エリトリア・アスマラで体験する究極の都市散策
標高2,500メートルの高原に位置するエリトリアの首都アスマラは、アフリカの角に抱かれた壮大な街です。紅海沿岸と内陸部の中間にあり、爽やかな気候が何千年もの間この高原に人々を暮らさせてきました。1889年にイタリア人が占領し、東アフリカ帝国(Africa Orientale Italiana)の首都として整備されたのは自然な流れでした。
アスマラの歴史
その後約50年にわたり、イタリアの植民都市計画者や建築家はエリトリア人の労働・知識・材料を活用し、現在もほぼそのまま残る街を作り上げました。古代からの土壌を感じさせつつ、21世紀のアフリカにしっかり根付く姿は、ユネスコの世界遺産に選ばれた理由です(2017年)。近代建築と都市計画の完成度、そしてエリトリアの日常生活に自然に溶け込んだ点が、訪問者の心に深く残ります。
聖マリア大聖堂(コプト様式)、アスマラ(Shutterstock)
イタリアがアスマラ平野を占領したのは1889年ですが、近代的な顔が形成されたのは1935年から1941年の間です。エチオピア侵攻と第二次大戦中のイタリアの戦時投資により、アスマラは人口約10万人(うち5万人がイタリア人)を抱えるアフリカ屈指の近代都市へと変貌しました。自動車50,000台、ローマを上回る信号機、映画館9館、世界最長(75km)のケーブルカーなど、インフラは最先端。建築面では、幾何学的な店舗やアパート、未来的な給油所(例:翼を広げたタグリエロ・サービスステーション)など、数千棟のモダニズム建築が建てられました。
しかし、独立闘争の長い歴史が続き、アスマラは度重なる外部勢力の支配を受けました。イタリア敗北後は英国が統治し、米国はカグニューステーションという高度なリスニングステーションと軍事基地を設置。1952年の国連仲介によるエチオピアとの連邦体制、1961年の併合と続く激しい独立闘争(30年)を経て、1991年にエリトリアは独立を果たしました。戦争の爪痕は街にほとんど残らず、第二次大戦後の過剰な再開発が行われなかったため、近代建築はそのまま保存されています。
アスマラの街角(Shutterstock)
1990年代以降、エリトリアはこの貴重な遺産を保護・研究・プロモーションするプロジェクトを次々に実施しています。現在、ユネスコ世界遺産地区だけで4,346棟の建物が保存されており、街全体が歩きやすい環境に整っています。気候は快適で、通りは清潔、犯罪は極めて稀、建築は圧倒的に美しい。毎晩6時頃に中心通りハーネト通り(Liberty Avenue)で行われる『パッセッジャータ』は、地元の人々が集い、街の雰囲気を味わう最高の風景です。
エンダ・マリアム大聖堂の眺め(Shutterstock)
アスマラでのおすすめトップ3
- 散策:西部にあるメデベルのリサイクル市場は、廃材が溶接や加工で新たな製品に変わる様子が見られます。また、地元の墓地と独立闘争の残骸が展示された非公式記念碑的墓地も訪れる価値あり。
- 食事と飲み物:エリトリア料理はスパイシーなインジェラ(酸味のある薄焼きパン)と共に提供されます。コーヒーは儀式的にゆっくり抽出するものから、カフェのエスプレッソまで幅広く楽しめます。フレッシュフルーツジュースにアイスクリームを添えるのも人気です。
- 蒸気列車体験:高齢のエリトリア鉄道技師が復元した蒸気機関車に乗れば、山麓まで約5時間の往復旅が楽しめます。料金は約500ドル相当です。
イーラ・ビルディング、アスマラ(Alamy)
宿泊施設のおすすめ
- 小規模で個性的
Africa Pension
予算重視で中心部に近く、広い庭と大きな部屋が魅力。元市長官邸でバルコニーからは街全体を見渡せます。Keskese St; +291 1 121 436 - 中級クラス
Crystal Hotel
ロケーション抜群でスタッフの対応も好評。客室は専用バスルーム、テレビ、Wi‑Fi、安定した給湯と電力が完備。レストランも好評です。Bihat St. - 街の象徴的ホテル
Albergo Italia
1899年創業の最古ホテル。2000年代初頭に大規模改装を実施。バー・レストラン併設、客室は標準からスイートまで6段階。Nafka Avenue.
シネマ・インペロ、アスマラ(Shutterstock)
旅行に役立つ情報
国際電話番号:+291
通貨:ナクファ(ERN)。1ポンド=約20ナクファ。ATMはなく、現金はホテルで両替するのが便利です。
アクセス:直行便はありません。エチオピア航空(アディスアベバ経由)、Fly Dubai(ドバイ経由)、ターキッシュ航空(イスタンブール経由)、エジプト航空(カイロ経由)でアスマラ国際空港へ。空港は市中心部から南へ7km、タクシーで約20分、料金は約400ナクファ(約19ポンド)。
市内移動:徒歩が最も快適です。自転車も全国的に人気でレンタルしやすく、遠出に便利。タクシーは指定ルートで利用すれば安価ですが、個別契約は高くなることがあります。
主な祭り:8月の『フェスティバル・エリトリア』や5月24日の独立記念日が盛大に祝われます。宗教的多様性が高く、正教会、プロテスタント、カトリック、イスラム教の祭事が年間を通じて開催されます。




