北欧の縁で出会った波と旅路
出発と夜の到着
目を覚ましたとき、周囲は真っ暗。バンの中で寝袋にくるまっていた私たちは、後部窓から見える光に胸を躍らせた。床を駆け回る犬の尻尾音と、揺らめく小さな鳴き声が起床の合図だった。暗闇の中、ヘッドライトで歯を磨き、ベッドを整えると、波の音と潮の匂いだけが聞こえる夜のキャンプ場が目の前に広がっていた。
朝の波待ち
イングランドからフランス、ベルギー、ドイツ、オランダ、デンマーク、スウェーデン、そしてノルウェーへと4日間のドライブを続けた。北極圏を越えるフェリーに乗り、秋の最初の大波がやってくるスケジュールを手に入れた。海岸を見つめながら、遠くの故郷を思い出すと同時に、ここに来たことの実感と、すぐには戻れない静けさが心に染みた。
氷点の水泳
バンの儀式ともいえるお粥とコーヒーを味わいながら、波が来るのを待った。谷間に囲まれた場所で、白い小さな教会とボート小屋、自由に走り回る羊たちが風景を彩る。冷たい風が谷をすり抜け、ジャケットを顎まで締め、ビーニーで耳を守った。



ジェームズが飲み水を探しに行き、戻ってきて手招きした。ディロンが尻尾を振りながら横に立つ。「タオルを持ってきて!」と笑顔で叫んだ。鏡のように静かな水面に山々が映り込み、太陽の光がキラリと跳ねた。海が穏やかな間は、どこでも楽しめると感じた。
山頂からの眺め
氷点を越えたことを実感し、裸の肌が水に触れると痛みと同時に凍えるような頭痛が走った。数ストローク泳いだだけで、岩に上がると体は瞬時に熱くなり、まるで夏の日差しを浴びているかのように心地よかった。ディロンは水に飛び込み、棒を追いかけては水しぶきを上げ、寒さに関係なく楽しんでいた。
背後の山に登り、鳥肌が汗に変わるほど体が温まった。湾を見下ろすと、遠くのサーファーはまるで小さな点のように見え、白い雲が空全体を覆い始めていた。
冬の嵐と初波
翌日、冬が本格的に訪れた。



谷間に風が吠え、バンが揺れ、雨がシートのように降り注いだ。その中で待ちに待った秋の最初の大波がやってきた。厚手のネオプレンに身を包み、パドルで出ると波は予想以上に大きく、数分の違いで波の勢いが変わるのを実感した。フードをしっかりと顔に巻き、氷菓子のような頭痛と戦いながら次のセットを待った。
波に乗り浅瀬で立ち上がると、冷たい風が手を刺す。湾の右側のコーナーでは、岩のすぐ近くで太く丸いバレルが出現した。観るだけでも胸が高鳴るが、まだ乗れず、いつか挑む日を夢見た。
波乗りと仲間
「待て!」と叫びながらビーチを戻ると、ジェームズが壊れたリーシュとボードを手に笑顔で走ってきた。強風と激しいセットに巻き込まれ、ボードは岩に跳ね返されたが、無事に取り戻した瞬間の安堵と興奮が顔に広がっていた。「これが始まりだ!」と彼は言い、バンへと走り去った。私はウェットスーツのフロントを開け、フードをかぶり直し、再び冷たい空気に身を委ねた。
これから数週間、ヨーロッパ北部のフリンジで波と絶景を追い続ける。必要なものはすべてバンの後部に積んでいる。
この旅の続きは、Hannah の『Observers』というシングルモーメントストーリー(Sidetracked Volume Nine)で読むことができます。




