ニューイングランドの農場へと続くフォーク
今週のFathomでは、新しい食のトレンドと注目レストランを特集しています。同時に、これらのトレンドを支える農家への感謝を込めて、農業の原点に立ち返ります。編集助手のダニエル・シュワルツは、ボストンでのファーム・トゥ・テーブル食事の後、ニューイングランドを巡るロードトリップに出ました。
Post 390と農家のコラボレーション
ボストン・バックベイにある黒レンガの二階建てバー・レストランPost 390に足を踏み入れると、トレインティ・チャーチを背に、ニューヨークのロブスターロールやケープコッド産オイスター、甘いトウモロコシやヘレッジトマトといった季節の恵みがテーブルに並びます。ここは家族連れやビジネスマン、劇場前の客層が集まるだけでなく、月に一度はニューイングランド全域の農家が訪れます。
Post 390のオーナー、クリス・ヒメルとスタッフは、4〜6週間ごとに農場や漁業場を訪れ、食材を選び試食し、シェフのエリック・ブレナンと共に「Farm‑to‑Post」メニューを作ります。メニューは季節の食材を三コースで提供し、農家は自らの作物を使った料理で感謝のディナーを楽しむ機会もあります。
Ward's Berry Farmとの出会い
6月下旬、近郊のWard's Berry Farmの農家がPost 390の上階ダイニングで特別ディナーを披露しました。オーナー兼農場長のジム・ウォードと副農場長は、テキーラ風味のスナップエンドゥーパイのピューレカクテルでゲストを迎え、学生や大学生のスタッフと共にリラックスしたひとときを過ごしました。
オープンキッチンでは、春摘みのグリーンスナップエンドゥーやゴールドバースクワッシュが海老のスカロップに彩りを添え、桃の木で燻したオザークポークにWardのイチゴが甘酸っぱく合わせられました。ビーツはチョコレートケーキとムースに変身し、ローストイチゴソースが添えられました。
農業の苦労と喜び
農家のインタビューで明らかになったのは、収穫は早朝から始まり、特にベリーシーズンは日の出前に果実を摘む必要があること。オーガニックや低農薬農園では労働が集中的で、害虫(例えばスポットドウィングフライ)への対策を誤ると収穫全体が危機にさらされます。一方で、作物が育つ喜びや地域に食を届けるやりがいは計り知れないと語られました。
Kimball Fruit Farmでの体験
さらに理解を深めるため、ダニエルは友人マイクと共にマサチューセッツ・ニューハンプシャー州境にある低農薬の家族経営農園Kimball Fruit Farmを訪れました。I‑95を走り、街中の朝食を楽しんだ後、175エーカーの農園でピーチやヘレッジトマト、トウモロコシの収穫体験をしました。
ピーチは手のひらサイズでオレンジ色の斑点がついたものを選び、熟したものは収穫、未熟なものは枝に残すというシンプルなルール。作業中は桃の絹毛とラグウィード花粉が肌を刺激し、暑さと湿度で汗だくになりましたが、農場のスタッフは70時間以上の労働を笑顔でこなす姿に感銘を受けました。
Ward's Berry Farmでの最終日
翌日はWard's Berry Farmに戻り、雨が降り出す前にポールビーやヘレッジトマト、アジア系プラムを収穫。若いスタッフは土の中で青いジャガイモを掘り起こしながら、地元のCSAやファーマーズマーケット向けに出荷準備を行いました。雨が降り始めても作業は止まず、農家は収穫、洗浄、包装、土壌分析と多岐にわたる業務をこなしています。
この体験を通じて、農家が持続可能なフードシーンに不可欠であり、シェフやレストランと同等に称賛されるべき存在だと確信しました。帰路、農園で採れた新鮮なトマトを頬張りながら、甘さが口いっぱいに広がる瞬間を味わいました。




