HOME 旅行ガイド 常識的な旅行
img

ノルウェーでバイキングの国をハイキングする価値はあるか

はじめに

1日で達成感を味わう方法:ノルウェーのトロルチュンガを通る9時間半のハイキング、地球上で最も怖いと言われるインスタ映えスポットへ。

ノルウェー・ベルゲンのホステルで午前8時15分、9月のロードトリップ5日目の朝だった。小さな4人部屋で、天窓に雨が激しく叩きつけ、下のベッドからは独特の匂いが漂ってきた。普通のホステルの臭いというより、3週間自転車で旅を続けていたドイツ人の洗濯されていない靴下の匂いだった。熱いシャワーとオスロの自分のベッドが恋しくなった。

この匂いが、トロルチュンガへのハイキングへの不安をかき立てた。

準備と計画

トロルチュンガ(ノルウェー語で「トロールの舌」)はホルランド郡に位置し、ハフポストが「地球上で最も怖いインスタ映えスポット」と評した。ソーシャルメディアが普及してから、22km(往復11km)のハイキングに挑む人は年に500人から数千人へと急増した。決して楽な道ではないことは間違いない。

私はハイキングショップで装備を確認した。新品のブーツで9時間歩くのはリスクがあると考え、店員に自分のシューズ(スパイク付きのソロモン・クロス)やレギンス、フリース、ハグロフのパーカが問題ないか尋ねた。店員は「ノルウェーの子どもは朝食にこれをやる」ほど自信満々に答えてくれた。

ベルゲンの港

ノルウェーでバイキングの国をハイキングする価値はあるか

港でフェリーに乗り、ロゼンダルへ向かい、そこから35分のバスでオッダへ。バスは私一人だけで、運転手はドイツ民謡を流していた。静かな時間の中で、次の挑戦へと心が高鳴った。

オッダでの出会いと出発

オッダに到着すると、先に旅を共にしたベルギー人の仲間が待っていた。彼らの存在が不安を吹き飛ばし、翌日のハイキングへの意欲が湧いた。

食料は自炊用にチキン、パン、ヨーグルト、卵、サラミ、チーズ、マヨネーズ、チョコレート、クッキーなどを大量に購入した。

宿はタイッセダルのアパートで、鍵コードだけでチェックインできるシンプルなものだった。

トロルチュンガへのハイキング

朝7時30分のバスに乗り、8時にハイキング開始。上りは約5時間、下りも同じくらいかかると予想した。途中、アメリカ人の科学者と出会い、自然と友達になった。

標高差は900mで、最初の1.5kmで大半が上がる。氷の穴や泥、雪原、湖、岩場を通過し、様々な地形が続く。舌(トロルチュンガ)に到達したのは11時45分で、写真撮影の列は最初は15分だったが、すぐに1時間に伸びた。

トロルチュンガでのショット

ノルウェーでバイキングの国をハイキングする価値はあるか

舌の先端に立ち、背中を地面に寝かせたが、危険な行為は避けた。周囲はヨガやタンゴ、ビールを楽しむ人で賑わい、まるで大学のミキサーのようだった。

下山と余韻

下山は体力が尽きた状態での挑戦だった。足が重くなり、途中で仲間に「先に行ってくれ」と伝えた。最後の区間は泥のロープや薄暗さが相まって、まさに地獄の1時間だった。

下山後はバスでオッダへ戻り、熱々のピザでエネルギーを補給。9時間半のハイキングは疲労感と達成感を同時にもたらした。

本記事は元々Eurotashに掲載され、許可を得て転載しています。

さらに、他の記事

21の冒険旅行者向けギフト
2016年の旅行計画に加えるべきユニークな目的地
ニューヨーク・アディロンダック上の森の散策


トラベルノート
  • ラグナロクの炎を越えて

    雨の山道を下って 濡れた黒い砂の上に残された足跡を振り返り、私たちが苦労して登った斜面を下りていく。雨が吹きすさび、手で目を覆いながら目的地を思い描く。温かい汗と冷たい雨粒がジャケットにぶつかり合う。アイスランド高原を二日間歩き回り、巨大な嵐が迫っていた。遠くの水平線に小さな木造小屋が見え、黄色い苔むした丘が霧の中に消えていく。 モニカは赤いゴアテックスのジャケットで、足元の見えにくい道を探りながら先へ進んだ。革のブーツは何年もの遠征で擦り減っていたが、確かなリズムで谷底へと続く道を刻んでいた。振り返ると、彼女は小さく力強い笑顔で『もうすぐだ、行こう!』と叫んだ。 谷間に響くのは足音と息遣い、そして山頂を吹き抜ける冷たい風だけだった。 小屋は遠くの蜃気楼のように揺らめき、何度距離を測っても歩いていないように思えた。やがて、雨が激しくなる中で古びた木の扉の前にたどり着くと、私たちは濡れながらも笑顔で息をついた。 山小屋でのひととき 背中に重いリュックを置き、冷たい石床に座ってパラフィンストーブに火を灯した。小屋は凍てついていたが、ストーブの熱で徐々に暖かくなった。モニカはお茶用の水を沸か

  • スコットランド北部で背負い歩きとパックラフトで巡る自然旅

    ロッホ・ディオナードのほとりに静かに座り、向こう岸で赤鹿が草を食むのを見ていた。光は薄れ始め、スコットランド北部の5月ではすでに遅い時間帯だ。私の背後にそびえるクレアグ・ウルバードの巨大な岩陰と、山腹の雪解け水が流れ込む小川の音以外、夜は完全な静寂に包まれていた。 旅を出てからわずか二週間。出発時は体が結び目のように固まっていた。そんな時こそ、ひと息つくべきだと実感した。 疲れはそれほど感じていなかったが、南へ別の山々や水路を通る別ルートに戻りたくなる衝動に駆られた。仕事への復帰はまだ頭の片隅にしか浮かんでいなかったが、長く待ち望んだ旅が終わりに近づいているという切実な感覚は拭えなかった。最後のキャンプは思い切り楽しむ価値があった。 自給自足のバックパッキングで最も好きなのは、自分の力で土地を横断できる満足感だ。車で訪れるときよりも、足元で変わりゆく風景と直接向き合う感覚が強くなる。遠くの丘は他の丘の頂上から見るとより大きく見え、やがてその中に入り込み、そして背後に残す。毎晩異なる場所でテントを張るたびに、静かな隅っこへアクセスでき、日常のガジェットに頼らずに自分だけで生きられる幸運を

  • ハイ・アトラス山脈を横断した自転車パッキング

    旅の概要 約550kmにわたるハイ・アトラス山脈の自転車パッキング。ティネリールを出発し、トドラ渓谷を通過、8日間で東西に横断。その後、南へ向かいMゴウン山脈を越えて、最終拠点のブールマルヌ・ド・ダデスに到着した。 天候と最初の困難 ほとんどの時間が灼熱の中で過ごされたが、最後の15kmで雨と雹が降り、岩陰に避難して一時的に涼を取った。雨に濡れ、土だらけになりながらラ・カテドラルのシェルターに到着すると、オーナーに「どこから来た?」と尋ねられた。答えは「アネルギ」だったが、そこにはもう道路は残っていない。4WDさえ通れないが、マウンテンバイクなら走行可能――ただし、前日に過酷な走行をした後では決して楽な道ではなかった。 モロッコの風景と出会い モロッコの大自然は壮大で、住宅や建物はほとんど見当たらない。時折、羊やロバに囲まれた羊飼いが姿を見せ、村の子どもたちはタバコの煙に興味を示しながら足で追いかけてきた。 3日目:ブー・ゼムーからの登山 早朝にブー・ゼムーの小さな村を出発し、長く緩やかな登りが続く山道へ。遠くに点在する孤立した家々は、観光客や自転車乗りを見ることがほとんどないだろうと