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砕かれた夢

アルゼンチン・サン・セバスティアン税関待合室での挫折

サン・セバスティアンの税関待合室に座っていたとき、私の夢は床に砕け散った。風に何日も苛まれ、わずかな休息しか得られず、自己憐憫に沈んだ私は、唯一取れる行動――食事――に走った。昼食をとり、ここまで来るために思っていた以上に深く掘り下げてきた自分に気づいた。

待合室の環境

部屋は暖房が効き、流し台とコンロがあり、隣には専用トイレがある。シャワーが無いだけで、体力を回復させ再出発するには理想的な拠点だった。しかし、頭はすでに疲労困憊。最初の区間は風が強すぎて、想像以上に厳しいと実感した。

他の旅人との出会い

その夜、ヒッチハイカーが次々と通り、ある日本人サイクリストがリオ・グランデから出発し、私の数倍遠くまで進んでいると語っていた。ここは肉体的・精神的に極めて強い人向きの道で、私は明らかに場違いだった。

過酷な道程と風予報

先は砂利道で、次の集落は160km離れたポルベニエルまでない。チリ国境まで15km、そこからシェルターやバス停まで合計約140km。予報では最大風速100km/hと、サイクリングは不可能に思えた。

砕かれた夢

国境での苦闘と奇跡的な出会い

夜は木のベンチで寝落ちし、朝になっても風はうなるばかり。国境警備官に出向き、アルゼンチンから出国スタンプを取得した後、車でのヒッチハイクを試みたが、バイクがあることが原因で全て失敗。帰路のリオ・グランデへ戻る選択肢は精神的に耐えがたく、再度風予報を確認したところ、夜間は風がやや和らぐと判明。

私は夜間に走る決意を固め、9時に出発する計画を立てた。出発直前、4人のイギリス人サイクリストが現れ、彼らに自分の体験を語り残した。

チリ国境を越えて

砂利道を抜け、夕日を背に西へ進むと、夜になると風が激しくなった。深夜0時前に国境を通過し、警備官と簡単なスペイン語でやり取りした後、彼は私にコーヒーを差し出した。その温かさと人間味に救われ、再びペダルを踏み出した。

砕かれた夢

午前1時に出発し、風に逆らいながらも25kmほど走り、途中で車に道を尋ねられたが、親切に対応した。風はさらに強くなり、バッグが帆のように膨らんでバランスを崩しかけたが、諦めずに前進した。

翌朝5時、やっとシェルターを発見。3km手前だったが、疲労と寒さに耐えて入り、風の力が消えた瞬間の安堵は格別だった。暖かい食事とベッドで約7時間眠り、再び出発の準備をした。

次のシェルターと旅の転機

2amに起き、20km先のバス停へ向かうと、そこに扉付きの小屋があり、屋根の上には旅行者用の風除けマップが描かれていた。さらに20km先の廃屋を目指し、やがてエスタンシオン・アモニウムで四人の老人にキャンプを許可され、水もたっぷりと供給された。

月曜は再び美しい景色が広がり、道は起伏に富んでいたが風から守られた。ポルベニエルの手前でキャンプし、翌日のフェリーまで待機した。火曜日には風が戻ったが、ゆっくりでも数時間で到着できると確信した。

ポルベニエルに辿り着いた瞬間、これまでの苦難が報われた。挑戦しなければ失敗し、後悔するだけだが、挑戦すれば成功の可能性があることを実感した。

トラベルノート
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