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ワードローブをくぐって

はじめに

誰もが聞いたことがある、イギリスの田舎のクローゼットの奥に隠されたナルニアの物語。外界からはほとんど入れない魔法の国です。最近のノルウェー・ナーヴィックへの旅を振り返り、現実の街と幻想のナルニアを比べてみました。

ナーヴィックへの期待

西海岸のこの小さな港町については、山肌に切り込まれた雪の滑走路や、フィヨルドに続く最高のスキーラインといった数々の噂を聞いていました。ビール片手に語られる伝説や、スキー映画で映し出される映像だけでは、まだ謎が多く、むしろ行きたくなる気持ちが高まりました。

到着と現実

実際に足を踏み入れたナーヴィックは、漁業と鉄鉱石輸出で成り立つ工業都市でした。山は壮大なスキーリゾートのようにそびえ立つわけではなく、白い雲に隠れた控えめな姿です。街の店先にスキーやクライミング用品が並ぶことは少なく、普通の海辺の町のようです。しかし、地下には山岳探検に情熱を燃やす仲間たちがいて、何年も周辺の花崗岩峰を踏破してきました。

ガイドと仲間たち

『ライオンと魔女とワードローブ』の子どもたちが冒険を見つけるまでに時間がかかるように、ナーヴィックの山々も簡単には登れません。スキー探検家のミカエル・アフ・エケンスタムは、地元の山を生涯かけて滑り続け、数々の美しい降下ルートをまとめたガイドブックを出版しています。オーストラリア人スキーヤーのカイ・ソンニッセンのメモが添えられたその本を手に、スウェーデンのリヌス・メイヤーとジョン・アンダーソンと共に、噂のルートを確かめに出かけました。

スカムダルスレンナ(Shameful Valley Couloir)への挑戦

雲に覆われたナーヴィックは、まるでベールをかぶったように秘密を隠していました。凹凸のあるトレイルを車で上がりながら、窓の外を見つめて何かがあるか確認しました。カイを誘って最初の降下地点、スカムダルスレンナに到着。

春の暖かさで雪が薄くなっていたため、まずは徒歩でアプローチ。北ノルウェー特有の「罵倒と岩の間をすり抜ける」ような地形を30分ほど進み、スキーの先端で苔の上にバランスを取る感覚を味わいました。雲が視界を遮る中、徐々に急斜面が姿を現し、クライミングギアに持ち替えて白い無限へと踏み出しました。

風が装備を叩く中、雲の上で孤独感に包まれました。やがて雲が上がり、トヴェルダルスフェレットの岩頂が見えましたが、ルートは不明瞭。カイのルートファインディングがなければ、崖落ちの危険があったでしょう。彼が岩の隙間を覗くと、両側が花崗岩に囲まれた狭い雪のクーロアが現れました。

そこは、私が今まで見た中で最も美しいラインの一つ。まるで小説の最終章で、物語が終わりに近づくほど本当の冒険が始まる瞬間のようでした。

私たちは40〜45度の斜面を曲がりくねるクーロアを滑り降り、最初はタイトなターン、次第に広がる春雪の舌へと続く完璧な急斜面を体感しました。

続く冒険と発見

最初のラインの後、雪質はさらに良くなり、日々がぼやけるほどに新たなルートを探し続けました。ガイドブックに記された『X』印を目印に、頭上の低木や凍った湖、岩壁の向こうに隠れたスキーラインを探し出すのは、まさに宝探しでした。

フランスアルプスでの冬季戦いの後、私たちは人里離れた山々で孤独に挑んでいました。キャンパーバンを道路脇や電力ステーションの横に停め、そこから出発する瞬間は、まさにワードローブをくぐってナルニアへ踏み入れるような感覚でした。

目標にたどり着くまでに何度も失敗し、時には上空や谷底でしかルートが見えないこともありましたが、粘り強さが報われる瞬間は格別でした。誰もいない山で、パウダーが足元でシューッと音を立てる中、歓声と笑い声だけが響くのです。

結び

現実と幻想の境界は、実はとても狭いものです。魔法のような瞬間は、見る人の目に映ります。自分だけの『ナルニア』を見つけるかどうかは、あなた次第です。


トラベルノート
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