フェロー諸島での雨に包まれたサイクリングと絶景巡り
旅の始まり
灰色のフランネルのような霧が小さな足跡のように島全体を覆い、丘の頂きを隠し、谷を外部から切り離す。冷たく湿った空気に細かい雨が漂い、トンネルから吹き込んでは湿った斜面へと流れ、光沢のある道をたどって下の村へと続く。静かな思索と待機の時間。昼食と温もり、コーヒー、そして霧と雨を払ってくれる一筋の光—雲を突き抜く一瞬の光線—を切に願った。
フェロー諸島を巡る計画
フェロー諸島への旅はハイライト集になりがちだが、今回はXPDTN3のミッションに従事するポールと、初めて島を訪れるフィオラと共に、訪れた場所を記録し、後に続く人のためにルートを公開することを目的にした。BBCのフォトエッセイに触発された旧郵便路の再訪計画は、地元サイクリストのヘイグリとアルフレッドの助言で、グラベルバイクには不向きと判断。そこで、Komootで見つけた見所を結び、現地のアドバイスを取り入れたルートを作成し、共有した。
滝と吊り湖を追いかけて
昼食は人里離れたガサダル村のカフェ Fjorooy で。壁には昔の郵便配達員の茶色い写真が飾られ、雪や嵐の中で徒歩で郵便を集めていた過酷な日々が語られる。私たちは骨の髄まで濡れたまま、世界で最も写真が撮られる村の一つ、ムラフォッサルの滝が背後に流れる小さな家々の上に座っていた。2005年まで車でアクセスできなかったこの村は、600メートルの山に囲まれ、物資は船やヘリコプター、あるいは山を越えて歩いて運ばれた。1940年に英国軍が水辺へ降りる階段を作るまで、漁師は6kmの険しい道を歩いて最寄りの安全港 Bøur へ向かっていた。
カフェで熱いコーヒーと冷たいオープンフィッシュ、卵とサラダのサンドイッチを味わい、濡れた靴下を乾いたものに交換した。雨の中、完璧に整備された道路を走る私たちの姿は、昔の住民が毎日行っていた過酷な旅路に比べれば楽に思えるが、彼らの頑強さに敬意を抱く。
雨の中のサイクリング
濡れた路面でタイヤが水しぶきを上げ、顔に噴きかける水滴を避けながら走る。まるで Moby Dick の一節を思い出すように、寒さの中で暖かさを求める心が体に染み渡る。30km の冷たく湿った道はまだ続くが、仲間と共に前進する。
吊り湖と光景
次に向かったのはフェロー最大の湖、ソーヴァグスヴァトン(レイティスヴァトン)。特定の角度から見ると、海の上に浮かんでいるように見える光学的錯視が有名で、"海上の湖" と呼ばれる。湖の端に流れ込むボースダラフォッサルの滝は雨に濡れ、さらに美しさを増す。泥濘のトレイルを抜け、再び道路へ戻ると、車やバスの通過音とともに30km の走行が続く。
エルドヴィックでの温かな晩餐
アルフレッドが自作のトレーラーでバイクを運び、エルドヴィックの自宅へ。母親が作るフライフィッシュ、ジャガイモ、ニンジンサラダ、甘いマスタードソースに、HPソースのボトルまで用意してくれた。フェローの人々は控えめで頑固だが、心温かくもてなしてくれる。近くの深い渓谷での水泳話や、サッカーチームが試合前に食べる魚とラビットプディングのエピソードも聞かせてくれた。
夕暮れの渓谷と次の日への期待
夕暮れ前に渓谷へ足を運び、凍えるような水温を体感。雨が止み、雲が山頂で渦を描き、フィヨルドに映える光景は圧巻だった。足元の砂利と雨の匂いは残るが、遠くの山腹に光る道が次の日の走行を誘う。新たな光に照らされた道が、少しでも穏やかな天候をもたらすことを願う。




