ユニバーシティピークでの雪と太陽の挑戦
概要
2023年春、シェルドン・カー、エミリー・ドリンクウォーター、ジェシカ・ベイカー、クリスティーヌ・ライトの4人は、アラスカ・セント・エリアス山脈に位置するユニバーシティピークの南壁(標高7,000フィート)をスキー登山で攻略しようと出発した。しかし、予想外の気温上昇と急速な雪解けにより、計画は大きく狂い、隊員は過酷なコンディションと格闘した。
遠征の背景
目標と期待
シェルドンは21歳の頃からユニバーシティピークを小型機で何度も上空から観測し、徐々に「本格的に登れるライン」だと確信していた。5年にわたる氷壁クライミングとフリースキーの経験を経て、2022年春に女性が初めて峰頂からスキーで降りることを目指す計画を立てた。
パイロットのポール・クラウスは、ベースキャンプ設営地点として氷河の北支流・バーンハード氷河東側に降ろしたが、目的地からは約15マイル(約24km)離れていた。
予期せぬ天候変化
キャンプ設営から10時間後、気温は30〜40度上昇し、雪面は急速に軟らかくなった。スキーは厚いスラッシーに沈み込み、まるで泥に足を取られるかのような“下向きの吸引”に苦しんだ。
「雪がまだ十分にあるように見えたが、実際は表面がすでに溶けていた」―ジェシカ
過酷な氷河横断
隊は氷河湖やモレーンを行き来しながら、膝までの水たまりをスキーで進むという異常な状況に直面した。スキーは極めて遅く、体力的にも精神的にも「人生で最もハードな作業」だった。
昼間の太陽は雪面をさらに柔らかくし、雪崩音が2分間鳴り続くほどの規模で崩落が頻発した。
戦術の試行錯誤
3時、6時、真夜中と出発時間を変え、雪が十分に凍結した瞬間を狙ったが、どのタイミングでも条件はすぐに変化した。最終的に約1,000m上空の雪崩残骸帯まで登り、そこから下ることで、次回への貴重な情報を得た。
帰還の苦闘
下山は氷河のリフト状リッジをクランポンで歩くことに変わり、深さ30フィート(約9m)のクレバスや急流が次々と現れた。隊はスキーを外し、24時間にわたる徒歩でベースキャンプへ戻った。
「もし2週間前に来ていれば、ラインは完全にスキー可能だっただろう」―シェルドン
次回への展望
隊は来年の3月、気温が最大40度低い時期に再挑戦することを検討中だ。大きなパッカーパンツと防寒装備で、再びユニバーシティピークの雪と太陽の狭間に挑む計画だ。
参考記事
最初の遠征の全容は「University Peak – Take One」をご覧ください。









