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リトル・ナハニ川での14日間白水カヌー探検記

序章

雨の中でテントを張り、乾燥スーツのままウェットワイプで顔を拭きながら、カナダ・ノースウェスト準州の湿った森林に囲まれていた。体は冷え、濡れ、疲労が蓄積し、筋肉の痛みが増す中、リトル・ナハニ川のカヌー遠征チームリーダー、リン・エリオットが私に声をかけた。

「ダスティン、これはハードな旅だ。初めてで比べるものが少ないかもしれないが、かなり厳しいよ」

出発と天候

14日間にわたる狭いリトル・ナハニ川の探検は、私にとって白水カヌーの初体験だった。川はナハニ・ナツィチオー保護区を流れ、ほぼ常にクラスIII+の急流が続く。出発前に天候は不安定で、フロートプレーンはレーダーを持たず、視界が確保できなければ飛行できないという制約があった。通信担当のヴァネッサ・マーツェルは嵐で5日間保護区に閉じ込められた後、ようやく合流した。

天候の隙間を狙い、私たち6人はフート・シンプソンからフラットレイクスへと飛び、機体の酸素欠乏で一時的に意識を失うというハプニングも経験した。翌晩は頭痛がひどくベッドに倒れ込み、仲間はステーキで祝った。

川の冒険

3日目にようやく雨と雹が止むことなく川下りを開始した。最初のカーブで巨大なカモシカが川底で草を食んでいるのを見つけ、回避できずにそのまま通過した。北部カナダの未踏の地で、ムースやクマとの遭遇は日常だった。

7日目の夜、雨は7日連続。私たちは「クロークド・キャニオン」の入口に到着し、クラスIIIの急流とクラスIVのセクション、そして大きな落下が続くため、ポートレージ(陸揚げ)を検討した。インフルエンザに苦しむ私にとっては、キャニオン壁を上り下りするのは無理に思えたが、ホワイトウォーターガイドのケン・マクディアミッドとパブロ・ヴェルメーレンが翌日全カヌーで走破することを決定した。

遭遇と試練

その夜、乾燥スーツのまま森を歩き回っていると、約30メートル先に黒クマが現れた。互いに見つめ合うが、クマはすぐに鼻を上げて去っていった。翌日、キャニオン走破は順調に進み、雨が止んで太陽が顔を出した。

最終日、私は体調が回復し、朝食を楽しんだが、カヌーに乗ると集中力が欠けていることに気付く。急流でケンの指示を聞き逃し、バランスを崩してカヌーが転覆寸前に。ケンの叫びと共に座席にしっかりと座り直し、無事に川の合流点まで走破した。

最終夜と帰還

最後の夜、ベアが近くにいると警告されていたが、私は湖を見渡せるリッジにテントを張った。深夜、クマの鳴き声で目が覚め、テントがひっくり返された。外を見ると、子供のように怯える黒クマの子がいた。仲間が駆けつけ、ベアバンガーで追い払った。

ラビット・ケトル湖で飛行機を待つ間、パブロが「もちろんクマはダスティンに来たんだ」と笑った。旅の間、カメラの水没、誕生日の体調不良、二度のクマ遭遇、そして自分の経験不足の白水に挑んだすべてが私に降りかかったが、チームの支えで乗り越えることができた。

エピローグ

この遠征は、過酷な自然と自分の限界を試す貴重な経験となった。仲間の笑い、励まし、そして協力がなければ、リトル・ナハニ川の白水は乗り切れなかっただろう。

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トラベルノート
  • プッシュ:北極圏の凍河での孤独な闘い

    嵐の夜 ジャケットの中で腕を解放しようと体をくねらせ、頭上に手を伸ばす。二つの帽子は落ち、凍える夜風が耳を刺す。寝袋の中でバッテリーやボトル、毛皮ブーツを探し回り、やっと帽子を見つけて耳にかぶせた。凍った手袋越しに寝袋の裾の紐を探し、何度か失敗した後に掴んで締め直す。時計は午前1時、まだ眠りは訪れていない。 太陽はすでに沈み、オーロラが空を舞い始めていた。緑の光がテントの開口部から見える淡い雪に揺らめく。ヘッドランプを点けると、氷に覆われた壁面に光が跳ね返る。気温は-30℃前後。カナダ北西部、北極圏の上にある凍った川のほとりでキャンプしているという、夢のような場所だ。南米の最南端からここまで一年かけて旅をし、今は世界一周自転車旅行の中間地点、北極海の氷岸から数日離れた場所にいた。氷の高速道路を辿り、春になるまで凍ったままの川を走っていた。 しかしテントの中は孤独で不安だった。壁が揺れ始め、帽子を再び耳から外すと、嵐が迫ってくる音が聞こえた。風の轟音が低くうなるように高まり、テントは圧力に耐えきれず揺れた。外を見ると、オーロラも星も消え、暗い雲が川岸を覆っていた。すぐにテントのドアを閉め

  • 深淵へ

    序章:雨の中の夜 ダンと私は交代でテントを出て雨の中を走り、緊急的にトイレへ向かった。体調が悪化するたびにキャンプマットに横たわり、屋根に打ち付ける雨音を聞きながら、アプリマック川の増水を想像した。胃の中で蛇のように蠢く不快感に苦しみつつ、暗い岩壁の間を流れる茶色い水の波に心が揺れた。私たちはまだ『アビスモ(深淵)』の中にいた。 ペルーでのカヤック旅 ペルーに来てほぼ二週間。標高の高い南西部の砂漠で、コルカとコタウアシの渓谷をカヤックで下り、ダン・イェイツとルイジ・カテリアーノという二人の水の守り手と共に旅をした。星空の下、砂浜で語り合う彼らの川への情熱は、昼間の急流と同じく私たちの心を揺さぶった。 コルカ渓谷では、穏やかな白水が岩壁の抽象的な地形を映し出し、狭い空の帯の中でコンドルが旋回した。壁が垂直でない場所では、数百メートルにわたる急な岩礫斜面が視界を奪い、想像だけで足を止めた。 渓谷の奥深くでは、巨大な壁と過酷な景観が私たちの依存心を映し出した。カヤックと装備への絶対的な信頼が、短いながらも濃密なコミットメントを生み出した。 コタウアシからアビスモへ コタウアシを離れたとき

  • 境界なき旅路

    嵐の夜と避難所 薄明かりがテントの布を通して差し込み、目を開くとすぐに不安な夢は消えてしまう。前夜は激しい雷雨に見舞われ、テントは雨に浸り、装備はびしょ濡れになった。岩場の間にしか設置できなかった軽量シェルターは、重さを削るために内部テントを持たずにいたことが災いした。 雨が止み、カラスの鳴き声だけが響くコル・デュ・ローファーの上で、テントを開くと雨幕の向こうに廃墟の要塞が見えた。黒い銃眼が私の視線を引きつけ、周囲には錆びついた鉄条が点在している。 マジノ線の遺構へ 扉が開いているので中へ潜り込み、ヘッドランプを点灯する。ここはかつてのマジノ線の一部で、アルプスの高地に軍事遺構が点在している。兵舎、要塞、砲塔、機関銃巣などが自然と混ざり合い、岩や雪、マーモット、アイベックスといったアルプスの風景と共存している。 コンクリートの廊下を左右に曲がりながら進むと、風が二つの銃口の間を吹き抜ける部屋にたどり着く。外を見ると、岩盤と雪が混ざる斜面がラーチの林と紫色の花畑へと続いている。人間の痕跡はなく、自然だけが千年の時間を刻んでいる。 歴史の残響 第二次世界大戦中にここで戦闘が行われたことを想