メキシコシティのルチャリブレでストレス発散
ルチャリブレのアリーナを訪れることは、ストレス発散に最適です。
メキシコシティ――すべてが狂い始める予感がした。エンターテイメント性抜群のメキシコ式大衆ショー、ルチャリブレではそれが保証されたようなものだ。だが、Arena Mexicoで初めて観た試合は、想像を超える光景だった。現地ガイドの助言で、セミファイナルが終わりかけたところに2時間遅れで到着したが、彼女は「本当に見たいのはヘッドラインマッチだ」と断言した。その言葉は嘘ではなかった。
短い休憩の間、安価なビールとチリ粉をまぶしたスナックが移動販売車の大軍から次々と提供され、夜のトップタレントたちが壮大な行列でリングに登場した。そこには、アメリカ人2名、カナダ人1名、メキシコ人1名、イタリア人1名、そして日本人レスラーがいた。3対3の構成で、ルチャリブレらしく「テクニコ」(善玉)と「ルド」(悪玉)が対立した。グリゴン側がどちらだったか、想像できるだろうか。
試合開始
観客の歓声と、ラウンド番号を掲げた薄着のモデルが登場して試合が始まった。彼女は試合中に数回姿を見せるが、主役ではない。全員がリングに目を離さず、レスラー同士のタックルやスラップ、胸を叩く音が会場に響き渡った。
試合が進むにつれ、観客の役割もはっきりした。タックルが入るたびに観客は拳を振り上げ、罵声を上げる。特にルドは、股間を握ったり観客に中指を立てたりと、誇張されたジェスチャーで小さな勝利を祝う。もし敗北したレスラーのマスクが外されたら、スタジアム全体が席を立ち、月に向かって吠えるような声を上げる――私もその一員だった。
この試合は明らかにシナリオ通りに進められており、演出は期待通りだった。流れは次の通りだ。
第1幕:ルドがテクニコを制す
スリムで狡猾なジュース・ロビンソンが勝利の喜びに家族の宝石をマッサージし、青いゴリラのコスチュームを着たミニチュア選手を誘拐し、ドロップキックでリング外へ投げ出すという、観客の嫌悪感を煽るシーンが展開された。
第2幕:テクニコの逆襲
青いゴリラへの屈辱に燃えたテクニコが反撃に転じ、グリゴン側が倒された。
第3幕:北米勢の勝利
しかし、観客のお気に入りは北米チームの手に落ち、全員がブーイングした。私も含めて。
試合の進行に不満が募る中、「アメリカくそ」や「pinche gringo」といった激しい罵倒が頻繁に飛び交い、訪問チーム全体が敵視されているのか、長い歴史の中でそうした感情が根付いているのかと考えさせられた。
結末と余波
驚くべきことに、テクニコ側がやや優勢で試合を終えた。勝者がリングを去ると、敗北チームのレスラーが観客の大きなビールジョッキを奪い、北米側の選手に勢いよく投げつけた。その後、観客はキャンディの雨を降らせて応援し、私たちは笑い転げた。
スタジアムを後にしたとき、カタルシスに満ちた感情が街に溢れ、これがステレオタイプを利用した演出なのか、あるいは時事的なメッセージなのかは分からなかったが、結果的に重要ではなかった。通りは活気に満ち、友人たちは試合を語り合い、子どもたちはマスクをかぶって走り回っていた。まさに、アリーナのもうひとつの夜だった。




