偉大なるイタリアシェフ、銀幕に登場
パオロ・ソレンティーノ監督の新作映画が、イタリア屈指のシェフ、グアルティエーロ・マルケージの生涯と功績を描く。
映画概要
イタリア料理界の巨匠と称されるマルケージは、ミラノ出身で六十年以上にわたりキッチンに立ち、モダンイタリア料理の父と呼ばれています。彼の料理は感覚を刺激する芸術作品であり、多くの若手シェフに影響を与えてきました。本作『The Great Italian』は、カンヌ映画祭で特別上映され、観客を魅了しました。
映画の構成と出演者
監督マウリツィオ・ジゴラは、マルケージの人生を非線形に語り、アラン・デュカス、ヤニック・アレノ、ジャン・トロイスグロア、マッシモ・ボットゥーラ、ダヴィデ・オルダーニ、アンドレア・ベルトン、カルロ・クラッコらが思い出を語ります。マルケージ自身も木製の図書室やフレスコ画のビリヤード室、現代的なキッチンを案内し、家族写真やニュース映像を用いたディオラマ風アニメーションで語られます。
料理と芸術の融合
映画の見どころは、マルケージの代表作であるRaviolo Aperto、Dripping di Pesce、Seppia in Nero、Riso Oro e Zafferanoの鮮やかなクローズアップです。これらの映像は、ポロックやステラ、ウォーホル、フォンタナなどの芸術作品が飾られたギャラリーと交錯し、料理とアートが同時に輝きます。
シェフとしての哲学
料理人になる前は音楽家だったマルケージは、ビジュアルアートの熱狂的な愛好者でもあります。彼はポロックの滴り絵やフォンタナの切断キャンバス、ウォーホルのリトグラフを料理の素材に取り入れ、イタリア産の高品質食材と結びつけて、視覚・概念・パフォーマンスの三位一体を実現しました。
1930年生まれの彼は、抽象表現主義、アート・ポヴェラ、光学芸術、概念芸術、パフォーマンス、ポップアートといった20世紀後半の潮流を体感し、それらが料理への探求心に影響を与えました。結果として、イタリア料理の伝統を再解釈し、21世紀の新しい食文化を創出しました。
観客の感想とシェフの言葉
映画上映後、私はマルケージと短い対話の機会を得ました。ローマのレストラン「Hostaria dell'Orso」での思い出や、料理が「伝統」ではなく「芸術」でもあることに気付いたエピソードを語り合い、彼は微笑んで頷きました。マルケージにとって料理は芸術以上に「愛」—素材への愛、技術への愛、体験への愛—であり、そこにほんの少しの芸術が加わるだけです。
『The Great Italian』は2017年秋に劇場公開予定です。
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