南極の淡く光る色彩
姓がクストーなら、ウェットスーツでの生活は当たり前。伝説の海洋探検家ジャック・クストーの孫、セリーヌは、地球の素晴らしさを伝えることが家業だと語る。フィールドプロデューサー、写真家、ドキュメンタリー制作者として遠く離れた地へ赴き、危機に瀕する種をモニタリングし、自然資源の保護に努めている。彼女はその探検の一つをポストカードに綴った。
南極への旅路
多くの人が白い大陸への旅を夢見るが、私にとっては野望ではなかった。チリのテレビ局から12部構成のドキュメンタリーシリーズのホストを依頼され、撮影先リストに南極が入っていた瞬間、チャンスを掴んだ。チリの海岸線を全て巡り、陸上・水中の両方で撮影し、最終目的地は南極大陸。氷冷の海でのダイビングは体の奥底まで震えるほど怖かったが、実際に足を踏み入れた瞬間、感覚は表面的なものに過ぎなかった。圧倒的な美しさに心が奪われ、瞬く間にこの地に恋をした。
ドレイク海峡と南極半島
まずは悪名高いドレイク海峡を2日間航行。奇跡的に穏やかな天候に恵まれた後、制作チームは食堂の生き物だけでなく、もっと深く南極の姿を映すべく、南極半島へ上陸した。
ペンギンのコロニーでの撮影
最初の拠点で機材のテストを実施。チームは数グループに分かれ、そのうちの一つが水中に入った。私はビデオグラファーと共に陸上に残り、ジェントゥー皇帝ペンギンのコロニーが繁殖期を迎える様子を観察した。「すぐに戻ってくるからね」と声を掛け、ペンギンたちはゆっくりと歩み去った。
やがて軽くはあるが執拗な雪嵐が始まり、白い空、白い大地、白い雪が水平に流れる風景が広がった。見た目は壮観だが撮影は困難で、私たちは3時間その場に留まった。手袋は水に浸り、骨は硬直し、衣服は体に張り付くが、笑顔は止まらなかった。
ジェントゥー皇帝ペンギンとの出会い
私たちはペンギンの移動経路付近に設置し、カメラで彼らの歩みを追った。長いモノポッドに装着した小型カメラで、侵入感なく近距離撮影が可能だった。ペンギンが首をかしげ、目を細めて私たちを見つめる様子は、まるで人間のように感じられ、自然な会話が交わされているかのようだった。そこにあったのは、シンプルな「生き残り」のドラマだった。
訪問者へのメッセージ
撮影が主目的だったが、限られた人数しか乗れない観光船がこの地域へ運んでくれる。私たちも同様の船で到着し、船主の協力で一部制作費を賄った。撮影は独自に進めたが、訪れること自体が貴重な体験だ。興味がある人はぜひ足を運んでほしいが、環境は極めて脆弱であることを忘れてはならない。地球規模の変化が与える圧力は大きく、訪問者数は最小限に抑えるべきだ。学んだことは自宅に持ち帰り、白い大陸で培った配慮を自分の身近な自然にも活かすことが重要だ。
見つけ方
クストーは「Antarctic Dream」という船で南極へ向かった。出航港はアルゼンチン・ウシュアイア。




