ピーボディ・エセックス美術館の特別展『靴:喜びと痛み』
展覧会概要
ピーボディ・エセックス美術館(PEM)で初めて開催される特別展『靴:喜びと痛み』は、300足以上に及ぶ靴を通じて、その歴史・文化的意義、そして収集者や着用者の個人的体験を探求する展覧会です。本展はロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館が企画し、米国初公開となります。
キュレーターの思い出
PEM副館長であり統括キュレーターのリンデ・ロスコー・ハーティガン氏は、靴への情熱を語ります。彼女の体験談は、子供時代に自宅が森林火災の危機に晒された際、母親に「車に何を入れる?」と尋ねられ、ピンクのテディベアと真新しい黒のパテントレザーのメリージェーンを選んだエピソードから始まります。
展示テーマ
展覧会は「変容(Transformation)」「地位(Status)」「誘惑(Seduction)」「創造(Creation)」「執着(Obsession)」の5つのテーマに分かれ、各テーマに合致した靴が時代や所有者別に展示されています。デビッド・ベッカム、エルトン・ジョン、ナオミ・キャンベルといった著名人の靴や、クリスチャン・ルブタン、ジミー・チュウなどファッション界の巨匠が手掛けた作品、さらにはマサチューセッツ州リンやハーバーヒルで製作された地元の靴も紹介されます。また、PEMのファッションコレクションからの110足と、地元コレクターのジミー・レイ氏・リリアン・モンタルト・ボーレン氏の靴が「執着」ギャラリーに展示されています。
オープニングイベント
オープニングデーは2016年11月19日(土)に開催され、入館料に含まれる様々なシューズ・テーマのイベントが行われます。スニーカー文化を紹介するポップアップ展示や、アーティストのマリカ・グリーンによる靴作りのデモンストレーションなどが予定されています。本イベントはロウエル財団の協賛で実施され、詳細なスケジュールはPEM公式サイトで確認できます。
社会貢献活動:Dress for Success Bostonとの連携
展覧会開始から最初の2週間は、PEMがDress for Success Bostonと協力し、靴の寄付キャンペーンを実施します。職業面接に適した無地で、つま先開きやスリングバック、ミュール、プラットフォーム・スティレットなどは受け付けません。寄付希望者は美術館入口でボランティアに靴を渡すだけで完了します。寄付された靴は、経済的に困難な女性が面接時に自信を持って臨めるよう活用されます。
展示の意義と今後の展開
本展は、PEMがファッションコレクションを拡充する取り組みの一環として企画されました。従来の小売空間とは異なる展示設計により、来館者は靴やファッションが単なる装飾品ではなく、デザイナーと着用者という二人の創造的パートナーシップによる「コミュニケーション」の形であることを学びます。ハーティガン氏は「靴はデザイナーと履く人の個人的な創造性の結晶です。相手がそれに応えてくれなければ、創作は不完全です」と語っています。
開催期間・入館料
『靴:喜びと痛み』は2016年11月19日から2017年3月12日まで開催され、入館料に含まれています。オープニングデーやDress for Successの寄付プログラムの詳細は PEM.org をご覧ください。




