イスラエル・写真ジャーナル
Bnei Brak(ウラヤル正統派の街)
観光客がほとんど足を踏み入れないベンイ・ブラクへ向かう。テルアビブの開かれた雰囲気の外側に位置するこの町では、黒いコートを着たひげの男性と長いスカートをはいた妻たちが、控えめさを示すために頭を剃り、ウィッグやスカーフで覆っている。
ハレディ(神を畏れる者)と呼ばれる超保守的なユダヤ人は、トーラー学習、祈り、家族生活にほぼ全てを捧げている。そこでは、即席のバスケットボールコートで若者がシュートを決め、使われていない家具倉庫の裏で写真撮影を許可してくれる。
夜になるとテレビで、約1万5千人のハレディがエルサレムの街頭で、軍務への強制的な徴兵に抗議するデモが放送される。「トーラーがすべて」「ヤシーヴァから学生を奪う軍は許さない」と唱える姿が映し出された。
イスラエルの徴兵制度と女性兵士の声
イスラエル建国以来、18歳になるとほぼ全ての市民が軍務に就くのが通例だ。街角ではロンドンの子どもたちがH&MやPrimarkの服を着るのと同じように、若者が自動小銃や制服を身に着けている光景が見られる。
シナゴーグの前で、2年間の兵役を前に興奮している女性兵士と話す(メイン写真参照)。
「軍隊での訓練は、武器を持ち自らの生存権を守るだけでなく、規律を学び、大人になる過程です。自分が思っていた以上に身体的・精神的に挑戦できることを実感します」と語る。
ヨルダン川での洗礼儀式
ヨルダン川に巡礼者が集まり、イエスがヨハネに洗礼されたとされる場所で、ポーランド、ブラジル、ロシアなど遠方から来た信者たちが氷水に首まで浸かりながら儀式を行う。長髪でひげの男性が聖書から抜け出したかのように佇む。
テルアビブのビーチと身体美学
世俗的なテルアビブのビーチでは、体を鍛えることが一種の崇拝となっている。ガルは週に4回ジムでトレーニングし、「軍務を経験してから太っていたが、今は健康だ」と語る。リファエルはストリッパーであり、イスラエル版チッペンデイルズ『ラブボーイズ』のマネージャー。週に5〜6回トレーニングし、「この街はデザイナーズブランドと美しい人々に満ち、ほとんどの時間を半裸でビーチにいる。見た目が良くなければ居心地が悪い」と語る。
イラン系ユダヤ人アジズの語り
焼けた屋上で、イラン出身のユダヤ人アジズと対話。イスラエルに来たのは約50年前と記憶しており、友人と一緒にナグリーヤ(水タバコ)を楽しみながら、静かな時間を過ごす。
キリヤト・エクロンでの結婚式
イエメン系ユダヤ人コミュニティの中心地キリヤト・エクロンで、花嫁エイナブの結婚式を撮影。エイナブの祖先は1949年6月に行われた秘密作戦「マジックカーペット」で、英国と米国の輸送機が5万人のイエメン系ユダヤ人をイスラエルへ空輸した歴史を持つ。
「とても興奮しているけど緊張しています。昨夜は1時間しか眠れませんでした」と語り、花婿ガブリエルについては「世界で一番ハンサムで、とても恥ずかしがり屋で優しい」と熱く語った。
ヨルダン川西岸ベドウィンの暮らし
エルサレムから西岸へ向かい、ベドウィンの定住地へ。48歳のサバという女性は、6人の娘、4人の息子、羊200頭、ラクダ20頭を飼い、日中はミルクを絞り、パンを作り、夜は古い衛星アンテナで孫たちにアラビア語のアニメを届けている。
ベツレヘムの難民キャンプ
イエス降誕教会から離れた場所にあるアイダ難民キャンプへ。かつて自分の村が「空洞化」された15歳のアブデルは、現在80歳になる。「あの頃は悲しみと怒りに満ちていた。まだ自分の土地が恋しい」と語り、かつてはユダヤ人・キリスト教徒・ムスリムが兄弟のように共に暮らしていたと回想する。壁については「人類の失敗の象徴だが、神を信じているので、いつか取り壊され平和が訪れることを祈っている」と述べた。




