Ocean8チャレンジ
初めての一日
ビーチでは穏やかで平らに見えました。太陽が照り、子どもたちは砂の城を作っていましたが、湾を出ると風が強くなり、静かな楽園は波立つ荒波へと変わりました。太陽すらすぐに雲に隠れ、無防備さが増しました。
「大丈夫、何度もやってきた。パドルの安全装置もある」自分に言い聞かせながら、息を整えるために顔を上げると、長年の友人でスタンドアップパドルのチャンピオン、デイブとそのビジネスパートナーのルイスがいました。デイブは最初からOcean8チャレンジに関わっており、ニッキーの前をしっかりと導いてくれます。ニッキーはいつも先頭に立ち、週末のトライアスロンでの活躍が印象的です。
ニッキーに追いつこうとペースを上げると、突然前方で大きな水しぶきと腕の乱舞が見え、悲鳴が響きました。デイブの余裕が緊張に変わり、彼はニッキーへ向かって走ります。仲間が危機に陥っているのが分からず、私は戸惑いました。
恐怖心に駆られながらニッキーの側に駆け寄ると、彼女は驚いた表情から笑顔に変わり、私の胸に大きな安堵が広がりました(ウェットスーツにおしっこしたわけではありません)。
ニッキーは「初めてのクラゲ」との出会いを語り始めましたが、実際は透明なプラスチックの袋が浮かんでいました。私たちは海の健康が低下し、プラスチックごみが本物の海洋生物と間違えられる現実に胸が痛みました。
デイブは笑顔で「これこそが私たちが行動する理由だ」と言い、濡れたプラスチックを乾いたバッグに入れ、陸へと向かいました。ニッキーの「初めてのクラゲ」体験と、私たちの8日間チャレンジ開始から1時間での海洋プラスチックの実態が見えてきました。
始まりに戻って
Ocean8チャレンジの計画は数か月前に始まりました。厳しい冬を乗り越えるために海での水泳が支えとなりました。
世界的なパンデミックの中でNHSの最前線で働いていた私は、遠くの白水カヤックやヒマラヤの大河、南米の滝といった冒険から、病院の忙しい病棟へとシフトしました。助けられることは嬉しかったものの、生活様式の急激な変化と旅行制限でカヤックに出ることはほぼ不可能でした。そんな時、海が私を呼び戻しました。
最初は氷点下の朝、ピンクのネオプレンソックスとカラフルなウエットスーツで水へ向かいました。数分間泳げただけでヒーロー気分でしたが、体は凍り、熱いお茶をこぼすほど震えました。徐々に耐性がつき、天候や気分に関わらず、海に入ると心も体もリフレッシュできました。海に感謝し、何か返したいと考えました。
ニッキーは優れたトライアスリートですが、時間管理は苦手です。朝の泳ぎの合間にビーチクリーンを始めました。イギリスの美しい海岸は観光客が増えるほどゴミも増えます。ある休日の朝、泳ぎ場はペットボトルや発泡スチロールトレイ、プラスチック製フォーク、使い捨てバーベキュー用品で埋め尽くされていました。そこで「8日間、毎日海で泳ぎ、ビーチを清掃し、6月8日の世界海洋デーに成果を発表する」ことを誓いました。これがOcean8チャレンジです。
興味深い発見
チャレンジが本格化するにつれ、ピクニックの残骸だけが原因ではないことが分かりました。
ある朝、ビーチを清掃しようとしたとき、驚くほどゴミが見当たりませんでした。微細なマイクロプラスチックを探すと、海藻に絡んだ古い漁具のワイヤーが約3バケツ分も出てきました。
別の日、地元のカップルがマエンポートの内陸の小川を指し示しました。そこから流れ出すカラフルなプラスチックの破片は、数マイル上流の建設現場が原因でした。私たちは数百個の小さなプラスチックを回収し、SNSで情報を拡散。地元団体と連携して解決策を探すことになりました。
みんなで取り組む
1日800万個ものプラスチックが海に流れ込む現実は衝撃的です。Ocean8チャレンジは小さな一歩ですが、行動の変化を促すものです。
この数日で沿岸環境への理解が深まりました。泳ぐ人、歩く人、自転車に乗る人、家族連れ、学生、地域団体、さらには副市長までもがビーチクリーンに参加しました。誕生日パーティーの子どもたちも大きな黄色いバケツを持ち、楽しそうに「これ見つけた!」「靴下だ!」と歓声を上げました。
夕暮れ、ピンクとオレンジに染まる空の下、子どもたちが大きなバケツを掲げる光景は、未来への希望そのものです。
長期的に考えて
冒険と自然はこれまで一方的に利用されてきましたが、持続可能な関係が必要です。「痕跡を残さない」だけでなく、場所をより良くすることが求められます。
個人では無力に感じても、みんなで力を合わせれば大きな変化を生み出せます。次にアウトドアを楽しむときは、自然に少しでも恩返しをしましょう。




