トスカーナ・パザーノで味わう肉料理ビッグナイト
ロンドンでの出会いと約束
ロンドンの雨が少し降りかかった夕べ、私はパビア・ロザティとドリンクを楽しみながら、間もなく訪れるトスカーナ旅行の計画を語った。彼女は私がチェインティ地方のグレーヴに滞在すると聞くと、すぐに目を輝かせて「Solo Ciccia(直訳すると『肉だけ』)」での食事を約束させた。
Solo Cicciaは、隣村パンサーノに住む有名な肉屋ダリオ・チェッキーニが経営するレストランで、同じ建物に「Officina della Bistecca(ステーキ工房)」というもう一つの店もある。パビアは「自由奔放で何が起きてもおかしくない」夜になると説明し、何コースもの肉料理とロックミュージシャンが混ざり合うと語っていた。肉屋で?と半信半疑だったが、実際に体験すると驚きは大きかった。
ロックスターミート職人との出会い
私たちは19時の席を予約し、ダリオからは事前に肉屋でのアペリティフに来るよう招待された。店内に入ると、ルイ・プリマやフランク・シナトラ、ディーン・マーティンの軽快なジャズが流れ、まさに「ビッグナイト」だった。テーブルの一角にはハーブやパン、スライスしたサラミ、チャンティのボトル、ラルドを乗せたクロスティーニが並び、ダリオと妻のキムがワインのグラスを手渡しながら温かく迎えてくれた。
街角パーティへ発展
やがて通りに出ると、ダリオが自家製のグラッパとショットグラスの塔を持って客を迎え、即席のストリートパーティが始まった。子どもたちは店前の大きなペイント牛像に登り、皆でワインを片手に談笑。アメリカ人家族やイタリアの弁護士・銀行家・ワイン商のグループが混ざり合い、和やかな雰囲気が広がった。
屋外テーブルでの共同ディナー
やっと席についたのは、イタリア人たちと共に囲む屋外の大テーブル。新鮮な野菜のピンツィモニオ、カラフルなワインカラフェ、そしてダリオ自慢のオリーブオイルがテーブルを彩った。
いよいよ料理がスタート。地元産の食材とダリオの肉をふんだんに使った9コースのセットメニューは、どれも芸術的な一皿だった。イタリア人仲間は1997年産のモンタルチーノ・ブルネッロなど特別なボトルを持ち寄り、最後は大量のグラッパとシガーで締めくくった。
心に残るホスピタリティ
この夜で最も印象に残ったのは、ダリオとスタッフの温かいもてなしだった。彼らは笑顔とユーモアで場の雰囲気を作り上げ、まさにパビアが言っていた通り「何が起きてもおかしくない」夜を体験させてくれた。小さな村の肉屋で通りのダンスパーティまで楽しめるとは、予想外の出来事だった。
店舗情報
Solo Ciccia
Via XX Luglio 11
Panzano in Chianti, Florence, Italy
+39‑055‑852‑727




