ハイ・アトラス山脈を横断した自転車パッキング
旅の概要
約550kmにわたるハイ・アトラス山脈の自転車パッキング。ティネリールを出発し、トドラ渓谷を通過、8日間で東西に横断。その後、南へ向かいM'ゴウン山脈を越えて、最終拠点のブールマルヌ・ド・ダデスに到着した。
天候と最初の困難
ほとんどの時間が灼熱の中で過ごされたが、最後の15kmで雨と雹が降り、岩陰に避難して一時的に涼を取った。雨に濡れ、土だらけになりながらラ・カテドラルのシェルターに到着すると、オーナーに「どこから来た?」と尋ねられた。答えは「アネルギ」だったが、そこにはもう道路は残っていない。4WDさえ通れないが、マウンテンバイクなら走行可能――ただし、前日に過酷な走行をした後では決して楽な道ではなかった。
モロッコの風景と出会い
モロッコの大自然は壮大で、住宅や建物はほとんど見当たらない。時折、羊やロバに囲まれた羊飼いが姿を見せ、村の子どもたちはタバコの煙に興味を示しながら足で追いかけてきた。
3日目:ブー・ゼムーからの登山
早朝にブー・ゼムーの小さな村を出発し、長く緩やかな登りが続く山道へ。遠くに点在する孤立した家々は、観光客や自転車乗りを見ることがほとんどないだろうと想像させた。
切り開かれた狭いトラックと急降下
山頂と谷底を結ぶ唯一の道は、幅の狭い切り開かれたトラック(piste coupée)だった。全長約5kmで標高差は1200m。最初は急勾配の下りが続き、過去に利用された形跡があったため正しい道だと判断した。しかし、途中から植生や倒木、突き出た岩が多くなり、サイクルでの走行が不可能に。計画を変更し、徒歩で下山することになった。
水分不足と体調の危機
極端な暑さの中で体力が急速に消耗し、水分の残量も激減。夜の拠点はまだ遠くないものの、状況は危うかった。
怪我と仲間の状況
下山中、以前ベルギーで起きた事故で取り付けたチタン製のナットとボルトで固定された肩と腕に大きな負担がかかり、一時休憩を余儀なくされた。自分は助けが必要だったが、同行していた三人の友人もそれぞれ問題を抱えており、孤立した状況だった。
この経験は、過酷な環境下での準備と仲間の重要性を改めて実感させるものだった。





