう最高のクラフトビール
長らくワインとオリーブで知られてきたイスラエルとパレスチナ自治区は、近年クラフトビールの新たな拠点として注目を集めています。ヨーロッパやアメリカのスタイルを取り入れたマイクロブリュワリーが次々に誕生し、ミルクとハチミツの国が麦芽とホップの楽園へと変貌しました。
かつてはヘネケン傘下のテンポが市場をリードし、ゴールドスターやマッカビーといった定番ブランドが親しまれていましたが、現在はテルアビブやエルサレムのパブで地元の小規模醸造所のビールが自慢のメニューとなっています。醸造所ツアーに参加すれば、地域独自のビール文化を肌で感じられます。
フルーティーなビールが好きなら:アレクサンダー ブリュワリー
2008年に米国スタイルの先駆者をモデルに創業されたアレクサンダーは、レストランやバーで瞬く間に人気を博しました。代表銘柄は、ベルギー風フルーティーブロンドエール、フランス田舎風ローストマルトのアンブリー、イスラエル産グレープフルーツ・グアバ・マンゴーをブレンドしたグリーン、そして滑らかなゴールドエールのブレイザーです。季節限定のブラックはダークチョコレートとエスプレッソの風味が特徴です。45分間の見学ツアーと試飲が楽しめます。
ハイファの南、ネタニヤに近いヘフェル渓谷に位置し、近くのアレクサンダー川にちなんだ名前が付けられました。創業者オリ・サギは元イスラエル空軍パイロットで、25年以上の自家醸造経験を活かしてキブツの中にこの醸造所を築きました。
パレスチナで最も評価の高いビール:ターベ・ブルワリー
ヨルダン渓谷の高台、ラマラから北へ12km、エルサレムから北東へ30kmに位置するターベは、パレスチナ唯一の醸造所です。毎日(※日曜は休業)無料で見学ツアーが開催され、ゴールデンエール、ライトエール、アンバーエール、ダークエールの4種が試飲できます。毎年10月上旬にはターベ・オクトーバーフェストが開催され、地域の人々がビールと音楽を楽しみます。
イスラム教ではアルコールが禁じられていますが、ターベの住民は全員キリスト教徒で、添加物や保存料を使用しないドイツ式ビールを醸造しています。1990年代にクーリ家が創業し、テルアビブのプアやミンザールといったイスラエルのバーでも人気です。
アメリカンエールが好きなら:ダンシング・キャメル
テルアビブのヤド・ハルトジム工業地区にある旧倉庫を改装したダンシング・キャメルは、2006年にニュージャージー出身のデビッド・コーエンがビジネスから醸造へ転身して設立しました。アメリカンスタイルのペールエールやスタウトに、デーツハニー、ビタースイートチョコレート、チェリーバニラといった独自のフレーバーを加えています。醸造所内は広々としたパブスペースで、樽やスポーツ画面、ケグパーティーが楽しめます。
ビールと料理の相性を堪能したいなら:ジェムズ・ビア・ファクトリー
イスラエル本土に4店舗を構えるジェムズ・ビア・ファクトリーは、ペタティクヴァ(テルアビブ東10km)に本拠を置きます。創業者ジェレミー・ウォルトフェルドはホワイトハウス勤務を辞め、ビアファクトリーを立ち上げました。新鮮なエール、スタウト、ウィートビールと共に、フィッシュ&チップスやコーシャソーセージ、シトラスウッドで炭火焼きした料理が楽しめます。ライブミュージックやスポーツ映像を見ながら、醸造過程を間近で観察できます。
自然に囲まれたクラフトビールが飲みたいなら:マルカ ブリュワリー
北イスラエルの低ガリラヤに位置するマルカは、ヘブライ語で「女王」を意味します。元テルアビブのパブオーナー、アサフ・ラヴィがヘファイム・キブツ(ハイファ北東50km)にエコ醸造所として創業しました。小ロットで作られるベルギー風ウィートエールやブロンドエールが評判です。金曜・土曜のみ営業し、森に囲まれたラウンジポーチでドラフトが楽しめます。
クラフトビールのテイスティングが好きなら:ビア・バザール
テルアビブのカルメル市場の屋台からスタートし、現在はテルアビブ4店とエルサレム・マハネ・ユダの1店を展開するビア・バザールは、アレクサンダーのようなブティックビールをセレクトしつつ、独自のインディアンIPA「ビンディ」やアメリカンペールエール「ファットキャット」なども醸造しています。フロレンティン本店では100種以上のビールが常時提供され、試飲が楽しめます。
全銘柄を一度に味わえるベストスポット:ポーター&サンズ
テルアビブにあるポーター&サンズは、ドイツ風のインテリアで50本以上のローカル・輸入ビールがタップされています。ブラートヴルスト、バーガー、フィッシュ&チップス、ヴィーガンカレーなどと合わせて「レ・チャイム」(ヘブライ語で「乾杯」)を掲げて乾杯しましょう。




