モンテローザ・ウルトラツアー 162.5km の挑戦と友情
序章:闇夜の走り出し
闇の中を走り抜ける。計画通りではなかったが、影の巨人たちの下で静かに進む自分は、これまで以上に力強さを感じていた。夜の冷気が体をリフレッシュさせ、苦しみだけだった道に流れが生まれた。時折、嵐の雲が割れ、二日間ずっと側にあったモンテローザのシルエットが私たちを包む。月光とヘッドランプが不規則なトレイルを照らし、疲れた足は岩の上で自然なリズムを刻む。山は私たちだけのものだった――それがこの冒険の目的であり、レースのテープやスタートラインの喧騒から離れた理由だった。
コース概要
モンテローザ・ツアーは全長162.5km、総登降差約10,000mのループコースで、マルチデイのトレッキングとしても、リジー・ホーカーが考案したウルトラトレイルレースとしても人気がある。レース以外でも、鋸歯状の山容を好きな地点から始められるが、私たちが選んだのはアルニャーノ(Alagna)からのスタートだった。アルニャーノは友情の土台を築いた場所で、雪の季節にガイドやプレイを重ねた思い出がある。
挑戦の始まり
実務上はコース全体で最も低い地点から出発し、すぐに標高の高い地点へと登り始めた。猛暑の中、汗が服に張り付く。ジェームズは自然に速く、私が一歩一歩苦闘する姿を見ると自分の中の悪魔が目覚めた。暗い時間帯に備えてiPodを持たせなかったが、結局自分の頭の中に閉じこもりすぎて会話が途絶えてしまい、自己疑念が湧いた。高度が上がり酸素が薄くなると、役割が逆転し、私はジェームズより遅れずにペースを保ち、彼にカーフ筋を使わせる形でリードした。
仲間との支え
最初の数日、互いの弱さから力を得た。競争ではなく、相手の状態を気遣い、休憩地点や補給を提案し合った。低調なときは友の手を差し伸べ、必要なときは助けを受け入れる謙虚さがあった。
過酷な地形と感覚
UTMBで走った滑らかなトレイルとは対照的に、岩が多く技術的な難易度が高い道が続いた。単に走るだけの余裕はなく、熱が増す午後も体はさらに疲労した。苦痛だけで語るのは簡単だが、各登攀で達成感を得て、景色を大切にした。レースでは距離と時間に意識が向きがちだが、ここでは景観—岩陰のスナックや高山草原、遠くの山岳通過光—に心を向けた。
時間と天候の変化
二日目はモンテ・モローパスを上りながら、時間が止まったかのように感じた。分は時間に伸び、進む速度は遅い。天気予報は激しい嵐を示し、同じ方向へ向かうハイカーと顔を合わせるたびに、危険を確認し合った。
決断と帰還
どちらもレースを途中でやめたことはなかったが、チェックポイントが無い状況で、モンテローザの裏側に取り残されるリスクが高まったため、午後遅くに折り返すことにした。山の裾が右側に回り込み、スケジュールは逆転し、余裕が生まれた。期待の重荷が下がり、夜走りを続けたのは「必要だから」ではなく「走りたいから」だった。
ウルトラツアー・モンテローザは9月1日~3日に開催される。詳細は ultratourmonterosa.com またはコースマップをご覧ください。











