シロシビカと共に紡ぐ、仕事と遊びが交差する空の旅
旅の序章:出発前のドタバタ
普通と非凡を分けるのは視点、あるいはバックポケットに忍ばせたシロシビカの袋。サイレナ・リーは、仕事の出張がまさに幻覚的な空の体験へと変わる瞬間を描く。
ニューヨークの凍える朝、7時発シカゴ行きのフライトに乗るべく目が覚めた。カサブランカで長時間のランチにハマってフライトを逃したトラウマがあり、寝坊したのではないかと焦った。
ラガーディアへ向かうタクシーの中で、手袋を忘れたことと、週末に山奥で残っていたシロシビカを袋から出し忘れたことに気付く。指先が凍える中、袋を握りしめ、選択肢を検討した。シロシビカを無駄にするわけにも、TSAと衝突するわけにもいかず、結局「食べる」ことにした。
空港での幻覚体験
チェックインの瞬間から効果が現れ始め、光が鋭く刺さるように感じた。空港は初めてのシロシビカ体験には向かないが、自然の美しさを再認識させてくれる。初めてなら森の中がベストだが、私のケースはラガーディアの人工的な光景だった。
デジタルチェックイン端末で「TEAR HERE」の文字を見つけ、紙を破ってしまうとスタッフに注意され、IDと搭乗券をしばらく預かられた。その間、軽いパニックと幻想が交錯したが、呼吸法で落ち着いた。
セキュリティを無事通過すると、ロボットのような店員が水を5.83ドルで売る場面に出くわす。無表情な彼に笑顔で応じ、単調さを和らげようとした。
搭乗口では、周囲の乗客はゾンビのようにスマホをいじるか眠っていた。大きな眼鏡をかけたアジア系の女性がサンドイッチを片手で食べ、もう片方はiPhoneに執着。暗髪の若者は何かに酔っているように見えたが、実際は誰も朝の6時半に本当に目覚めてはいない。
機内での幻覚と観察
機内へと向かうと、興奮とともに笑いが止まらなくなった。頭の中は『ラスベガスの恐怖と嫌悪』のように歪み、乗客一人ひとりが映画の登場人物に見えてくる。
- ヘッドホンを付けた金髪の男は、パトリック・ベイトマンのようで、まるで狼のような牙がちらり。
- 黒白の服を着たカップルは、まるでパンダのように寄り添って映画の選択に悩んでいた。
- サルマン・ラシュディを思わせる年配の男性は、腹部に乗せたスマホに没頭し、まるで仏陀のようだった。
自分がソーシャルメディア担当だと思い出し、窓から外の景色を写真に収めた。
旅の体験に無関心。写真: Cyrena Lee
隣の乗客は笑顔で会話を試み、右側の女性は目隠しマスクをして眠りについた。窓側の席が遮られ、光を独占していることに苛立ちを覚える。
離陸の瞬間に乗客はみなリラックスし、最高の瞬間—離陸—を見逃していることに気付く。地上から空へ飛び立つ感覚は、今や忘れ去られた興奮だ。
フライト中の感情と洞察
エンジンの低いうなりが徐々に轟音へと変わり、日の出の光が窓から差し込む。客室乗務員の明るいアナウンス、機体が上下に揺れる感覚、心拍数が上がるローラーコースターのような期待感――全てが魔法のようだった。
感動で涙が頬を伝い、笑いをこらえながら水を飲んだ。後ろの列の檻に入った猫の悲鳴さえも、奇妙に美しく映った。
前方の金髪の女性はタブロイド紙をめくり、消費主義を煽る見出しに眉をひそめた。「2015年の8つのトレンド」や「2600万ドルの城」など、まるで金銭欲に踊らされた広告のようだった。
それらの観察を書き留め、タブロイドを読まない友人への手紙を書きたくなった。
着陸とその後
客室乗務員がカートを押してくると、着陸が近いことを示した。時間の感覚はすでに崩れ、コーヒーを頼んだが、毒のような味だった。トイレに行く許可を求めると、乗務員は驚いた表情で「はい」とだけ答えた。
鏡を見ると、髪は乱れ、顔は赤く腫れていた。自分に「落ち着け」と語りかけ、顔を洗って少しだけ整えた。
シカゴに滑り込むと、朝9時の街はニューヨークよりも明るく活気があった。ボストンからの同僚にテキストで「空港でシロシビカを食べた」旨を伝えると、相手は大声で読んで笑い、最初に注意書きを入れなければならない教訓を得た。
旅は終わったが、気づきは続く。旅のベストは「今この瞬間」だと改めて実感した。
さらに続く物語
旅人:サイレナ・リー
空港にヨガルームがあると知ったのは誰だ?
一人旅はみんなのものになる。




