滑らかな岩と光る海―ノルウェーでのパックラフティング冒険

旅のはじまりとノルウェーの悲劇
本来は木曜日に出発する予定でしたが、豪雨による増水が予想されたため、天候が落ち着くまで待つことにしました。翌金曜(7月22日)にオスロで政府地区が爆破され、ウートゥーヤ島で若者たちが大量虐殺に遭うという衝撃的な事件が起きました。テレビもパソコンも止め、子どもたちに何が起きたのか説明するのは容易ではありませんでしたが、二日後に出発を決めました。逃げるためではなく、温かな思い出で悲しみを相殺しようという目的でした。
風景の変化とパックラフトの魅力
故郷のコンスベルグから電車でドランゲダルへ向かうと、景色は一変しました。ガウテファルでは、巨大な岩壁と開放的な松林、きらめく小池が広がります。翌朝、テントを片付けて約2.3kgのパックラフトを膨らませると、軽快に湖や小川を巡ることができました。子どもたちはすぐに自分の船の船長になり、家族全員が笑顔で小さなゴムボートに乗り込みました。
最初の航海とハネタルマネの発見
小さな氾濫した小川を下った後、近くの湖へポートすることになりました。遠くに山々が見え、過去の悲劇から少しずつ離れた感覚がありました。次に向かったのは「ハネタルマネ(Rooster Guts)」と呼ばれる風光明媚なエリアです。連なる細長い池がまるで真珠のように連なり、青空が広がる中で新たな冒険が待っていました。
白水体験と家族の絆
数日前の大雨で水量が増し、普段は通れない箇所もパドリングできました。子どもたちは小さな急流で白水デビュー。浅瀬のリフルを滑りながら笑い声が響き、太陽が薄い雲の間から差し込む中、父として子どもたちの笑顔を見る喜びは格別でした。
予期せぬハプニング
湖を横切り、狭くなった渓流へ入ったとき、流れは速くなり、数メートル先に小さな滝がありました。最年長のシフは岩に引っかかり、恐怖で足を川に沈めていました。周囲は危険に見えませんでしたが、シフの叫びに父はすぐに駆け寄り、無事に救出。数分で状況は収まり、子どもたちは再び笑顔に戻りました。
絶景と余韻
川を上流へ登ると、夕日に照らされた巨大な滑らかな岩壁がブライダルベールのように広がり、息を呑む光景が広がっていました。最後の日も穏やかな小さな急流を楽しみ、温かい岩で入浴しながら、自然と家族の絆を再確認しました。
この旅は記録や挑戦を求めるものではなく、子どもたちが「ここで暮らしたい、ママが世話をし、パパが教えてくれる」――というシリの言葉の通り、安心できる場所を見つけた時間でした。




