フィラデルフィア・ママーズパレード完全ガイド
概要
ブロードストリートをスパンコールと羽根の衣装、豪華なフロートが彩るフィラデルフィアの年始祭「ママーズパレード」は、毎年1月1日に開催され、数千人の観光客がこの唯一無二の光景を目当てに訪れます。観客を楽しませるだけでなく、40以上のママーズクラブが栄光と賞品をかけて競い合う、実力勝負のイベントでもあります。
一年をかけた準備
ママーズパレードは、一日限りのショーではありません。各クラブは年間を通じて計画・制作に取り組み、典型的な演目を完成させるまでに約2,000時間を費やすと言われています。衣装のデザイン、フロートやセットの製作、ダンスや音楽のリハーサルと、テーマに沿った独自のパフォーマンスを作り上げるために、細部にわたる手間と情熱が注がれます。過去のテーマ例としては、古代エジプト、サイボーグ、マヤ予言、農場の動物、さらにはゾンビやアンデッドをユーモラスに描いたものなどがあります。
部門別の特徴
ママーズパレードは、以下の4つの部門に分かれて競技が行われます。
コメディ部門
パレードの幕開けを飾るのがコメディ部門です。傘を持ち、派手な道化服で街を練り歩き、ポップカルチャーや時事ニュース、日常生活を軽く皮肉ります。コメディ部門から派生した「ウェンチ」隊は、さらに過激なクローン・ドラッグスタイルで笑いを取ります。
ファンシーブラゲ部門
最大規模の演出とクルーが集うのがファンシーブラゲ部門です。フロートや衣装が非常に豪華で、屋内で審査が行われることもあります。北東部の厳しい冬の天候で屋外のフロートが損傷するリスクを避けるため、近年は地元の会場での室内公演が主流となっています。
ファンシー部門
ファンシーブラゲ部門の小規模版がファンシー部門です。規模は小さいものの、演出や衣装は決して劣りません。ライブバンドの音楽に合わせてパフォーマンスを披露します。
ストリングバンド部門
文字通り弦楽器だけでなく、ドラム、サックス、アコーディオン、グロッケンシュピールなど多彩な楽器が加わり、パレード全体でも最大級の華やかさを誇ります。ライブ演奏はファンシーブラゲ部門に匹敵するほどの迫力です。
フィラデルフィアに根付く歴史
ママーズは、米国最古の民俗祭とされる伝統の一部です。植民地時代、フィラデルフィアには多くのスウェーデン系移民が住み、彼らの新年の騒がしい祝祭がイギリスのママープレイと融合し、独自のアメリカン・トラディションが誕生しました。ジョージ・ワシントン大統領もママーズの熱狂的なファンだったと伝えられています。
19世紀前半、一時期は仮装行列が市当局に禁止されましたが、1850年に解除され、1876年の米国独立100周年パレードでもママーズは大役を担いました。1901年に市が公式にパレードを後援し、優秀演目に賞金が授与されるようになりました。
2008年にはパレード全体の制作費が約100万ドルに達し、市は30万ドルしか支援できませんでした。2009年は市からの資金が全く出ず、ママーズ自身が市民や有名人の協力を得て資金調達に奔走。フィラデルフィア出身のケビン・ベーコンと兄のマイケルが参加した特別シングル「New Year's Day」の売上金が「Save the Mummers Fund」に寄付されました。
その後、企業スポンサーが続々と参入し、伝統的な華やかさを支える財源が確保されました。
最新情報(2014年例)
2014年のママーズデーパレードは、Sugar House Casino のスポンサーのもと、1月1日の朝に開催されました。観客は会場で迫力ある演目を間近に楽しむか、フィラデルフィアのローカルテレビで観覧することができます。




