バウンダリー・ウォーターズ・カヌーエリア:野生へ漕ぎ出す
エリー(ミネソタ州)
自然と向き合い、リフレッシュしたいなら、ミネソタ州の手つかずのバウンダリー・ウォーターズ・カヌーエリアへのバックカントリー・カヌー旅行に勝るものはありません。
背風に乗り、パドルを一振りごとに涼しい湖面を滑るように進みました。遠くでカッコウが泳ぎながら鳴く音だけが静寂を破ります…
父と妹が少し先に行き、最初のキャンプ地を探していました。軽量のケブラーカヌーは、食料と装備を10日分積んでいました。
バウンダリー・ウォーターズ・カヌーエリア(BWCA)は、北部森林の奥地に広がる100万エーカー以上、1,000以上の湖を抱えるアウトドア好きの楽園です。
スーペリア国有林の一部で、米国ミネソタ州とカナダ・オンタリオ州の境界に沿って広がります。ここでは、湖でのカヌー、釣り、森林キャンプの様子を紹介します。
この体験が、あなたがバウンダリー・ウォーターズへ旅立つきっかけになれば幸いです!
バウンダリー・ウォーターズの歴史
カヌー、キャンプ、釣り、狩猟は何世紀にもわたりこの地域で行われてきました。オジブウェイ族やスー族の先住民は、樹皮ボートで湖を巡り生活していました。
続いてフランスの毛皮商人、イギリス系ハドソン湾会社がビーバーの毛皮で財を成しました。1900年代になると、レクリエーション目的の観光地として人気が高まりました。
1978年、長年の闘争を経て「バウンダリー・ウォーターズ・カヌーエリア・ウィルダネス法」が制定され、開発から保護されました。
これは米国最大級の土地保全成功例のひとつで、年間20万人以上が訪れますが、広大なため国立公園ほど混雑は感じません。
BWCAでのカヌー体験
2017年7月、父と妹と共にエリーへ車で向かい、北部森林への「壮大」な冒険をスタートさせました。
数か月前から計画していたこの旅は、ニューイングランドでの子どもの頃のカヌーとキャンプの思い出を呼び起こす、家族の絆を深める時間でもありました。
自然に身を委ね、日常から離れることで、心身ともにリフレッシュできる最高の方法です。
前夜、エリーのレンタルコテージで装備を詰め、日の出前に起床。カヌー2艇を車のルーフラックに固定し、エントリーポイント#23(ムドロ湖)へ向かい、10日間の旅路へと出発しました。
ルート一覧:
- ムドロ湖
- フォートゥーン湖
- ブート湖
- フェアリー湖
- ガン湖
- ガル湖
- サンダー湖
- ベアトラップ湖
- (同じ道を戻りムドロ湖へ)
森林を横切るポートレッジ
長距離カヌーが簡単だと思ったら大きな勘違いです。湖と湖の間には陸地があり、そこを「ポートレッジ」と呼ばれる道で横断します。
カヌーを降ろし、装備を荷下ろししたら、カヌーと荷物を背負って森の中を歩き、次の湖へ運びます。人数や荷物量によっては、往復で何度も行き来することもあります。
ポートレッジは50ヤード(約45メートル)程度の短いものから、1マイル(約1.6キロ)に及ぶものまで様々です。距離は「ロッド」で表され、1ロッドは約16.5フィート(5メートル)で、カヌー1艇の長さに相当します。
ポートレッジは旅の間奏曲のようなものです。足を伸ばし、腕を休める絶好の機会です。
ただし、道が草むらで覆われていたり、急勾配・泥濘があったり、短時間で多数の湖を渡ると疲労が蓄積します。
野営のポイント
各湖には先着順で確保できる指定キャンプ場が数カ所あり、ファイヤーピット、金属製グリル、オープンエアのトイレ(ビフィ)が備え付けられています。
全て埋まっている場合は、次の湖へ移動してチェックします。カナダ側のケティコ州立公園とは違い、バウンダリー・ウォーターズでは野営は許可されていません。
通常は午後早めにキャンプ地を選び、テントとタープを設営し、近くで釣りを楽しみます。場合によっては同じ場所に2泊し、移動日の合間にゆっくり過ごすこともあります。
薪集めは日課で、時にはカヌーで別の島へ渡り、倒木(白松、杉、ジャックパイン)を探して回収します。切り出した薪はキャンプ場に持ち帰り、適当な長さに割ります。
注意:湖畔から薪を取らず、陸上で倒木を見つけて回収することが「Leave No Trace」の原則です。
淡水釣りの魅力
バウンダリー・ウォーターズを訪れる多くの人が、豊富で大型の魚を狙う釣りを楽しみます。主な対象はウィリーピック、スモールマウスバス、ノーザンパイク、レイクトラウト、ブルックトラウト、クレッピーです。
透明度の高い湖は、釣りのチャンスに恵まれています。
ミネソタ州の釣り許可証が必要で、オンラインまたは現地のアウトフィッターで購入できます。
私たちはミミズを餌にウィリーピックとスモールマウスバスを釣り上げ、妹はある日ノーザンパイクを釣り上げましたが、鋭い歯でラインが切れてしまいました。
釣った魚は食べられる分だけ持ち帰り、夕食にフライや煮込みにしていただきました。レモンや玉ねぎ、豆、ライスと合わせてとても美味しかったです。
野生動物との出会い
ある朝、ガル湖のキャンプ地で、大型のメスのヘラジカが森から姿を現し、湾を泳いで向こう岸へと消えていく光景を目撃しました。
静寂が続く中での出現は、まさに「ビッグフット」が近づいてくるような迫力でした。
他にも、鳴き声で仲間を呼ぶラフグルース、ガーターヘビ、ウサギ、ウグイス、ハクトウワシ、尾を叩くビーバーなどに遭遇しました。グレイウルフやブラックベア、ボブキャットも生息していますが、見かけるのはかなり難しいです。
バウンダリー・ウォーターズの旅のコツ
多くの訪問者はエントリーポイント付近に1〜2泊のベースキャンプを設けます。そのため、混雑が少ない湖を探すなら、奥深くへ足を伸ばすだけでOKです。
私たちは7月中旬のハイシーズンに訪れましたが、フォートゥーン湖以降はほとんど人影がありませんでした。
蚊対策は必須です!日没後の蚊は特に厄介で、強力な虫除けスプレーと頭部用ネット、フルスリーブの防虫シャツがあると快適に過ごせます。
BWCA許可証の取得方法
バウンダリー・ウォーターズ・カヌーエリアを利用するには、オンラインで許可証を購入する必要があります。エントリーポイントは道路に近い場所に点在しており、出発地点に合わせて許可証を選びます。
各エントリーポイントは1日あたり発行できる許可証数が限られているため、旅行の数か月前に予約しておくことをおすすめします。
私たちはエントリーポイント#23(ムドロ湖)から出発し、7月の許可証を3月に予約しました。許可証は最寄りのレンジャーステーションで受け取ります。
装備レンタルとガイドサービス
必要な装備が揃っていない場合は、現地のカヌーショップでレンタルや、ナビゲーション・キャンプ設営・料理をサポートしてくれるガイドを依頼できます。
私たちはほとんど自前の装備を持ち込みましたが、ノーススター社のケブラーカヌー2艇をVoyager North Outfittersからレンタルしました。軽量なケブラーカヌーはポートレッジ時の負担が大幅に軽減され、強くおすすめします。
旅行動画:バウンダリー・ウォーターズ・カヌー旅行
新しい冒険旅行動画はYouTubeチャンネルでチェック!
(クリックして「Boundary Waters Canoe Trip | BWCA」動画を見る)




