パリラ調査レポート – ガリー・ディーン
はじめに
毎年1月下旬から2月上旬にかけて、米国地質調査所(USGS)やハワイ大学、マウナケア復元プロジェクト、マウイ森林鳥類回復プロジェクトなど、さまざまな団体のメンバーが集まり、パリラ(Loxioides bailleui)の個体数調査を行います。今年は幸運にも調査チームに招かれ、実際のフィールドでカウントに参加する機会を得ました。
パリラとは
パリラはハワイ固有の絶滅危惧種のハチミツシチュウです。かつてはカウアイ島、オアフ島、ハワイ島のマウナロア火山とフアラライ火山にも分布していましたが、現在はマウナケア西斜面のママネ(Sophora chrysophylla)とナイオ(Myoporum sandwicense)の森林帯(標高6,500〜9,500フィート)に限られています。カウアイ島とオアフ島の海抜近くで骨が見つかっており、過去に広範囲に生息していたことが分かっています。
調査の歴史と規模
パリラ調査は、特定の鳥種に対する最長継続調査として国内外で知られています。最初の調査は1980年に開始され、以降毎年実施されています。
調査手法
標高約9,500フィートから6,000フィートまでの13本のトランセクト(調査路)を設定し、各ステーションは約150メートル間隔で配置します(図1参照)。各トランセクトは上部・中部・下部の3区間に分けられ、一次カウンターと二次カウンターが6分間観測し、パリラや他の鳥の鳴き声・姿を記録します。鳥がステーションから何メートル離れているかも測定し、統計的に見落としがちな個体数を推定します。
パリラが多く見られると考えられるコアトランセクトは、天候が良好な別の日に再度カウントされます。カウントは夜明けに開始し、午前11時頃に終了します。悪天候の場合は数日間延期されることもあります。各ステーションでは風速や雲量も記録し、すべてのデータは統計家が解析して個体数の増減傾向を評価します。
事前準備
本格的なフィールド作業に入る前に、チーム全員で1日かけてキャリブレーションを行います。模擬カウントや鳥の距離推定練習、鳴き声の聞き分け訓練などを実施し、全員が同じ基準で観測できるようにします。
実際のカウント体験
私が最初に担当したトランセクトでは、4羽のパリラしか確認できませんでした。翌日、別のトランセクトに移動したところ、24羽のパリラが検出され、場所による個体数の差がはっきりと分かりました。

パリラ

図1. 2013‑14年調査のエリア、トランセクト、結果
フィールドでの1日
毎朝4時〜5時にマウナケアレクリエーションパークのキャビンを出発し、日の出とともに割り当てられたトランセクトへ向かいます。寒さは厳しいものの、日の出とともに暖かくなります。通常、4時間ほどトランセクトを歩き回り、午後1時頃にピックアップされるか、4×4車で戻ります。その後は自由時間となり、昼寝や休息を取ります。
翌日のカウント計画は、マウナケア森林復元プロジェクトのジャクソン・バウアー氏とUSGSのクリス・ファーマー氏が担当し、30名以上の参加者の移動手段や集合場所を調整します。人数が多いため、スケジュール調整は非常に手間がかかります(図2・図3参照)。

図2. カウント計画ミーティング

図3. ガリーが日の出とともにトランセクトへ向かう様子
まとめと感想
3日間のボランティア活動は、食事や飲み物を共にしながらハワイ固有の鳥類研究の第一線で活躍する専門家たちと交流できる貴重な経験でした。プロフェッショナルなチームと共にフィールドで学んだことは、今後の鳥類調査への参加意欲をさらに高めてくれました。

何と壮大な眺めでしょう!

ママネ林とマウナロア山の朝日




