コンゴのゴリラ:森の精霊
コンゴ盆地の冒険
アフリカの広大なコンゴ盆地は、かつて「闇の心臓」と呼ばれ、神秘的な獣を求めるヴィクトリア朝の探検家たちを魅了しました。豊かな熱帯雨林を舞台に、ゴリラ追跡サファリへと出発します。本稿は、元『Lonely Planet Traveller』誌の寄稿編集者ダンカン・クレイグが体験した実録レポートです。
雨と根の迷路
雨が樹冠をすり抜けて森林の床に滴り落ちます。一行は巨大な根柱とねじれた蔓の間を慎重に進む。その先頭にいるのは、たれ下がった口ひげと帽子をかぶり、ブランデーを飲み干すいたずら好きな男です。彼は何ヶ月もこの終わりなき雨林で、はちみつや稀に猿肉、そして執念だけを糧に暮らしています。彼の狙いは『ニエナ』――西洋の目に触れたことのない伝説の生き物、暗黒大陸の幽霊です。

男はかじられた根を調べ、枝が折れる音に注意を向けます。ライフルを構えたまま茂みを突き進むと、葉が割れた先に『アフリカの森の王』が姿を現しました。『決して忘れられない光景だった』と彼は後に書いています。『背筋を伸ばし、顔は獣のように恐ろしく、目は燃える炎のように光っていた。雷鳴のような咆哮を上げ、胸を叩きながら怒りに燃えていた――そしてゆっくりと近づいてきた…』
オレメとナガガ・キャンプへの道程
コンゴ共和国北部のパルク・ナショナル・ドゥ・オザラ付近に位置するオレメは、探検家ポール・デュ・シャイユがゴリラを「発見」した地点から東へ約200マイルの場所です。そこから半日車でナガガ・キャンプへ向かうと、サバンナと森林がぬかるんだトラック道でつながっています。ドライバーのマックスウェル・ムスウェレは「ここでは酔っ払いでもまっすぐ走れる」と笑いながら、髪の毛が風に揺れる様子を楽しんでいます。午後になるとサバンナは薄紅に染まり、シロアリの丘は溶けた大聖堂のように見えます。蝶が太陽を遮り、泥だらけのバッファローが水たまりから逃げ去ります。

森林の奥深くへ
森に足を踏み入れると、空気は一段と涼しく、音は増幅されます。上空ではチンパンジーの鳴き声が響き、コロブスのサルが白いマントをはためかせながら樹冠を駆け巡ります。鮮やかなリプタ布をまとった女性たちが、腰にパンガナイフ、背中にカッサバのバスケットを担いで歩いています。密猟対策の巡回はまれで、コンゴの人口密度は低く、約460万人がブラザヴィルの南側に集中しています。
ナガガでは、ジンジャーの香りと耳をつんざく蝉の鳴き声が夜を包みます。

黎明の合図と追跡開始
夜明けとともに鳥のさえずりが響き、霧に包まれた森林は遠吠えと咆哮で目覚めます。ガイドのカールと元ハンターのマスター・トラッカー、ゼフェリンがチームを準備し、デュ・シャイユが体験したような冒険の興奮が高まります。

追跡は高度な技術を要します。密生した下草の中では、足取りは数センチしか進みません。薄暗い光の中、葉の先端に薄く光が宿り、遠くからはカッコウの鳴き声だけが聞こえます。
約三時間後、ゼフェリンが合図を出すと、枝葉の間から十頭以上のゴリラが姿を現しました。メスは幼獣と共に食べ物を探し、若いオスは軽やかに木を登ります。子どもたちはハンモックのように蔓を揺らしながら遊び、全員が銀背(シルバーバック)を中心に集まります。銀背は根をかじりながら、筋肉質な体をゆっくりと動かしています。
枝が折れ、銀背がこちらを一瞥すると、知性と威厳に満ちた眼差しが交わります。彼は再び食事に戻り、カールは小声で「彼は争いを避ける。威嚇が脅威を遠ざけるんだ」と囁きます。ゼフェリンが模擬的に突進したとき、銀背は数センチ先で止まり、静かに群れを導く様子が見られました。
この体験は、コンゴの神秘が生み出したデュ・シャイユの「悪魔的」な神話を払拭し、コンラッドやバロウズが描いた闇のイメージに新たな光を当てます。
銀背が合図を出すと、群れは霧の中へと消えていきました。

本稿は2014年12月号『Lonely Planet Traveller』に掲載された『Spirits in the Forest』からの抜粋で、ダンカン・クレイグが執筆しました。コンゴの熱帯雨林は、まるでタランチュラのように強靭な蔦に覆われています。




