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秋のラングル山脈・バイク&パックラフト・トラバース記

準備と出発

夏の終わりが近づくと、私とキムは急いで秋のトリップの準備を整えました。いくつかの案を練っていたものの、やはりラングル山脈での長距離バイク+ラフト横断が最も魅力的でした。トラックに自転車、パックラフト、キャンプ用品、食料を積み込み、アラスカ中部の自宅を出発し、東へと長いドライブを始めました。

ラングル山脈とは

ラングル山脈は、アラスカ東部に位置する巨大で氷河に覆われた火山群です。私が育ち、若い頃に過ごした場所でもあり、人生に最も大きな影響を与えた土地です。この山脈をキムに紹介し、長年離れていた私たちが再びつながる機会に胸が高鳴っていました。

トラバース計画

目標は、山脈内で氷河が少ないルートを北から南へ横断すること。9月は川の水量が減り、比較的走りやすい時期ですが、早い雪や夜間の氷点下気温が懸念材料です。救助用のトラッキングデバイスを持たず、ルートに簡単な退路がないことに不安もありましたが、挑戦したい気持ちは抑えきれませんでした。

出発直前の天候と相談

ナベスナ道路を走る朝、標高2,000フィート以下に雪が降っていましたが、昼になると太陽の暖かさで雪は溶け始めました。デビルズマウンテンロッジでコール・エリスとルートを話し合い、彼の父親が70年代にこの地域でガイドをしていたことから、現地の知見を得ました。コールは安全ネットとしてトラッキングデバイスの重要性を指摘しつつ、天候の予測が難しいことに同意しました。

秋の彩りと初日の走行

装備を背負い、トレイルへと下ると、山々は鮮やかな紅葉に染まり、息を呑むほどの景観が広がっていました。曲がり角や開けた場所ごとに立ち止まり、カメラを構えて写真を撮りました。

秋のラングル山脈・バイク&パックラフト・トラバース記

秋のラングル山脈・バイク&パックラフト・トラバース記

秋のラングル山脈・バイク&パックラフト・トラバース記

秋のラングル山脈・バイク&パックラフト・トラバース記

パックラフトでの川下り

数マイル走った後、川に差し掛かり、1人用のアルパッカ・パックラフトを膨らませて装備を積み込みました。短い下流を下った後、ブレード状のナベスナ川に合流し、氷河水が供給する大きな川を数マイル進み、次の日に上流へ向かうクリークと合流しました。

氷点下に近い風が川面を吹き付け、スカウトやポートージングのたびに大きな岩でラフトを固定しなければなりませんでした。夏が完全に終わったことを実感させる、遅いペダリングでした。

岩場でのバイク走行

川床を登りながらのバイク走行は格別の楽しさです。見た目は乗りにくそうな岩が次々と現れますが、最後の瞬間に通れるラインが見えてくると、勢いよくクリアできます。成功したときの小さな歓喜が何度も頭に浮かびました。

午前中はクリークを上り続け、分岐点に到達したところで急勾配と大きな岩が現れ、バイクを押しながらの登りが始まりました。キムは以前のクリーク横断で足を滑らせた経験があり、再び不安がよぎりますが、次々と新たなクリークが待ち受けています。

ナビゲーションの失敗

GPSで緯度・経度を確認し地図に合わせようとしたものの、表示された座標は実際の位置から20マイル以上北西にずれていました。何度もデバイスを再起動しても同じ結果。結局、夜はこの問題を寝かせ、翌朝に再検討することにしました。

翌朝の議論と決断

コーヒーを飲みながら、天候とナビ失敗について真剣に話し合いました。装備は完璧なのに、晴天時でなければナビが機能しないというジレンマ。もしシティストーン付近で雪が降ったらどうなるか、40度以上の斜面にある細いヤギ道は通れるか…と不安が募ります。空はクリアでしたが、南空に薄い巻雲が漂い始めていました。

秋のラングル山脈・バイク&パックラフト・トラバース記

秋のラングル山脈・バイク&パックラフト・トラバース記

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秋のラングル山脈・バイク&パックラフト・トラバース記

秋のラングル山脈・バイク&パックラフト・トラバース記

GPSの不調と教訓

現代の衛星測位は光速で複数の衛星と通信し、正確な位置を示しますが、太陽のコロナ質量放出や米空軍の衛星停止作業により、一時的に信号が乱れることがあります。今回の不調はその影響と考えられ、次回以降は公式サイトでの事前確認が必須です。

仲間への追悼と安全への思い

出発前に、親しい友人が行方不明となり、数か月後に遺体が確認されたニュースを聞きました。また、経験豊富なアラスカの冒険者が夏のパックラフトレースで命を落としたことも知りました。冒険者にとって死は常に背後にあるリスクです。私自身も過去に何度か死の淵をさまよい、戻ってきた仲間を思い出すたびに、安全な判断がいかに重要かを痛感します。

撤退と帰路

朝になり、巻雲が増えてきたため、撤退を決断。ナベスナ川の広い岩と砂利のバンクを逆走し、トラックまで戻る道のりは、アラスカのリモート地形に最適化された大径タイヤ自転車の性能を再確認させてくれました。まるで巨人の王座を歩くような感覚でした。

帰路で「もう少し頑張れば大丈夫だった」と言い合う瞬間もありましたが、最終的には「安全な判断をした」と互いに納得。時間が経てばまた意見が交錯し、冒険の議論は永遠に続くでしょう。

最後に

自然の中で命を賭けて挑んだ友人たちへの敬意を胸に、これからも自転車とラフトで山を駆け抜けます。彼らの勇気と教訓を忘れずに、次の冒険へと踏み出すのです。

追記:帰宅後、FAAに問い合わせたところ、我々が遭遇したGPSの異常は、出発中に発生した大量の太陽コロナ質量放出(CME)による電磁干渉が原因と推測されました。また、米空軍が計画的に衛星を停止させる情報は公開サイトで確認でき、次回の遠征前にチェックすることをおすすめします。


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