捕虜の道
はじめに
日本の冬と言えば、長野・白馬アルプスにある温泉に浸かる雪猿の光景が象徴的です。しかし、私が訪れたその日、天候は小雨、温泉は観光客で賑わう汚れた渓谷で、カメラの前で争う猿たちがうずまいていました。
雪猿と温泉の裏側
30本もの大きなCanonレンズが猿たちに向けられ、撮影された画像は有名な観光ポスターと同様の構図になるように加工されていました。実際には、猿の糞や小猿のいじめ声が絶えず、理想的なイメージは遠いものです。
期待を捨てた旅の始まり
チューブレチから+4℃の雨に変わる日本で、私は先入観を捨て、観察者として山に身を委ねました。翌朝、スキーリフトに乗ると、50メートル幅のゲレンデに大量の日本人スノーボーダーが押し寄せます。リフト上でパックを置き、前夜に乾かしたスキンを取り出すと、リゾートの管理された空間から自然の裏山へと足を踏み入れました。
裏山への移行
スキンを剥がす音は、スキー場の人工的な音と対照的な自然のリズムです。最初の10メートルで、千本の目が私たちを見つめているように感じました。周囲は糖霜に浸されたかのような凍った樹木が広がり、まるで白雪の女王に支配されたナーニアのようです。
朝日の斜光に照らされた木々は光ファイバーのように輝き、氷に覆われた枝は揺れるたびに金属的な音を立てます。空気中には氷の結晶が漂い、光と風の相互作用で瞬時に蒸発し、雪のサイクルへと戻ります。
上昇と下降の儀式
スキンで上がり続け、約15,000ステップ後に再びスキンを外し、ダウンジャケットと防風レイヤーを装着します。スキー板を外すと、体は瞬時に下りへの準備モードへと切り替わり、1時間で400メートルの上昇が、数分で同じ高さの高速降下へと変わります。
自然の遊び場へ
森の奥深くにある半円形の谷は、夏には水路となり、冬は結晶の海となります。私たちはスキンで100メートルほど上がり、400メートルの標高にある小さなコルへと到達しました。ここでは、硫黄と熱を放つ火山活動の痕跡が見られ、腐敗した臭いと沸騰した液体が雪の中に潜む危険を教えてくれます。
雪の波が白いブレーカーレベルを形成し、板や太いスキーで滑走すると、まるで海の波に乗っているかのような感覚になります。途中で黒熊の巣を見つけ、GPSで安全に小さな橋を通過し、凍結した森林道路を滑走します。
下山と総括
最後の下山は、人工的なヘアピンターンが連続し、リズムが強制されますが、足元の感覚と光の変化に合わせて体が自然に調整されます。街灯の橙色の光が雪原を照らし、熱い硫黄湯が道路の凍結を防ぎます。
この一日を通じて、山で必要なスキルと心構え、そしてイメージにとらわれず柔軟に景色を受け入れることの重要性を実感しました。これこそが、スキー旅行における禅の精神です。




